天使属
最近、神族、魔族の世界を知ることが出来た。
そうすると三大種族の残りの1つ、天使属のことも知りたくなる。
天使属である担任のかぐちゃんに聞くのはハードルが高い。
やはり、同じ生徒でなくては。
そういえば、1年生に天使がいたような。
そうだ、その娘たちに聞けばいいんだ。
私はそう思い、1年生の寮に行ってみた。
私が思い当たった人物は2人 、楽野 天祢さんと西極 優陽さんだ。
ちょっと変わった天使のコンビで2人とも同じ部屋に住んでいる。
私はいろんな人に尋ねながら彼女たちの部屋の前に着いた。
さて、どうやって訪ねたらいいのだろうか。
ドアの前で考えあぐねてしまった。
だって、友達でもなければクラスメイトでもない。
確かに楽野さんとは賢人会のメンバーで勉強を教え合ったりするけれどもプライベートでの接点はないのだ。
つまり、楽野さん親しくもなければ仲が悪くもないそう言う関係だ。
そう考えてドアの前で立ち尽くしていると
「あら、作道(私)さんじゃない。
今日は賢人会はなかったはずだけど何の用かしら」
と楽野さんの方から話しかけてきた。
もちろん、西極さんも一緒だ。
私は思いきって
「今、いろんな種族のことを調べているの。
天使属のことも知りたいと思って訪ねてみたの」
と言ってみた。
楽野さんは
「あら、いい度胸じゃない。
私から直々に天使のなんたるかを教えてやるわ。
中に入りなさい」
と仁王立ちして上から目線で部屋に入れてくれた。
私が部屋に入ると西極さんから話を切り出してくれた。
「それにしても(楽野)あまねったらずいぶん偉くなったのね。
天使の力も持たない名ばかり天使のくせに。
いいわ、私から天使の話をするわ」
楽野さんは
「私だって天使の端くれ。
天使の話ぐらい出来るわよ」
と反論した。
西極さんは
「私からすればあまねだって素人も同然。
いいから黙って聞きなさい。
作道(私)さんの隣で正座して」
そう言うと楽野さんはその指示に従った。
なんかいい感じに調教されているみたいだ。
それにしても西極さんは穏やかな顔をして結構な毒舌だ。
そして、西極さんは本題を話し始めた。
「私たち天使はあなたたちとは違う次元で生活しているの。
それは穏やかな世界でね。
私たち天使は争いを好まない。
しかし、どうしても私たちは他の種族より立場が上と感じている人たちが多い。
他の種族の人たちからは上から目線だってね。
実際、知識も能力も他の種族より上だと認識しているわ。
これは本能レベルだからどうしようもないの。
自覚している今でもね。
特に天音は能力も無いくせにひどいから注意しているんだけど」
いや、私からしてみるとどっちもどっちなんだけど。
西極さんは続けて
「この世界に来てまず最初に驚いたのはこの世界があまりにも暗いこと。
私は神族の世界に遊びに行ったことがあるんだけどそこよりも暗い。
魔族の世界はもっと暗いのだと聞くと想像も付かないぐらい。
暗反応に順応するだけで一週間もかかったわ。
全然、目が見えなかったから。
でも大丈夫、私たちは目が見えなくても他の感覚、例えば聴覚などが優れているから生活には支障が無かったけど。
つまり、何が言いたいのかというと私たちの世界はあなたが考えられないほど光に満ちている世界。
恐らく普通の人間は目が一瞬でつぶれてしまうほど。
今はあなたがいるから明かりは付けていないけどあなたがいなくなればあなたが耐えられない光量でこの部屋は満ちることになるの。
後は言語の違いかしら。
神族の世界の言葉、魔族の世界の言葉が有るように天使属の世界の言葉があるの。
私たちの言語は結構難解で人間には理解できないと自負している。
あまねだって天使属の言葉は自分が生まれた地域の言葉しか理解できない。
私は10の天使属の言葉をしゃべれるわ。
これは自慢だけど」
私はまだ入門編なんだろうけどいろいろと驚くことばかりだと思わされた。
しかし、自慢げに話されたことにはちょっとムカつく。
私は思いきって反論した。
「私は一応担任のかぐちゃんから天使属、神族、魔族の世界の言葉、私たちの世界の言葉を含めて100の言語を習得するように言われている。
それらの言語は半年で習得したわ。
一年経った今では
天使属で100、神族で150、魔族で100、私たちの世界の言語150を習得したわ。
天使属の言葉が難しいと言っていたけど、1番単純で一番簡単だったわ」
少し大人げなかったが彼女たちは目をパチクリし非常に驚いてくれた。
そして、楽野さんには最低100の言語を覚えなければならないことを告げるとかなり嫌そうな顔をした。
まぁ、この学校にいる7年間で習得すればいいのだけど。
ちなみに楽野さんは1年生では1番の成績らしい。
でなければ賢人会に入れない。
まぁ、例外はいるけれど。
最後に私は楽野さんと西極さんの中を聞いてみた。
西極さんは
「実は私、楽野さんに求婚しているの。
なかなか彼女が首を縦に振らないけど。
どうも女の子同士の結婚に抵抗があるみたい。
私は能力の無い彼女を生涯支えたいと思っているの。
だから結婚を前提につきあいたいの。
彼女のお世話は今でも全部しているしね。
いい意味でダメ天使にもとい女の子だけど良い旦那になると思っているの。
この学校では女の子同士のカップルなんて珍しくないしね。
あなた(主人公)も含めてね」
そう言われるとなんだか照れくさい。
しかも楽野さんもまんざらでも無くそう。
多分、2人が正式なカップルになるのは時間の問題だ。
私は暖かく2人を見守ろうと思う。




