体育祭準備
体育祭編です。
もしかしたら行事ものは新しくまとめ直すかも。
『体育委員の方は、本部テント前に集まってください。保健委員は救護テント前に集まってください。繰り返します、体育委員の方は、本部テント前に集まってください。保健委員は救護テント前に集まってください。』
「支柱一本足りないんだけど誰か貰ってきてー!」
「運動部は各部活の顧問の所に集合だってよ!伝えたぞーっ!」
様々な指示が飛び交い、慌ただしく人が行き来する。
それもそのはず。明日は体育祭である。
そのため、今日は土曜日にも関わらず、全校生徒が準備へと駆り出されていた。
「龍ー!テント建てるからお前そっち持って!」
「オッケー!」
クラスのメンバーに助けを求められ、手伝っていると、ふと龍は恭の姿が見えないことに気づいた。
「あれ?ねね、恭ちゃん見てない?」
「恭?さぁ?今日は見てないな。」
「そっかぁ…。」
「前野ーっ!こっちも手伝ってくれ!」
「わかった!んじゃ、龍悪いな、行かねぇと!」
「いーや、気にしないでー!ありがとー!」
前野と手を振って別れ、暑さから逃れるように龍は一旦体育館の方へと足を向ける。
「あっちー…干からびるー…」
まだ5月だというのに今年は暑すぎる。思わず愚痴も出るというもの。
「本当に暑すぎー。死ぬー。」
「うん、直射日光は身体に毒だ。よっと。」
思ってもいない場所からの返事に思わず振り返ると、体育館の側に生えている木の上から恭が降りてくる。
「ぬおぉっ?!恭ちゃん?!」
「何だよ人を幽霊を見たかのように。」
不服そうな顔をした恭は、いつも通りパックジュースを飲む。
「いや、俺恭ちゃん探してたの!全然見掛けなかったからさー!ってか何て場所に居るのさ!」
「ん?………あぁ!」
龍の言葉に少し首を傾げていたが、何かに納得して恭は手を打った。
「俺、今日の準備は朝からここでサボってる。木陰は涼しかったし。」
「恭ちゃん………。」
「あぁ、出席日数なら大丈夫だ。朝礼は出た。」
「問題はそこじゃ無いよ?!」