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雪女

 もう冬休みです。


 先日、私がルームメイトのハニーにいろんな種族の人たちと会いたいという話をしました。

その話を聞いたハニーがちょうど友達の家に宿泊する計画があるよと提案してきたのでそれに便乗することにしました。


 その泊まる家の人は雪女のまいちゃんです。


 今は雪女のまいちゃんト一緒にまいちゃんの実家に向かっている途中です。

メンバーは私とハニー、そして雨女(妖怪)のちわちゃんと雪女のまいちゃん。

まいちゃんの家は山奥と聞いていたけど山には行って3時間いっこうに目的地に着きません。

ていうか、雪山をなめていました。

こんな軽装で来るんじゃなかった。

はっきり言って今もう死にそうなぐらい体力がないです。

それに比べて他の3人は全然平気な顔をしています。


 山に入ってから5時間、やっとまいちゃんの家に着きました。

私は心の中で

「なんでこんな山の中にあるんだよ!!」

と叫んでいました。

その心を読んでか知らないけどまいちゃんが

「ごめんなさいね、こんな山奥で。私たち妖怪はどうしても人間が住んでいる世界は住みにくいの。私たち一家はいろんな所を転々としてやっと最適の地を見つけたの。人間の方々には住みにくいところだろうけど私たちにとってはここは夢のような所なの。まぁ、とりあえず家の中に入って。」

なんかまいちゃんに気を遣わせて悪い気がした。

しかし、ちわちゃんが

「雪女の世界はこんなもんやないで。家の中はもっと地獄やと思った方がええで。」

と忠告してきた。


 まいちゃんが

「ただいま、お母さん帰ってきたよ。」

と言い家の中に入っていった。

私たちも続いて中に入った。

まいちゃんのお母さんが

「まぁまぁ、遠路はるばる良く来ていただきました。これからしばらくゆっくりおくつろぎください。」

と言って出迎えてくれた。

まるで旅館である。


 家の中に入って気づいたことがある。

まいちゃんの家は本当に旅館みたいに広い家だ。

しかし、指定の部屋(恐らく客間)に入ったのだが暖房器具が一切見当たらない。

そこでちわちゃんが切り出した。

「どや、寒いやろ。うちかてまいとルームメイトやから分かるんやけど、まいって異常な暑がりやん。うちの部屋はまいのために常に0度以下やねん。夏も冬も関係なくな。せやから、うちは部屋にいるときは常に冬着を着用してんねん。」

すると、まいちゃんが反論をした。

「0度以下といったってそんなに寒いのが好きじゃないから。私たちの快適な気温が−10度から0度の間ってだけだから。」

まぁ、反論にもなっていないなと私は思った。


 この後、まいちゃんのお母さんが私たちに気を遣ってくれたのか電気式のこたつを持ってきてくれた。

どうやら客用にいくつかの暖房器具はあるようだ。

私たちはこたつに入り、やっと天国を感じた。


 夕飯も豪華でとても美味しかった。

料理はお手伝いさんが作ってくれたそうだ。

私たちが懸念した冷えた料理じゃなくて良かったと心の底から思った。

ちなみにまいちゃんは私たちとは別メニュー、夏メニューのような冷たい料理を美味しそうに食べていた。


 お風呂の時間になり、私たち4人は一斉にお風呂場へと向かった。

お風呂に入ろうと足を湯船に入れると

「冷たっ!!」

私はビックリした。とても入れるような温度じゃない。

私たちが困っているとまいちゃんが

「お母さんがみんな用のお風呂を奥に用意しているといってたわ。このお風呂は雪女用なの。みんなは奥のお風呂に行って。」

と促された。

奥のお風呂はちょうど適温でガールズトークに花が咲いた。


 お風呂から上がると外から除夜の鐘が鳴り響いていた。

今年ももう終わりだ。

来年もいい年になりますように。

そう願って私たちは床に就いた。(実際は話が盛り上がりなかなか寝れませんでした。)








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