ある鏡の世界のおはなし。
逆さまな女の子たちのおはなし。
彼女は素敵にみんなと笑う。
わたしは一人、不敵に嘲笑う。
幸せと不幸せ。
鏡の表裏。
ねえ、彼女は鏡の世界から帰ってきて幸せになれたのかしら?
ああ、そうよ。彼女はずっと熱心に祈ってた。
かえりたい。かえりたくない。
ここは楽しい。ここは虚しい。
ああ、わたしは鏡の世界で幸せになりたいと祈っていた。
どうか、もう二度とこちらにもどれないようにしてくださいませんか?
逆さまな女の子たちのおはなし。
彼女は素敵にみんなと笑う。
わたしは一人、不敵に嘲笑う。
幸せと不幸せ。
鏡の表裏。
ねえ、彼女は鏡の世界から帰ってきて幸せになれたのかしら?
ああ、そうよ。彼女はずっと熱心に祈ってた。
かえりたい。かえりたくない。
ここは楽しい。ここは虚しい。
ああ、わたしは鏡の世界で幸せになりたいと祈っていた。
どうか、もう二度とこちらにもどれないようにしてくださいませんか?
これは、ある国の女の子たちのおはなし。
わたしと あの子 は本当に 逆さま なのでした。
にっこりえがおで、したから見上げてくるあの子。
むっつり不機嫌に、うえからみおろすわたし。
彼女は左手の指輪を大事そうに包み込む。
願いを込めて。
わたしは、右手の指輪に必死にすがる。
彼女はいつもニコニコ笑顔で感謝の気持ちを忘れない、優しい子。
わたしはがんばっても表情筋が凍りつき、目を合わせるだけで恐がられる子。
彼女は周囲を友人たちに囲まれてお話しながらのランチタイム。もう、そんなに早くたべたらおひるごはんのあじがわからないよ。彼女は笑う。素敵に笑う。
ぱくぱく、ニコニコ。世界が素敵。
不幸せではないのよ。けれどね、こわいものが一つだけ。でも、ないしょ。何故ならーー女の子に秘密はつきものですもの。
わたしは、また一人で紙や鉛筆に囲まれて心の中の自分とお話ししながらのランチタイム。もう、お昼ごはんのあじがわからないなあ。私は笑う。不敵に嘲笑う。ドクドク、ばくばく。世界が敵だ。
彼女は。賢く優しく美しいが故。
皆に惜しまれながらも病に倒れていなくなるーー。
周りの人たちの心の中で生き続ける。
わたしは。秀でた才もなく醜く惨たらしい迄の姿に成り果て生きているーー。
私の心の中は死んでしまう。
これは、かつての二人が一人になって、そして一人が二人になるおはなし。
とある国の逆さまな女の子たちのおはなし。
逆さまな女の子たちのおはなし。
彼女は素敵にみんなと笑う。
わたしは一人、不敵に嘲笑う。
幸せと不幸せ。
鏡の表裏。
ねえ、彼女は鏡の世界から帰ってきて幸せになれたのかしら?
ああ、そうよ。彼女はずっと熱心に祈ってた。
かえりたい。かえりたくない。
ここは楽しい。ここは虚しい。
ああ、わたしは鏡の世界で幸せになりたいと祈っていた。
どうか、もう二度とこちらにもどれないようにしてくださいませんか?
逆さまな女の子たちのおはなし。
彼女は素敵にみんなと笑う。
わたしは一人、不敵に嘲笑う。
幸せと不幸せ。
鏡の表裏。
ねえ、彼女は鏡の世界から帰ってきて幸せになれたのかしら?
ああ、そうよ。彼女はずっと熱心に祈ってた。
かえりたい。かえりたくない。
ここは楽しい。ここは虚しい。
ああ、わたしは鏡の世界で幸せになりたいと祈っていた。
どうか、もう二度とこちらにもどれないようにしてくださいませんか?