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憧れる理由
「まぁ、色々つっこみたいけどさ、とりあえず何でまた光源氏?」
「え?!お前は憧れないのか?!」
「ごめん、恭ちゃんが何でそんなに驚いたのかの方が俺にはわかんないよ。」
手に持っていた源氏物語を取り落とさんばかりの勢いで驚く恭と呆れ返る龍。
いつもとは立場が逆転している。
「龍、お前ハーレムだぞ?!宮中ハーレム劇場!なのに一人一人を大切にし、愛し敬い!その上禁断の恋とかもうフレーズが気になんねぇの?!」
「え、要するに恭ちゃんはモテたいの?」
「恭ちゃん言うな。いや、違う、決してモテたい訳じゃない。」
「んじゃ何で?」
更に話が読めず、龍は素直に疑問を口に出す。
そんな龍に珍しくため息を吐くこともなく恭は遠くを見つめて口を開いた。
「…二次元美少女ハーレムの夢ってところかな。夢だからこそ憧れるんだ。」
「……恭ちゃんが色々残念だってことが今よーくわかったよ。」
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