光学生命体
今日は光学生命体である光風 灯ちゃん通称あかりちゃんについて話したいと思う。
あかりちゃんは私のクラスメイトだ。
そして、私の仲の良い友達の1人だ。
今から話すことは全てあかりちゃんから聞いた話だ。
あかりちゃんの1日は日の出から始まる。
太陽の光がない夜間は電脳空間に入り太陽が出始める日の出とともに起動する(起きる)のだそうだ。
あかりちゃんは現実世界には家が無いので、起きると自動的に学校に出現することになる。
よって、学校に最も早く登校するのがあかりちゃんなのだそうだ。
あかりちゃんにとっては、みんなが登校するまでは暇なのでいろんな遊びをしているそう。
どんな遊びをしているかは私はもちろんクラスメイトの誰もが知らない。
あかりちゃんに聞いても「恥ずかしいから」という理由で教えてくれなかった。
あかりちゃんは身の回りのものも自前で用意している。
その理由は現実世界のものに触れることができないからだ。
だから、机も筆記具も教科書も全て立体映像で賄われている。
ちなみに教科書は情報をダウンロードしたものを使っているそうです。
私にとってそれらは見た目は本物にしか見えないのに触れることのできない立体映像はとても不思議に感じます。
そして、彼女は非常に勉強家です。
私は以前、電脳世界には世界中のあらゆる情報があると聞くのになぜ勉強が必要なのか聞いたことがあります。
彼女は
「情報があるのと情報を理解するのは全くの別物なの。例えば、小学校に入学する前の子が政治の難しいニュースを聞いたって理解することができないでしょ。それと同じようなものなの。私は世界のありとあらゆるものを理解したいの。そのために勉強をするのよ。」
と言っていた。
授業が終わり、昼食の時間になるとあかりちゃんは私たちと一緒に食堂に行く。
あかりちゃんは基本的に食事を必要としないが、みんなで一緒にしゃべりながらの昼食に憧れている。
ちなみに液状生命体の委員長は右手から食物を吸収する。
もう見慣れたが、やはり異様な光景だ。
人形族?のりかちゃんはとても小柄なのに食べる量は私がひくくらい多い。
よくあれで太らないものだと関心をしてしまう。
あかりちゃんは立体映像で出した食べ物を食べて(いるふりをして)私たちの輪の中に入ろうと努力をしている。
あかりちゃんは食事というものにものすごい興味を持っている。
たとえ真似ごとでも参加したいのだ。
それにみんなと会話をすることがとても楽しいとも言っていた。
生きている実感がするとも。
授業が終わり、私たちが帰るとあかりちゃんはまた教室で孤独な時間を過ごすことになる。
私たちが帰った後の時間の過ごし方は、まず宿題を全てやり、その後は予習復習をし、余った時間は暇つぶしに学校内をうろついたり自分で開発したいろいろな遊びをしたりして日没まで過ごすのだそうです。
そして日没に終了する(寝る)のだそうだ。
そうして彼女の1日が終わる。
私は彼女についてはあまり知らない。
何よりも知り合ってから半年も経っていない。
これからの長い学園生活、彼女のことをさらに知る機会はいくらでもあるだろう。
私はもっと彼女のことを知りたいと心から思った。




