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期末試験

 やってしまった。

私は自慢じゃないが、人間の世界では頭が良い方だと思っていた。

それにこの学校唯一の人間。

この学校のレベルは世界レベル。

私はこの学校で通用するのかと思っていた。


 先日、期末試験があった。

そして、今日、期末試験の結果が教室の後ろの方に張り出された。

期末試験の順位表は私のクラスだけではなく、1年生全員の順位表だった。

1年生全員と言っても2クラスしかないのでおよそ50人前後の順位表だ。

まず、ハニーの順位を見てみた。

だいたい中間ぐらいの順位だった。

うちのクラスの委員長は頭が良いらしく上位の順位に名前を並べていた。

私の順位を下から見てみると全然出てこない。

徐々に順位を上げても名前が出てこない。

そして、1位の名前を確認しても出てこない

あれ、どこかで見落としたのかなともう一回確認しようとした矢先に担任のかぐちゃんが現れた。

そして、かぐちゃんは1位の横に私の順位を張り出した。

私の順位は「殿堂入り」。

「!?」

はあ!?

ネットでしか見たことのない文字。

いったいどういうことなのか担任のかぐちゃんに聞こうと思った矢先、逆にかぐちゃんに別の教室に呼び出された。


 私はその教室で意外なことを知らされた。

かぐちゃんはこう切り出した。

「そろそろ、あなたがこの学校に入学できた理由を説明しないといけないわね。あなたは人間の中でもかなりずば抜けた頭脳の持ち主なの。それはほかの種族をも凌駕するね。知ってた?あなたの試験問題だけ世界レベルの天才が集まって作った問題なのよ。もちろん、他の人とは試験問題が全然違うの。」

それを聞いて私はこう反論した。

「でも、どう計算しても5教科併せて平均が40点を超えないしそんな良い点数じゃないと思っていたんですけど。」

そう反論するとかぐちゃんはあきれたようにこう答えた。

「あの試験問題、私も見たんだけど正直、1点でもとれれば大天才よ。おそらくこの学校でこれだけの点数をとれるのはあなただけよ。」

私はこの話を聞いていてあっけにとられてしまった。

かぐちゃんは私のこの態度を意に介さず話を続けた。

「そして、あなたがこの学校に入学できた理由はその頭脳を使って全種族の架け橋となってほしいの。元々、神族と魔族の戦争を収めたのは人間。私たちに比べれば力もないし寿命もたかだか1000年ほど。でも、人間であるあなたには私たちにない平和を保つ知恵があると思うの。」

え!

ちょっと待ってと私はかぐちゃんの話を遮った。

「先生、残念だけど人間は1000年もいきられないよ。たかだか100年前後だよ。」

そう言うとかぐちゃんは驚いたような表情で

「え〜!!たったの100年なの!!そんなに人間って寿命が短いの!!だいたい、1000年でも私たちにとっては短いのに。まあ、いいわ、とにかく全種族の平和があなたの頭脳にかかっているということなの。あなたの使命はこの学校であらゆる種族のエリートと知り合いになることなの。自慢じゃないけどこの学校は全種族に対してもエリート校だから。それから、あなたは試験を受ける必要性はないのだけど、この学校は年に3回、期末試験があるだけ。あなたの頭脳を測るのには良い機会。これからも受けてもらうわ。とにかく頑張ってね。」


 私はとんでもないことを聞かされてしまった。別の意味でこの学校でやっていけるのか不安になった。




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