異変の始まり
私の悪い癖が出てかなり出遅れましたね。
その間に別の小説のネタも出てしまってるし。
言葉にするなら、ぱぱーっと急展開!的に早めに終わらせられるといいなー。という感じです。流石に適当過ぎるのは私が嫌なのでそこら辺は大丈夫じゃないかな?
『貴方は能力バトルのメンバーに選ばれました。貴方の能力は反撃です。勝ち抜いてください。なお、敗北した場合のペナルティはありません。勝者には1つ、素晴らしい褒美が与えられるでしょう』
「ん~......へぇ、能力バトルねぇ」
そう書かれた手紙を白樺は見つけた。何となく嫌な予感がしたので、急いで友人の家に行こうと外に出た途端、矢文が飛んできたのだ。流石に予想外で少しばかり放心していたが、直ぐに気を取り直し矢文を見たらそう書かれていたというわけだ。
ここに書かれている『反撃』というのは先ほど発動したのでどういう物なのかは分かっている。先ほど発動した、というのは矢文が飛んできた時の事だ。何故か矢が、白樺の頭目掛けて飛んできたのだ。その時に反撃が発動した。その効果は時間を遡りピンチを回避する、という代物だ。それを使い矢の真ん中を叩き地面に落としたのだ。反撃というより即死回避みたいなものなんだろう。
「貴方の能力は反撃って言われてもね」
そう、確かに反撃は使えるようになった。
だがそれ以前に武器生成という能力を白樺は持っている。武器生成の効果は例えばそこらに落ちている石ころをナイフにしたり、木の枝なら短剣に生成出来るものだ。
因みに能力とは暴走することがあり、白樺の場合は言葉を武器にしたり、普通なら有り得ない無から武器を生成出来てしまう。
「何で私なんだろ?嫌な予感ってこれの事?それにバトルってどーすんだろう?」
武器生成という能力を持っているせいなのか、はたまた神社の巫女だからか、このような非日常に巻き込まれることがある。いきなり能力バトルのメンバーに選ばれたのに、それについて何も言わないのはそれが理由だ。
普段ならなんとも思わないが、今のような急いでいるときに巻き込まれるのはかなり厄介だ。そして白樺の疑問も外を歩くうちに解決する。人も車も無いのだ。思わず顔がにやける。これは急がなくて良さそうだ。
知り合いの鬼の姫ならこの異常に気づいているだろうと思い、何とかこの戦いから抜け出せないか考えてみる。或いはさっさと勝って終わらせられないかと。
彼女は御子神白樺という名前だ。家が神社で地元では有名な神社だったりする。普通の私服も持っているが大体は巫女服を着ている。最近の出来事といえば、変な超能力集団を潰した事ぐらいだ。
「あーもー!誰とも出会わないよ!?」
「深呼吸でもして落ち着いたらどうだ?」
色々と考えていたが、結局何も分からなかったので、ひとまず鬼の姫に会いに行った。名前を殺音と言う。最初聞いたときは凄く怖い名前だなと思ったが、実際話してみるとそんなことはない。とても可愛い子だ。
「そーいえば殺音の能力は居合だっけ?」
「そうです。発動には少しばかり時間が掛かりますが、強力な一撃を出せます。単体か範囲か選べるのは嬉しいですね」
「そっか。えっとだね、あの二人は?」
「そもそも巻き込まれてないと思いますよ」
白樺が感じた嫌な予感というのは殺音も感じていたみたいだ。少しばかり話してみると、これは神様のイタズラではないか?というのが1つの予想として出てきた。確かにそうな気もする。こんなことできるの神様ぐらいだろう。一先ず落ち着いたら文句言いに行ってやろう。
今二人がいるところはこの辺りで人気の公園だ。先程戦闘音がしていたので駆けつけてみたのだがもう誰もいないようだ。
「もう移動したのでしょうか?」
「そんなことはありませんよお嬢さん方。フフフ」
「!!」
とっさに足元に落ちていた大きめの石を声が聞こえた方に向けて投げる。直ぐに石は爆発したがそこにはだれもいなかった。いや、木の上に逃げたようだ。
「いきなり攻撃ですか。最近は怖いですね」
「この状況なら仕方ないと思うんだけど?」
「ハハハ!そうですね、すみません」
「まぁそれはいいけど、もう一人は?」
「消えましたよ、それが?」
ここまで会話してみてこいつは危険だと殺音は感じたようだ。私は気づくのが遅れたが、先程から回りにある蔦がこちらを狙っているのだ。恐らく蔦を操る能力でも持っているのかな?遠距離での戦闘はキツそうだね。
「と言うことはあなたが勝ったんだね」
「そうなりますねぇ」
「そうですか。取り敢えず貴方は危険と判断して倒します」
「ふむ。それは面白いことを言いますね.....『拘束』」
「はぁ。『簡易居合』」
男が『拘束』という能力を使いそれを殺音の『居合』で反撃し蔦を切った、と言う感じだ。蔦がこちらを狙っていた時点で敵なのは分かっていたし、そうでなくても、どちらにせよ敵なのは違いない。これは能力バトルだからである。
「やはり気づかれていましたか」
「ええ。でもまぁ、拘束とは厄介ですね」
「いえいえ、そういうわけでもありませんよ」
そう言うと笑いながら接近戦を挑んできた。
ここでこちも応戦するのは何となくマズイと思った私は回避に専念し、たまに反撃で殴りを入れる。これだけ見ると、とても能力バトルには見えない。
「なかなか早いですね?」
「回避は得意だからね!それ!」
「大振り、貰いました!『拘束』」
「な!?あぅ.....!」
周りの植木から蔦が身体中に絡み付いてくる。蔦は固く千切れないことに意外と面倒だなと思いながら相手を見る。完全に優勢だと思っているのだろう。ニヤニヤと気持ちの悪い笑みを浮かべながら、聞いてもいないのに説明してくる。
「フフフ。この蔦は絶対に切れませんよ?」
「んぁ...! 絶対って言葉ほど信用出来ない言葉はないよね」
「この状況でまだ勝てるとでも思ってるんですか?」
「ふぅ...!そうだね、さっさと止めを指せばいいものを」
チラリと殺音に視線を向ける。私ごと思い切りやれ!と目で訴える。直ぐに理解してくれて殺音は本当にいいこだなぁ、なーんて場違いな感想を抱きながら男を睨む。参加者は全員で何人何だ?ってな。
「さぁそれはどうでしょうねぇ。10人くらいは居そうですが。何しろ自分含めてまだ4人しか出会っていないので。」
「そう...ま、良いけど。取り敢えず君は脱落してね」
「は?何、を゛!?な、味方ごと斬るだと!?」
そうじゃなくても、私1人拘束したぐらいで油断しすぎじゃない?もしかして殺音、何かしかけた?とにもかくにも思いっきり斬られた私とこの男ですが、男の方はふっと消えました。多分もとの場所に帰ったんだと思う。
まぁ私はやられてないですよ。かなり無理やりだけど、武器生成でシールドを張りました。説明がめんどくさいのでご都合主義だと思ってくれれば......え?駄目?分かった。
ちょっと能力を暴走させて、無から透明で薄い盾を作ったの。ちょっとだけの暴走だから大丈夫。自分から暴走させるのは危ないんだけど、私クラスになると問題ないの!
「大丈夫か?白樺。それから何で喘いでたんだ」
「あいつ気づいてなかったけど、結構ギリギリな所に蔦が当たっててね.....恥ずかしいからもういい?」
「あぁ、うん、分かった」
さて、合計人数が10人だと仮定すると、あと6人か...。急いで他の人を探さないとね。
面倒なので後6人で決定しようかなって。
それから殺音には縛るものがないです。
気を緩めたら私の小説の何処にでも出現しそうです。主人公陣営より厄介かもしれない。