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六話 逆転の糸口


ファーヴニルが鋭く尖った爪を振るう。

僕は難なくこれを回避。しかし爪が振るわれるスピードを見て思わず顔を顰める。


「………………やっぱり、か。思ったほど効いてないな。

ぎゃあぎゃあうるさく鳴いてるのは僕の攻撃が鬱陶しいからか?」


ジュウジュウと音を立ててあちこちにつけた傷が癒えていく。再生は滞りなく行われているようだ。


「こりゃショック死は無理か?

かなりあちこちに傷をつけたんだがなぁ」


よっこいせっ。次はこの辺にグサッと。

思考し、呟きながらもファーヴニルの身体の上であちこちナイフを刺す。

また血が噴き出る。今度は顔にかかった。汚い。


「グギャァアアアアアアァア!!!!」

「うわぉっと⁉︎ な、なんだ⁉︎」


適当にナイフで突いてたらいきなりファーヴニルが絶叫を上げた。

今ナイフで突いた所をよく見ると鱗に紋様の様なものが描かれていた。

なんだこりゃ?


「取り敢えずこの鱗を剥がしてみるか……。………えいっ!」


ブチブチブチッ‼︎

あ、やっべ。肉ごと取っちゃった。痛そう。

血が今までとは比べものにならないくらいに噴き出て、頭から首まで真っ赤に染めた。鉄の匂いが気持ち悪い。


「!!!!!?!?」

「どわぁ⁉︎ あっ、危なぁぁぁぁ‼︎」


ファーヴニルが突然暴れ出した。いや、暴れ出したというよりこれは…


「く、苦しんでる? もしかしてこれ取ったせいか?」


よく見ると今までつけた傷が回復しなくなっている。

もしかしてこれが回復の元になっていたのか?


「ま、何にせよチャンスだな。

一気にカタをつけてやる!」


スペツナズナイフを取り出し、転げ回るファーヴニルの目玉に刺す。

そしてスイッチを押し、高速の刃を射出した。

目玉が破裂し、脳に刃が達する。

ファーヴニルは血を撒き散らし、最期の悪足掻きに腐毒のブレスを辺りに吹きまくった。


「ほっ、とっ、わっ⁉︎

お、おい凪。そっちに被害は………無さそうだな」


半透明のバリアが凪たち三人を守っていた。

ブレスが時折バリアの表面に当たるが軽々と跳ね返し、その後には傷一つ付いていない。


「問題ないわよ。さっさと殺りなさい」

「チッ。いちいち命令すんなよ。ウゼェな」


っといけない。戦闘で気が高ぶっていたらしい。ついつい素の口調が出まくってしまった。


「ククリ刀は……あそこか」


はぁ、さっき刺しちゃったから色んな所にナイフが落ちてる。後で全部回収しなきゃ。


「あ!ブッシュナイフ折れてる!

くっそ、あのトカゲめ!」


僕のナイフをへし折るとは何事だ。

ブレスを避けつつ、ククリ刀を拾い上げ、ファーヴニルに接近する。

トドメを確信し、右手のククリ刀を振り上げ…。


「! 下僕さん! 避けて下さい‼︎」

「は?」


誰が下僕だ、コラ⁉︎ そう返そうとして……グチャリ。

ファーヴニルの無茶苦茶に振るわれた右手が僕の頭部を消し飛ばした。

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