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龍と恭  作者: 萩悠
体育祭編
47/83

騎馬戦

長めになってしまいました…。

次は気を付けよう。うん。

「あっ!次俺騎馬戦だー!行ってくるね恭ちゃん!」


「あーはいはい。とっとと散れ。」


「酷っ!」


ドタバタと去っていく龍を見送った恭は、久しぶりに静かな空間に身を置くことになる。


「おお、静かだ…。」


妙に感動しつつのんびりとジュースを飲んでいたが、ズゾゾという音が響き、紙パックの中身が無くなったことに気づく。


「げ、日射しキツいのに…。はぁ、買いに行くか。」


重い腰を上げ、恭は龍が去っていった方向とは真逆の方向へと足を進める。


「ねぇ、今の人見た?」


「見た!超イケメンだったよね?誰のお兄さんかな?」


「彼女とか居るのかなー?」


いつも以上に騒がしい女子の声。


「ヤベェ!モデルみたいな女の人いた!」


「俺も見た見た!超スタイル良かったよな!あんな姉が居たらなー。俺の姉貴何かマジゴリラ。」


「お前殺されるぞー。その姉貴に。」


「うわぁ、笑えない冗談止めろよ!」


妙にハイテンションな男子達。


そんな事には気も止めず、間を抜けて歩いていると、不意に頭に何かが降り下ろされた。


「いったぁ!誰だよ!」


抗議のために振り返った恭の表情が一気に凍りついた。


「恭ー?あんた競技はどうしたのー?」


「ね、姉ちゃん………。」


そこには降り下ろしたと思われる日傘を持ち、サングラスを上に上げた姉こと咲の姿。


「あーもう咲!何でどっか行っちゃうのさ?ってあれ?恭じゃないか!お久しぶりー」


「わぁ!翔さん!来てくれたんですか!!」


咲の後ろから現れた龍の兄こと翔の姿を見て、恭の凍りついた表情が緩む。


「可愛い弟たちの勇姿を見にね。ところで恭は騎馬戦出ないの?」


「あ、俺出ません。」


和やかに恭と翔が会話をしていると、痺れを切らしたのか、咲が会話に割り込んでくる。


「こんのサボり魔恭。せめて龍の応援に行くわよ!」


「うえっ?!姉ちゃん、でも俺今からジュース買いに…」


「え?何か言った?」


「何でもナイデス…。」


目が笑っていない笑顔を向けられた恭は片言で返事を返す。


「行くわよ恭ーって翔!くっついて来ないで!歩きにくいのよ!」


「えー?大丈夫大丈夫ー俺がエスコートしてあげるし。」


「はぁ?そんなことを求めてるんじゃないわよ!!」


一気に騒がしくなった自分の周りを見、咲に手首を掴まれて引きずられている今の自分の状況を確認して、恭は呟いた。


「さっきのは嵐の前の静けさだったのか…。」

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