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龍と恭  作者: 萩悠
日常編
22/83

現文の谷セン

「はい、今日は山月記の続きです。えー、教科書の120ページを開いてください。今日は4日ですからー、出席番号4番、大原くんですね。5行目から段落の終わりまで読んでください。」


「はーい、えーっと―」


大原が読む中、自分には関係無いとばかりに龍は後ろを向く。


「音読ってめんどくせーよなー。」


「ん。」


「はい、そこまででいいです。大原くん座ってください。」


だらけていると、何時の間にか読み終わったらしく、一旦聞こえ続けていた音が途切れる。


とりあえず身体を龍が前に戻し、教室が一瞬静かになる。


「えー、ここから今日は学んでいくわけですが、あ、それよりも皆さんは既に気づいているでしょうが、私の車が…」


「うわ。でたよ車自慢。また長いよこれ。」


教室中が一気にげんなりとする。特に龍は顕著だ。


「ねー、恭ちゃん。ダルすぎる。」


同意を求めようと龍が振り向くと、そこにはいつもとは全く違う目をした恭。


「龍、今から俺には一切話し掛けるな。いいな?現文こそが至高の時間。」


「要するに?」


「俺はレベル上げに邁進まいしんする。邪魔すんな。」


「うえー。谷崎の自慢話をずっと聞き流すのも暇なのにー。何かしよーよー。」


「だから話し掛けるな。俺に構うな。何なら龍、寝ろ。」


「ういっす。」

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