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小葵さんと私。  作者: ライン
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プロローグ

初めまして、ラインと言います。

これまで二次創作などちょこちょこ書いていたのですが、オリジナルも投稿したくなって、この度投稿させていただきます。お見苦しいところ多々あると思いますが、よろしくお願いします。

 とある大学ととある高校の、ほぼ中間地点にある小さなアパートがあった。ここは何かしら時代の最先端をゆくセキュリティが備わっているわけでもなく、見るからにしてボロボロで今にも崩れそうだと言うわけでもない。本当にいたって普通のアパートである。

 今このアパートで生活しているのは私と―――



「瑞穂ちゃ~ん……もう一杯飲みたい~」

「ダメですよ。小葵さん、明日も講義じゃないですか」

「瑞穂ちゃんのケーチっ! ちょっと飲み過ぎたくらいで人は死にませーん!」

「いや、いつもよりかなり飲み過ぎてるから言ってるんですけど……。しかも、私まだ制服のままですし、お風呂にすら入ってないんですからそろそろ……」


 ――空いたお酒の缶を片付けようとしている私の足に、こうして必死にしがみついて離そうとしない小葵さんだけである。

 先ほど述べた高校と大学、もっと具体的に言うと私の通う高校と小葵さんの通う大学、それぞれの学校に通う下宿生たちで、かつては部屋がよく埋まりきっていたと大家さんは言っていた。だが、今年に入り、近場にまた別のアパートができたらしく、本来ここに下宿する予定だった子たちがそちらの方に流れていってしまい、そして、一部の下宿生の卒業などの様々な出来事が重なった結果、私と小葵さんだけが今年、このアパートに住む者となってしまったらしい。

 私は高校生で、小葵さんは大学生。もちろん、年の差もあれば、見た目にも違いがあるし、心の成熟度合いも結構違っている。最初に引っ越してきて、小葵さんに挨拶した時は仲良くできるか不安であったが、小葵さんが積極的にコミュニケーションを取ろうとしてくれたので、高校に入学してから1ヶ月もまだ経ってはいないものの、今ではすっかり、このように、どちらかの部屋に遊びに来ては、時折小さな女子会を開けるくらいの仲にはなった。

 アパートにはまだ部屋がいくつか残っているので、いつしか他の人もやってくるだろう。しかし、今はまだ当分その時がこなくていいと思っている。

 その理由というのが、本当に単純なのだが、生まれながらにして一人っ子だった私には兄弟やら姉妹という存在がいなく、その存在に憧れていた節があったからだ。小葵さんにはあえて言わないようにしているが、少しだけ自分に姉がいたらこんな感じだったのかなと考えることもある。


「瑞穂ちゃんの足って細くて柔らかくてスベスベしてる~」

「……」

「……あ、瑞穂ちゃん今日せくしーな下着」

「……当分お酒禁止にしますよ?」



 訂正。姉と言うより、ちょっと娘にセクハラしてくる父なのかもしれない。




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