4人でのお茶会
カナン様は、私の婚約者候補になれたお披露目パーティをしたいと言っていたが、謹んでお断りした。
貴族の間でも、互いに婚約者候補として認識されていたので、今更!と言って、なんとか納得してもらった。
カナン様との二人きりの密談が終わると、部屋にルシアとカナン様の従者を呼び入れた。
カナン様の従者は、カナン様くらい大きい。一緒に騎士学校に通い、この春からはもちろん一緒に、学園に通うのだそう。
二人には、カナン様が説明をしてくれた。
ルシアは従者の皮を被ってたから、大きなリアクションはしなかったけど、どう思ったか屋敷に帰ったら聞いてみよう。
4人でのお茶会は、意外と和やかに進んだ。
主に話すのはカナン様だが、話し上手なので私もついいろんな話をしてしまった。
ルシアとの思い出話をしたら、「それ以上はしないでくれ」と3人から止められてしまった。
「ではそろそろ、お暇を、、」
「ああ、残念だがこんな時間だね」
「楽しい時間をありがとうございました」
「こちらこそ 誓約書は時間がかかるから、次回会えるのは入学式だろうね」
「、、そうですね」
本当にもうすぐ学園生活が始まってしまう。。
カナン様は馬車の近くまで送りに来てくれた。
「エミリー、本当に名残惜しいよ」
「すぐに入学式だと言ったのは、カナン様ではありませんか」
「そうだったね」
「ああ、カナン様 入学式でもしも、もしもですよ?道に迷った女子生徒に話しかけられたら、無下にせず答えてあげてくださいね」
取り巻きの子達はのほほんとしてるから、イチャモンをつけられることはないだろうが、イベントはきっと起こってしまうのだろう。
「そうだな、困った人がいたら助けねばならぬな」
カナン様って、ゴレンジャーなら真ん中の赤タイプの人だね。
相変わらずユニコーンの馬車は快適で、何事もなくサレニー家に着いた。
馬車の中は無言だった。。
何を話したらいいか分からずですよ!
学園入る前から、いつの間にか悪役令嬢に向かって矢印が2つ伸びてるんですよ!
もうだいぶゲームから外れてるのは自覚してるけど、どこまでだったら理から外れられずににいられるんだろう。
ルシアにも誓約書書いてもらって、縛り付けてしまえたら、、そんな考えが頭をかすめる。なんでひどいエゴイズムだ。
あの子の気持ちで動いて欲しい。でも、気持ちには応えられない。
「この人生って、すごく人間性が試されてる。。」




