表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/53

女子寮

 唐突だが、私には恋人が居る。

恋人と言っても女の子なんだが。

自慢ではないが、男の子ともつきあったことがある。

決して女の子だけが好きという訳ではない。

そして、今が一番幸せでもある。


 ここで彼女とのなれそめを話したい。

出会いは中3に進級仕立ての頃、急に体育館裏に呼び出された。

彼女は人外のロリ美少女。

神族に該当する少女だ。

私には彼女に呼び出される理由は身に覚えがない。

しかも、彼女は神族の中でも気性の荒い雷神だ。

もちろん、彼女の気性の荒さも有名だ。

大体、神族でありながら人間の学校に通う意味が分からない。

噂だとあまりにも気性が荒いので神族の学校を追放されたのだとか。

だから何をされるか分からない。

恐怖心にさいなまれながら出来れば逃げたい気持ちでいた。

でもそれは出来ない。

逃げたら殺されるかも知れない。

マジで怖いのだ。

そう考えて歩いているうちに体育館裏についた。

ふと見ているとドストライクの女の子。

ロリ美少女とは聞いていたがこれほど可愛いとは。

抱きしめたいほど。

まさに一目惚れだ。

そして彼女から一言

「私の名前は雷田らいた 静姫しずきです。

あなたを一目見たときから好きでした。

どうかつきあってください」

私は彼女の言葉にすぐに応答した。

もちろん良い意味で。

まさにカップル誕生。

めちゃくちゃの不安がかなりの安堵に変わり私はとりあえずその場に座り込んでしまった。


 なぜこの話をしたかというと、今日から7年間寮の部屋のルームメイトが彼女なのである。

学校が私の希望を叶えてくれるとは何ともうれしい限りである。


 次にどうやって彼女がこの学校には入れたのかを話したい。

彼女の中学の時の成績はお世辞に言っても芳しくなかった。

ちなみに彼女が通っていたのは人間の学校である。

この時代、人外が人間の学校に通うのは珍しくもない。

といっても各学校に一人か二人ぐらいだ。

ほとんどの人外が各種族の学校に通っている。

しかもその学校のレベルが非常に高い。

人間の学校に通っているような子はたいてい落ちこぼれである。

当然彼女も類に漏れない。

しかも、人間の学校でも落ちこぼれていた。

私がこの学校を受けると聞きつけた彼女は全国最高峰であるこの学校を受けると言い出した。

この時の私は先生や親から強く受験するように勧められた手前、仕方なく記念受験するつもりでした。

どうせ受からないし、勉強して入ってもバラバラになるし、無駄だよと忠告をしていたのだが、彼女は聞く耳を持たなかった。

彼女曰く

「あなたは必ず受かる。

私の見初めた人だもの。

そして私もそんなあなたに見合うような女になりたいの。

だから受かるように頑張るしかないの」

当時はとんだ買いかぶりだと思った。

事実私はこれといった受験勉強をしてこなかった。

なのに受かってしまったものだから皮肉なものである。

一緒に合格をした時は彼女の顔が嬉しさよりも疲労に満ちていた。

元々の成績を知っていた私は彼女が寝る間を惜しんでかなりの努力をしたに違いないということを確信したのだった。

その努力は想像の域を絶するのだろうと。


 私は寮生活は初めてだが、彼女との愛の巣を作ろうと思っている。

あらかじめ言っておくが私たちはプラトニック(精神的)な関係で有り大人(肉体的)な関係ではない。

学生である以上この関係は続けようと思っているし、彼女も了承をしている。

そうこうしているうちに私は新しい自分の部屋の前に立った。

そして、ドアを開けると真っ先に彼女が飛びつき

「お帰り、ダーリン」

と言い放った。

そして、私は

「ただいま、ハニー」

と返事をするのだ。とてもキツいがこれが私たちのノリです。

ちょっとキツいかもしれませんがしばらくおつきあい願いたいと思います。

「ダーリン、同じクラスにならなかったね。

でも、部屋が一緒だから安心だね。

あとこれだけは守ってね、私たちがつきあっていることは周りには内緒よ」

なぜか彼女はつきあっていることを公にしたくないようだ。

それどころか外では人間(主に私)を見下すような態度をとる。

彼女曰く神族としての威厳を保つためにしている行動だそうだが、かえって偏見や差別を生むのではないかとひやひやしている。

彼女にもこの忠告を何度もしているのだが聞く耳を持っていない。ここまででお気づきだろうが、彼女は非常に頑固である。こうと決めたら頑として譲らない。

ちなみにこの学校は少数精鋭なので一学年二クラス編成である。

私が1組なので、当然彼女は2組と言うことになる。


 私は、慣れない環境で非常に疲れていたので彼女の話を聞きながらうとうとし始めた。

彼女は気を遣ったのか私に毛布を掛けてくれたところまで覚えている。


 気がついたら朝になっていた。

そうか、ベッドに入らず寝てしまったのかと後悔をし、くしゃくしゃになった髪が気になったので彼女が沸かしてくれたであろうお風呂に入って全身を綺麗にした。

お風呂から上がると私のチャームポイントである三つ編みと眼鏡を装備。

彼女が用意してくれた朝食を食べた。

自慢ではないが私は料理が出来ないので非常に助かる。

しかも彼女の料理の腕は一流。

そんじょそこらのお店とは比べものにならないほどだ。

ただ、お弁当を作ってくれないのが玉にきずだ。

そして、ブレザーの制服に着替え希望に満ちた学生ライフを満喫すべく登校するのであった。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=654122785&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ