お正月気分
冬休みが明け、ようやく3学期。
久しぶりにクラス全員が一堂に会すことになった。(当たり前のことだが)
クラスのみんなの姿を見るとようやく帰ってきたなと思い感慨にふけっていると担任のかぐちゃんが教室に入ってきた。
担任のかぐちゃんは入ってくるなり
「おお、みんな元気にやっているか?早速だがこの国には正月という行事があるらしい。私にとっても正月という行事が初めてなんだ。恐らくこのクラスのほとんどのものが正月というものが初めてじゃないかと思う。人間以外、正月という行事がないからな。そこでだ、今日は3学期初日と言うことで正月気分を味わうための行事を行いたいと思う。みんなに似合いそうな晴れやかな着物も用意している。正月気分を味わうために。さぁ、着替えて」
いきなりの(担任の)かぐちゃんの申し出に私は戸惑っていた。
まさか、3学期初日にそんな行事をするとは思っていない。
ましてや着物など1人で来たこともない。
つまり着付けの仕方が分からないのだ。
(液状生命体の)委員長や(光学生命体の)あかりちゃんは自分たちで服をコピーし着れるからいい。
私が着物を着れずに途方に暮れていると(担任の)かぐちゃんが近づいていき「しょうがねぇな」と呟きながら私にしかりと着付けをしてくれた。
そして、私の着付けが終わると他の生徒の所へ行きまた「しょうがねぇな」と呟きながら着付けをしていた。
結局全員の着付けを(担任の)かぐちゃんがしてくれた。
そして一段落が終わった頃、かぐちゃんがいろんな正月遊びの道具を教室に持ってきた。
羽子板や双六、いろはかるたやお手玉、いろいろな正月遊びの道具を持ってきた。
どうやら正月気分を一番味わいたいのはかぐちゃんのようだ。
しかし、さすがに体育会系の遊びは私にはついて行けない。
そこで双六で遊ぶことにした。
しかし、その双六も普通のものではなかった。
まずは大きさだ。
私はこんなに大きな双六は観たことはない。
教室いっぱいの大きさなのだ。
私が驚いているとかぐちゃんは
「私のいた天使界では普通の大きさだよ。」
と嘯いていた。
私が本当のことなのかと周りの人たちに聞くと首を横に振っていた。
余談だが、本来の双六は2つのサイコロを同時に振って出た目に従って進む。
決して1つのサイコロではない。
その証拠に「すごろく」という漢字は双つの六と書く。
すごろくで一通り楽しんだ後は給食の時間だ。
お正月気分を味わうということでおせち料理を食べることとなった。
華やかなおせち料理にみんなが感激している。
私にとっても今年初めてのおせち料理だ。
続いて、お雑煮 、お汁粉を食べた。
とにかく、いろんなお正月料理が出るのだ。
お腹いっぱいだし、こんなに食べると体重が気になる。
私は明日からダイエットをしようと心に決めるのであった。
午後はみんなが羽根突きをやりたいと言うことで校庭に出てすることになりました。
ちなみに私は見学だ。
みんながそれぞれペアを組み羽根突きを楽しみだした。
しかし、それはもはや私の知っている羽根突きとは違った。
パワー、スピードともに人間のそれとは全く違うのだ。
正直呆気にとられながら観ていた。
しかし、これがこの学校の日常なんだとも思った。
お正月行事が全て終わり今日の学校の授業は終わった。
そして、明日からまた日常が始まるのだなと感慨深く思った。




