一話 全ては動き出す。
厨二をこじらせていると友達によく言われます。この小説でも厨二がでるのかはわかりません。
あなたはロンギヌスという槍を知っていますか?
新約聖書ではロンギヌスの槍はイエス・キリストの生死を確かめるために用いられた槍ということとなっており、キリストの血が付着したことにより本来持つべきでない力を持ったとか持ってないとか。
これはそのロンギヌスの槍のお話
その日、とある廃ビルの屋上に人間が当たり前に着ている服をぎこちなく着た男女二人がいた。
「ふわぁあ・・・・ハッ、目標はいずこ?」
年は三十歳前後かと思われる男は眠そうな顔で起き上がり、パッと真面目な顔になった。
すると隣で双眼鏡をのぞいていた、年は女子高生と言われてもおかしくないぐらいに見える女が
「見失いましたよ。先輩が寝たせいで。」
と、双眼鏡を外しながら呆れた顔で言った。
「あ~、すまんすまん。この世界ってば向こうの世界より暖かくってつい眠くなっちゃうよ。」
「・・・・・そもそもなんでただの人間の子供の様子を観察するのに私達が出なければならないのですか?もっと下の者にやらせるべきなのでは?」
「しょうがないでしょ。上のご命令なんだからさ。」
男は青い空を見上げ寝そべりながら小さな声で呟いた。
「はぁ、上の方々は何を考えているのやら・・・・・」
女が苦悶の表情でぼやいていると、何かに気付いたかのように立ち上がり
「あ、発見しました。」
と、男に言った。
「はいはい。」
男は大きなギターケースのような箱を持ち、
「んじゃあ観察に行ってきますわ。」
やれやれといった表情で屋上から飛び降りていった。
「・・・さてと、追尾術式展開!」
ご閲覧頂きありがとうございます。まだ主人公は出てきておりませんので、お楽しみに。