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球技大会

 今日は球技大会だ。

体力測定の時と同じで私(人間)とあかりちゃん(光学生命体)、そして委員長(液状生命体)は大会には参加できない。

まあ、異人(人外)さんたちの異様なパワー、スピードなどは体力測定の時に見たのでその時に人間である私は本気のあの中に入ることは出来ないなと確信した。

今回の球技大会は学年対抗でつまり、1年は1年同士の戦いとなる。

1年には2クラスしかないので当然1組と2組の戦いだ。

つまり、私のクラス(1組)とハニーのクラス(2組)の争いとなる。

競技は午前中に野球、サッカー、そして午後にバスケットボールを行うことになっている。


 私たちはやることがないので当然応援ということになる。

あかりちゃんはどうせ応援するなら本気で応援したいと言い出した。

私が

「どういう意味なの」

と聞いたらあかりちゃんが自分の着ている服を指さした。

「!?」

私が不思議な感じで見ているとあかりちゃんの制服がみるみると学校の制服からチアガールの服へと変化していった。

私が驚いているとあかりちゃんは

「私は光学生命体だから、服を自在に替えることなんて朝飯前だよ。さあ、みんなもこの服に着替えて!!」

と言った。

と言われても私はこういう服を持っていないから当然学校にもあるわけがない。

何よりその格好が恥ずかしすぎる。

そのことをあかりちゃんに告げると

「まあ、たまちゃん(私)はしょうがないや。でも、委員長は元々服を着ていないよね。」

「え!?」

私は委員長の方を振り返った。

委員長は恥ずかしそうに答えた。

「確かに私は服を着ていません。皆さんと同じように着ているように思える制服も実は体の一部を変化させたものです。私は液状生命体です。自分の体をいかようにも変化させることが出来ます。それに私はあなたたちが着るような服を着ることが不可能なのです。まあ、それ以前にそういう恥ずかしい格好(チアガール)は出来ないですけど。」

あかりちゃんは明らかに不服そうな顔をした。

そして私たちは第一試合会場である野球場(校内)に向かった。


 野球ではあきらちゃん(炎神)とみすずちゃん(水魔)が出場している。

あきらちゃんはピッチャーでみすずちゃんはキャッチャーだ

あきらちゃんの投げる球は異様に速く軽く投げて150キロ、そして200,300,400,500キロと明らかに人間ではあり得ないスピードで投げてくる。

すごいのがそれでちゃんと試合になっているということである。

ワンサイドゲームではなく両チームとも拮抗した試合になっているということである。

私はテレビでもこんな試合を見たことがない。

まるで空想上の出来事のようだ。

それが今私の目の前で行われているのだ。

私が感動しているとあかりちゃんと委員長がさも当然のようにこう話し合っていった。

委員長が

「ピッチャーが疲れてきているから今が狙い目ね。」

と言うとあかりちゃんが

「でもこのバッターは内角が弱いからそこをつかれたらダメだけどね」

と言い返していた。

ピッチャーが疲れているといっても急速は優に300キロを超えている。

私は二人のレベルについて行けなかった。

そして9回の裏、私たちのクラスが一発大逆転のチャンス。

打席にはあかりちゃん。

ピッチャーが投げた球があきらちゃんの体に当たった。

あきらちゃんは痛そうな仕草で一塁に歩いて行った。

そして、次の打席にはみすずちゃん。

「許せない」

そう小さな声をつぶやき、みるみると魔族のオーラが高まってきた。

魔族のオーラがどんどんと、どんどんと、どんどんとっておい。

急いで担任のかぐちゃんがグラウンドにいるみすずちゃんに駆け寄った。

かぐちゃんは

「今から大量虐殺でも起こす気か。もうちょっと冷静になれ!!」

みすずちゃんはかぐちゃんにめちゃくちゃ説教をされた。

みすずちゃんはあきらちゃんのことを好きすぎてあきらちゃんのピンチになると周りが見えなくなるようである。

ちなみに試合は私のクラスが勝ったのだった。


 試合が終わり、私が水筒を取り出してお茶を飲んでいると委員長も水筒を取り出した。

委員長がどうやってお茶を飲むのかなと観察していると水筒を開け直接右手に注ぎ始めた。

委員長は右手で飲食をする。

委員長が右手にお茶を注いでいる姿は異様な光景だが、委員長の生き返ったような顔を見るとそれが委員長にとっての普通なんだなと私は思った。


そして、第2試合はサッカーである。私たちは急いでサッカー場(校内)に向かった。

私たちが来るともうすでに試合が始まっていた。

その試合にはハニー(雷神)がゴールキーパーとして出場していた。

その試合もまるで人知を超えるような試合だった。

でも私たちのクラスが優勢のようでハニーはゴールエリアで暇そうにしていた。

私たちが試合を見ていると偶然ハニーと目が合った。

その瞬間、ハニーは私に良いところを見せようとしたのか神族のオーラが大きくなっていった。

神族のオーラがどんどんと、どんどんと、どんどんとっておい。

このあと、担任らしき先生にハニーがめっちゃ怒られていた。

試合の方は私たちのクラスは前半こそよかったが後半失速して負けてしまった。


 お昼休憩である。

私たちはあきらちゃんとみすずちゃん、そして人形族?のりかちゃんを誘って食堂に向かった。

普通人形族は飲食をしないが、すずちゃんは飲食をしないと生きていけない体なのだ。

ちなみにほかの人形族のことねちゃんときららちゃんは食堂に行かずに人気のないところでいちゃついているから大丈夫ですとのこと。

食堂に着いたら委員長は今は待っているカレーうどんを注文し、あきらちゃんとみすずちゃんは仲良くA定食、私は醤油ラーメン、すずちゃんはハンバーグ定食と唐揚げ定食を注文した。

毎度のことながらりかちゃんは大食いである。

こんな小さな体のどこに入るのだろうかと不思議に思う。

そして、委員長は右手を直にカレーうどんにのせて食事をし始める。

右手から吸収し食事をするそうだ。

食事をするときには委員長はとっても幸せそうな顔をしている。


 そして午後の試合のバスケである。

バスケはりかちゃんの独壇場だった。

この前、秘密を告白しすっきりしたからなのか(詳しくは「冷蔵庫荒らし」を参照)開き直って誰よりもすごい身体能力で他を圧倒した。

私は改めてりかちゃんが本当に人間なのかと懐疑的になった。


 そして球技大会の日程は全て終了した。

私は改めて異人さんたちの身体能力のすごさに驚嘆するばかりだった。






 





 


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