表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

8 本格化した不登校



 本格化した陽太の不登校。家にいる時間も増え、必然的に典子と顔を会わせる時間も多くなった。典子自身も長崎LD(学習障害)親の会の会長に選ばれ、組織運営の難しさから心の余裕を失っていた。

 


 「あんた、もっとしっかりせんね」。衝突は毎日のように繰り返された。「このままでは二人とも駄目になってしまう。どこかに陽太の居場所を探さないと」。そう感じた典子は、親の会の活動を通じて知った「学校適応指導教室」を訪れることにした。5年生も終わりを迎え、陽太も肉体的には大人へと変わり始めていた。

 



 「学校適応指導教室」は小・中学校に在籍する不登校児への相談や指導を行っている。長崎市教育委員会が開設し、市民会館の7階にある。体育室や工作室などの設備もあり、不登校児の一時的な学校の役目を果たしている。しかし心因性の不登校児を対象としているため、LD児の入級は現在も認めていない。

 



 「ほかに行く所がないんです。お願いします」。典子の強い説得もあった。また相談員の畑山(35)=仮名=が、LD児ケアの必要性を感じていたこともあり、特別に仮入級という形が認められた。しかし実際に通い始めたのは6年生の2学期からで、畑山が個別に対応してくれた。

 



 この時期から典子は進学について頭を悩ますようになった。「陽太、中学校はどうしようか」。県外にはLD児のためのフリースクールが幾つかある。細やかな指導で成果を挙げているが、私塾のため卒業認定を得られないという欠点もある。学校との連携で籍を置いたまま通学する方法もあるが、やはり経済的負担が大きい。卒業を間近に控えた2月、結論が出た。




 本人が中学校に行きたくないと主張したこともあった。そして何より「僕が面倒見ますから」と、畑山が言ってくれたことが大きかった。陽太は地元の中学校に籍を置いたまま、学校適応指導教室に通うことに決めた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ