三大欲求
今日も今日とて気持ちよく寝ている恭を龍は起こしにかかる。
「恭ちゃーん」
「恭ちゃーん」
「恭ちゃーん!!」
三度目の呼び掛けで、ようやく身体を起こした恭から飛んできますは近くに散らばっていたシャーペン。
「うえっ?!ちょっ?!」
常人離れした反射神経で、咄嗟にシャーペンを掴んで龍は事なきを得る。
「………あ、龍か。」
「お、おはよ恭ちゃん…相手も見ずに攻撃するのだけは止めて?」
「んー、今何時だ?」
「あれ?俺の今の話まるっきり無視しちゃう感じ?!」
「あー、放課後じゃねーかもう。ふわぁー、帰って寝よ。」
「そんなに寝てたのに?!」
「はぁ?当たり前だろ?」
何言ってんだこいつといった表情で龍を眺める恭に対し、納得のいかない龍。
「はぁ…仕方ねぇから馬鹿にでも分かる人間の三大欲求を教えてやる。」
徐にルーズリーフと先程投げたシャーペンを取りだし机に広げる。
「まず、人間の根本にあるもの。これは金欲だ。」
そう言って恭はルーズリーフの下の方にぐりぐり円を書く。
「ふむふむ。」
「これが金欲なー。金が無いと、全てが始まらない。んで、その次に来るのは何だと思う?」
「睡眠欲ってこと?」
「おおっ!正解!」
そう言って恭は鼻唄混じりに金欲の上に円を書く。
「そして最後!これが人類が生きていく上で最も重要だ。」
そう言うと恭は一拍置く。
「それは?」
「ゲーム欲だ!」
どや顔を放ちながら睡眠欲の上に円を書く恭を見て、龍は悟った。
「恭ちゃん、今までの全部恭ちゃん基準だよ!!」




