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能力測定

 夏休みが終わり、二学期が始まった最初の日そして最初の授業担任のかぐちゃんがこう切り出した。

「あ〜、本当は一学期しなきゃいけなかったんだけど忘れててね。今から能力測定をします。いや〜、校長にせっつかれててね。人間の娘は分からないと思うんだけど、我々には体力のほかに天使の力、天力てんりょく。神族の力、神力しんりょく。魔族の力、魔力まりょく。人間の言葉では妖怪、我々の言葉では妖族ようぞくの力、妖力ようりょくがあるんだ。それぞれの能力の測定値を5月末日までに校長に報告しなければいけなかったんだけどすっかり忘れててさ。悪いんだけど、全員今からジャージに着替えてくれるか。ジャージを持ってきてないものは女子寮まで取りに戻ってくれ。」


 私はあきれてものが言えないと思った。

まあ、例のごとく私(人間)とあかりちゃん(光学生命体)と委員長(液状生命体)能力即手を免除されているのだが。


 クラスのみんながジャージに着替え終わると地下にある今まで行ったことのない「能力測定室」という場所に連れられていった。

私は能力測定室に行く間、この間、疑問に思ったことを担任のかぐちゃんにぶつけてみた。

「先生、質問なんですけど隣のクラスの雷田さん曰く人間は雷属性だというんですけどどういう意味なんですか。」

担任のかぐちゃんは

「え〜、そんなこと言われたのか。多分、その意味はこういうことだ。人間の体というものは全て脳からの電気信号でまかなわれているんだ。しかも、体内で発電をさせながらな。もちろん、体の中で発生している電気は微々たるものだが。そして、人間の体から微弱な電流が流れているのも知られていることだ。スマホなどのタブレットが操作できるのもそのおかげさ。雷属性というのは体の大本が電気で出来ていると言うこと。まあ、大袈裟に言うとな。実際に体の全てが電気で出来ている生命体は確認できないからな。実際には電気によって生命が維持できる生命体のことを雷属性を持つと言うんだ。そう考えると人間は(体内)電気によって生命維持が出来ていると言っても過言ではない。だから、人間は雷属性を持つと言っても過言じゃないんだ。まあ。属性を持つと言っても我々の言う「能力」は発動することはほぼ不可能だがな。」

そんな話を聞きながら能力測定室に連いていった。


 能力測定室の中はガランとしていて中にはなにもなく、広さは中学校の時の体育館ぐらいの大きさ。

ここで何をするのかと思っていたらかぐちゃんが説明し始めた。

「ざわざわするな!!静かにしろ!!今から一人ずつ能力を測定する。測定の仕方は我々の最新鋭の技術を使った触れる3D映像だ。現実もののと大差のないぐらいだ。今から、やってもらうのは格闘ゲームだ。一人ずつやってもらう。レベルを最低にしてあるから安心しろ。相手の攻撃に当たっても痛い思いはするがけがはしないようになっているので安心しろ。と言っても人間の娘が対戦すると死ぬレベルだけどな。」

笑えない。


 こうして、それぞれの対戦が始まった。

まずはみすずちゃん(水魔)だ。

みすずちゃんは手から大量の水を出し、相手の攻撃を巧みに避け敵を撃破するのに一分もかからなかった。

さすが高位の水魔である。

次に挑戦するのはあきらちゃん(炎神)だ。

あきらちゃんは相手の攻撃を巧みに避けれるのは凄いと思うが、全く攻撃が効かない。

かぐちゃん曰く能力を込めてない攻撃は全て無効なのだそう。

あきらちゃんの攻撃が全く効かないなと思っていたら、らちがあかないと思ったのか次第に能力を発動し始めた。

あきらちゃんの能力を初めて見るのでどんなものかと見てみた。

あきらちゃんの拳がどんどんと赤くなり、発火し始めた途端、あきらちゃんが

「あっち!!あっちぃ!!」

と叫び悲鳴を上げた。

即座に能力測定は中止になりあきらちゃんは応急措置を受け保健室に連れて行かれた。

私はあっけにとられていると担任のかぐちゃんは

「あの娘は自分の能力の制御が出来ないみたいね。能力が低いから甘く見ていたのだけどあの娘にも能力の制御力、体制力を身につける訓練を受けてもらわないとね。」

とぼそっと言っていた。

 

 次に挑戦するのは人形族のことねちゃん(日本人形)ときららちゃん(フランス人形)だ。

2人は担任のかぐちゃんに許可を得て一緒に挑戦をするそうだ。

彼女たちの戦闘スタイルはどういうものだろうかと関心を持って見てみた。

ことねちゃんは左手を、きららちゃんは右手をおもむろに取り外し刀を取り出した。

(ちなみにことねちゃんが持っているのは日本刀、きららちゃんが持っているのはファルシオンという刀)

私は意外な展開に驚いているとことねちゃんときららちゃんは鏡あわせにシンクロするように攻撃し始めた。

その攻撃はあまりにも美しく綺麗だと感じた。


 しかし、最もびっくりしたのは人形族?のすずちゃんだ。

ほぼ相手を瞬殺したのだ。

担任のかぐちゃんも

「全く恐ろしい娘だね。これで神力や魔力を身につけたらどうなるんだろうね。」

と言っていた。

私はすかさずかぐちゃんに

「え!?りかちゃんは人形族ではなく、人間だったはず。ただの人間が神力や魔力を身につけることが出来るんですか?」

と聞いてみると

かぐちゃんは

「え〜と、普通の人間には出来ないけど人形ひとかた(りかちゃん)は特別というか、なんていうか。あ〜ほら、人形族に育てられたからさ〜。でも、全員が全員そうなるわけでもないというか〜」

なんかしどろもどろである。

もしかしたらかぐちゃんはりかちゃんの出生の秘密を知っているのかも知れない。


ま〜、いろんな人の属性や特性を知れた楽しい一日でした。




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