国際映画女優
3学期も終わり、時期はもう春休みである。
私はというとこの春休みにも関わらず学校へ来ている。
つまりは補習というわけだ。
成績が既に殿堂入りしている(この言い方には違和感があるが)私が補習?と疑問に持つ人が大勢いらっしゃると思います。
ここで説明しなければいけないことがあります。
今、私たちの世界には沢山の種族がいます。
その種族ごとに政治家の人たちも沢山います。
しかし、その人たちはやはり自分たちの種族の利益のことを考えていて他の種族を鑑みないことが多いのです。
そこで私たちの世界は各種族のエリートたちが集まりその人たちが議論を先行しようとしました。
それが賢人会というものです。
もちろん、このことには賛否両論あります。
この賢人会というものは各種族のエリートその中でも最も頭のいい人たちの集まりなのです。
その賢人会に私が推薦されているとのこと。
とても光栄なことです。
しかし、この賢人会のレベルに合わせるためには学校だけの教育では不十分なのです。
担任のかぐちゃんには通常の授業後、補習もやってくださり感謝しているのですがそれでも足りないのだそう。
そのために春休み、スペシャル講師を迎えて今日1日間だけ補習をするのです。
ちなみに担任のかぐちゃんも賢人会のメンバーなんだそう。
私はこの日もいつも通りの時間に学校にやってきた。
授業を受けるのは私1人。
授業のチャイムが鳴るといつも通り担任のかぐちゃんがやってきた。
そして、第一声
「この春休みにわざわざ来させて悪いな。前から言っていたとおり今日1日間だけ補習をを行う。まず、最初に授業を行うのははあなたも知っているスゴイ人だ。今日はその人と1日過ごしてもらうことになる。それじゃぁ、中に入って。」
そう言うと1人の女性がペットらしき動物を連れて教室に入ってきた。
私はビックリした。
その教室に入ってきた人物は国際的映画女優キャロル・ヘーゼルその人なのだから。
映画のプロモーションで私たちの国に来ていることは知っていた。
事実、学校に行く前、テレビでこの人のニュースを見たばかりだ。
その人が今、目の前にいるのだ。
彼女は
「え〜と、初めまして。私の名前はキャロル・ヘーゼルと言います。」
外国人とは思えないほどの流暢なイントネーションだ。
続けて彼女は
「まずは私の出自について話します。私は現在、おかげさまで女優として生活しています。そして、世界で3体しかいない液状生命体の1人です。」
と言った。
この告白には私は別に驚きもしなかった。
もちろん、同じ液状生命体の委員長から話は聞いていた。
しかし、それよりも前に彼女が液状生命体であり、女優であることは全世界に知られていることだ。
しかも彼女の半生は教科書にも載っているほど。
先の神族と魔族の戦争にも和平に向けて尽力されたことでも知られている。
ちなみに彼女は見た目は20代だが実際は90歳以上とのこと。(彼女も実際の年齢は知らないらしい。本当かどうかは知りませんが)
続けて彼女はこう授業を続けた。
「ちなみに私が賢人会のメンバーだと言うことは世間には公表していません。ていうか、賢人会のメンバーは公表されていません。だから、このことは内密にね。それと私の娘はこの学校でうまくやっていっているのかしら。」
恐らく委員長のことだろう。
私はコクリと頷いた。
彼女は
「まぁ、娘と言っても血のつながりはないのだけどね。ていうか、私たち液状生命体がどうやってうまれるのかは今も謎なの。生態自身もね。私自身、どうやってうまれてきたのかも知らないし。寿命もあるのかどうか。水に弱いのは知られているけどそれで死ぬのかどうかは分からない。試してみたこともないしね。それに死んだら周りにどんな悪影響を与えるのかも分かってないの。都市伝説レベルではとんでもないことになるみたいだけど実際は分からないから。ちなみに私たちの戦闘能力はこの世界最強なんて言われるけど、私たちは基本的に平和主義者、争いは好まないの。だから、先の大戦でも争いに参加せずいろいろとあなたたち人間の人たちに知恵を付けて和平に持って行ったの。なかなか大変だったけど。」
私は彼女の話に熱心に聞いていた。
「まぁ、ここまでのことは私が今までに書いた本に事細かに書いてあるから詳しくはその本を読んでね。」
いきなりの宣伝に私はずっこけてしまった。
どうやら彼女はこういう茶目っ気もあるみたいだ。
その後、彼女は真剣に授業を再開し始めた。
内容は人間界のレベルの授業ではなく神族や魔族、そして、天使界のレベルにおける自然科学だ。
と言っても入門編だが。
それでもかなりのハイレベル。
そして、私が住んでいる人間界以外の世界を初めて知ることが出来ました。
そして大変勉強になりました。
知らないことを知ることが出来るってとても楽しい。
このレベルの授業が今日1日この後も続くのかと思うととてもワクワクする。
この後、どんな先生が来て、どんな授業をするのかとても楽しみです。




