出場競技
ポールに凭れたまま寝こけていた恭をどうにか起こした龍は、そのまま引きずって行く。
ようやく目が覚めた恭共々、応援席から少し離れた木陰に腰をおろす。
いつの間に手にしていたのか、徐にプログラムを広げ始めた恭の手元を龍はちらりと眺める。
「今どれだ?」
「今は応援合戦だねー。恭ちゃんが続く400m走の時も爆睡してて、応援合戦の時は流石にポールを片付けるから引きずってきたんだし。係りの女の子が困ってたよー?」
「マジか、それは申し訳無いことをした。それにしても、今まだ応援合戦かよ…。」
アクエスを片手にプログラムを指差す龍と、心底嫌そうに紙パックへストローを突き刺す恭。
「ってか龍、お前は何に出んの?」
「俺?俺は女子オンリーのやつと、応援合戦とかのイベント系以外全部!恭ちゃんは?」
「100m走、玉入れ、棒倒し、後は知らん間にリレーに登録されてた。」
「予想以上の少なさ!しかも半分が全員参加のやつだし!」
「まぁ、俺はいいとして、お前は何で応援合戦不参加なわけ?わいわいしてるの好きじゃねぇの?」
「あー、敵を応援するとかエールとかんな寒い事やってらんねー。」
「あー、うん。龍らしいな。」