4 『【痴話喧嘩解決に向けたお手伝い@見守り隊】』
令和1発目の更新です!
いやぁ~GW最高!(明日も仕事ですが……)
それといつもセットで登場していたので、勘の鋭い方にはバレてたような気がします……!
弓削くんと瀬能先輩のある意味先輩となるふたりです!
【痴話喧嘩解決に向けたお手伝い@見守り隊】
PCの画面を投影して直接書き込みができる電子黒板に、そんな議題が打ち込まれた。PCを操作しているのは小原先輩なので、彼女が打ち込んだのは間違いない。
ツッコミを入れるべきなのか否か悩んでいると、今度は電子ペンを持った甲斐先輩がボードに手書きをしていく。……ちなみに各々持ち込んだお昼を食べながらだというのに、重要な会議でもやっているかのような張り詰めた空気なのだ。だからこそ余計にツッコミが入れにくいというのもある。
【痴話喧嘩解決に向けたお手伝い@見守り隊】
1.いつ
2.どこで
3.だれが
4.なにを
5.なぜ
6.どのように
甲斐先輩がさっと書きこんだのは5W1Hと呼ばれる、ビジネスにおける基本的なフレームワークだった。これは新入社員教育にも組み込まれているので当然俺も理解している。
これを行う目的としては状況のシェアをスムーズに実施できるので、甲斐先輩は全員に現状の共有をしたいようだ。
甲斐先輩に「問題の洗い出しだ」と電子ペンを渡され、俺は素直に書き込むことにした。……理由はもう言わなくてもいいよな。
1.いつ……ここ最近
2.どこで……社内で
3.だれが……瀬能先輩が
4.なにを……仕事中
5.なぜ……どうしてか
6.どのように……俺のことを避けている
自分自身も全くもって理解出来ていないので、まともに書き出すことができなかった。
だがこれを見てすぐに発言したのはさすがというべきか、恵比寿部長だった。
「うん。現状は理解できたよ。弓削くん自身もどうして避けられているか自覚がないってことだよね?」
「恥ずかしながら……その通りです」
ふと冷静になると今のこの状況が恥ずかし過ぎて死にたくなる。……何してんだろ俺。
恵比寿部長は柔和な笑みを浮かべると、もう1本の電子ペンを握って流れるような所作で書きこんでいく。
「だとすると僕はこう考えるかな。
弓削くんのことを避けているのは現象だ。
……だとすると解決すべき要因は別にある。
それならば要因はどこにあると思う?
僕は――いつが怪しいと思うな」
「だったら俺も発言しておくか。
だれがのところは、弓削以外今まで通りだな。
誰ひとりとして避けられてはいない。
それになぜは、何らかのキッカケがあったとしか分からん」
次いで釣井先輩もだれがとなぜの項目に書き足し、小原先輩も「私もいいですかー?」と、PC操作を甲斐先輩とバトンタッチして可愛らしい丸文字で書きこんだ。
「どこでとなにをは試したいですねー。
もし社外だったら今まで通りの可能性もありますしー。
仕事が関係してなかったらこれまで通りイチャイチャするかもしれません!」
そうしてまとめられたのがこんな内容だった。
1.いつ……ここ最近 ⇒ 直近で何かキッカケがあったはず
2.どこで……社内で ⇒ 社外での接触を試す
3.だれが……瀬能先輩が ⇒ 弓削以外今までと変わりなし
4.なにを……仕事中 ⇒ 仕事外での接触を試す
5.なぜ……どうしてか ⇒ 何かしらのキッカケがあった
6.どのように……俺のことを避けている ⇒ 現象であって問題じゃない
恵比寿部長が言った通り、俺もいつが怪しいと思う。
時期が分かればおのずと答えも出るような気がする。
「ここから多数決で掘り下げるべきか、そうでないかを決めておきますか」
「甲斐先輩に賛成ー!」
「賛成は挙手にしようか。過半数を超えたら要因の掘り下げだね」
甲斐先輩と恵比寿部長の進行で即座に多数決が取られ、あれよあれよという間に俺がするべき行動が決まってしまった。……ここまで俺はまともに発言していない。頼もしい先輩達だ。
〇1.いつ……ここ最近 ⇒ 直近で何かキッカケがあったはず
〇2.どこで……社内で ⇒ 社外での接触を試す
×3.だれが……瀬能先輩が ⇒ 弓削以外今までと変わりなし
〇4.なにを……仕事中 ⇒ 仕事外での接触を試す
〇5.なぜ……どうしてか ⇒ 何かしらのキッカケがあった
×6.どのように……俺のことを避けている ⇒ 現象であって問題じゃない
「んじゃ、とりあえず弓削が瀬能を飲みに誘って、原因を聞き出すってことで決まりだな」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
つい今さっき、頼もしい先輩達だ、って思ったのに!
その5秒後にこれってどういうことだ!?
完全に俺に丸投げである。
「……なんだ?」
「それができたらこんなに苦労してませんよ!」
「……何言ってんだ? 議題を忘れたのか?」
「え?」
そう言って釣井先輩は議題である【痴話喧嘩解決に向けたお手伝い@見守り隊】を指差した。……そもそも議題がツッコミどころ満載なんですが。
「俺達は解決するとは言ってねぇぞ?
これはふたりの問題なんだから自分らで乗り越えろ。
俺達はあくまでお前らを見守るだけで、苦戦しているようならサポートくらいしてやるってことだ。
それに本気でこの問題を解決したいと思ってんならお前が――弓削がやるしかねぇだろ。
それともあれか?
先輩を飲みに誘うこともできないヘタレなのかお前は?
――いいか? 男なんだったらそれぐらいやれ!
瀬能に本気で、全力で、精一杯ぶつかってこい!」
……釣井先輩の言う通りだった。ぐうの音も出ない。
俺は完全に勘違いをしていた。
これは俺と瀬能先輩の問題であって、本来総務課の皆には関係ないのだ。
それなのに心配してわざわざこんな場を設けてくれたというのに、俺はどこまで先輩達に甘えるつもりだったのか。
……今まではヘタレビビリと言い訳して、瀬能先輩の気持ちを知りながら、自分はまだ釣り合う人間ではないと逃げてきた。
――真摯に向き合わなかったそのツケが今、回ってきたのだ。
「……ありがとうございます。
俺、もう――逃げるのはやめます。
とりあえず先輩を飲みに誘って話し合ってみます!
それから……今取り組んでいる納涼花火大会を無事に成功させられたら……先輩に――告白します!」
「今すぐに告白します! って言わないところが真面目な弓削らしいな。一先ず当たって砕ける……かは別として、男らしく気張ってこい!」
「弓削くんのこと私達は応援してるからねー! ……ねぇ、甲斐先輩?」
「あ、あぁ……そうだな。社内恋愛は色々と大変なこともあるだろうが……頑張れ」
「いやぁ~なんかこういうのを見させてもらうと、心が若返るよ! 弓削くんと瀬能くんかぁ~。僕はお似合いのカップルだと思うよ」
「よし! これにて終了! 各自解散!」
そして先輩達は口々に「弓削頑張れよ~」だったり「弓削くんファイトっ!」なんて声を掛けてくれて、会議室から退出していった。
始めは面倒くさいことに巻き込まれたとしか思っていなかったが、そんなことはなかった。
先輩達は心の底から俺と瀬能先輩の仲について心配してくれていたのだ。
……総務課に配属されて本当に良かった。先輩達の優しさに応えられるよう、これからも全力で仕事に取り組んでいこう。
「甲斐先輩も小原先輩もありがとうございました! 会議室の後始末なら俺がやっておきますよ!」
皆が出て行っても甲斐先輩と小原先輩がPCと電子黒板の立ち下げなどを行っていたので、声を掛けた。
……そういえば甲斐先輩と小原先輩って仲良いよな。気が付くといつも一緒にいる気がする……。
「大丈夫大丈夫! ここは私と甲斐先輩に任せて、弓削くんは戻ってご飯食べてきていいよー? 会議中全然食べてなかったでしょ?」
「そうだぞ弓削。昼飯はしっかり食っておかないと午後が持たないぞ?」
「ありがとうございます。……ところで先輩達もご飯食べてなかった気がしますけど、どこかで食べるんですか?」
「…………あー、うん! 丁度空いてる場所も確保できたし、そこで食べようかなーって」
「俺はここを片付けたら、適当に空いてるところで食べるつもりだ」
空いてる場所? どこのことだ?
……まぁいいか。俺もとっとと昼飯を食べて、納涼花火大会の詳細をつめておかないと。
「そうですか。ではお先に失礼いたします!」
「弓削、これから色々と頑張れよ」
「弓削くん、私達は味方だからねー!」
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「――まーくん私に話し振られて動揺してたでしょー?」
「会社でその呼び方はやめろって言ってるだろ……全く」
「ケチ! 甲斐先輩のいけず! イイじゃないですかー! 誰もいない会議室なんですしー!」
「……ケチで結構。それに小原も弓削に話しを振られて動揺してただろ?」
「うわっ……バレてましたー? でも弓削くん気付いてなかったし大丈夫です!」
「俺はすぐに分かったけどな」
「……ふーん♪ 甲斐先輩って私のことよく見てるんですねー!」
「……いいから、早く飯食うぞ。時間ないからな」
「らじゃーっ! はい、まーくんの分」
「――わざと言ってるだろ? ……ったく……いつもありがとうな」
「もーっ! まーくんこそわざとやってるでしょ! このツンデレ!」
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~ラフイラスト公開コーナー~
第2弾はこの男――赤コーナァァァ! 全日本ヘタレビビリ選手権優勝――弓削ぇぇぇ明ぃぃぃ弘ぉぉぉ!
うん! 弓削くん可愛い!
プロレスラーっぽくカッコ良く紹介したけど、瀬能先輩がちょくちょく言っているように、弓削くんはカッコイイより可愛い系だから無理でした!(笑)
こうして見ると、弓削くんの真面目さと言うか、従順さと言うか……何とも言えない子犬感がスゴイ伝わってきますね!
ヘタレビビリチキンからヘタレビビリワンコに改名するしかない!(笑)
~レビューのお礼~
カロリー大魔神様!
……先にツッコませてください!
名前のインパクトが凄すぎぃぃぃぃ!(笑)
なんかラスボス感ありますね!(笑)
>初のレビューなので
⇒ほんと、皆さんどうしてネタにされると分かっているのにレビューを書いてくださるんですか!?
Mなんですか!? それとも神なんですか!? ……いや、大魔神様でしたね(笑)
>先輩の小声も文字小さくしたりして、とても表現も楽しんでます。
⇒書籍版では編集さんに無理言って小文字はもちろんのこと、なろうの仕様ではできないことをいっぱいやってますので、書籍版もお読みいただけますと嬉しいです!※ダイマ\(^o^)/
……多分お堅い出版社さんだとやってくれなかったと思います(`・ω・´)
ひそひそ話~全部小文字だと読みにくい~
瀬能先輩「 」
カロリー大魔神様「 」
瀬能先輩「!!!!!!!!?????????」
カロリー大魔神様「 」
瀬能先輩「直接心に呼び掛けられてるっ!? お、おばけぇぇぇぇぇぇ!!」
カロリー大魔神様「 」
瀬能先輩「ほ、ほんと? おばけ……じゃない?」
カロリー大魔神様「 」
瀬能先輩「よかった……安心。……でも、お化けではないのならば……正体は何? ――もしかして鮭の妖精です――」
カロリー大魔神様「―― 」
瀬能先輩「……ん?」
カロリー大魔神様「 」
瀬能先輩「大魔神んんんんっ!! おばけよりこわいぃぃぃぃぃっ!! 虫歯になっちゃぇぇぇぇぇっ!!」
カロリー大魔神様「………… 」デーモン小〇閣下
瀬能先輩「やだぁぁぁっ!! 走っても心に呼び掛けられてるから逃げられないっ!? やぁぁぁぁっ!!」
弓削くん「今日も先輩は元気だな~」(走り回っている瀬能先輩を見ながら)
ということでカロリー大魔神様はデーモン〇暮閣下の親戚!
???「お前も蝋人形にしてやろうかー!!」
カロリー大魔神様! 虫歯にするのだけは勘弁して下さい!<m(__)m>すみませんでした!





