第16話:激辛の後は、甘〜い雪の誘惑
あらあら、まあまあ!
激辛で火を吹いたあとは、やっぱりお口の中を冷やしてあげなきゃいけませんよね。
ジャンヌさんのアイテムBOX【みたすもの】から溢れ出したのは、ひんやり冷たい「ソフトクリーム」。
イケメンな竜たちがそれを一生懸命「ぺろぺろ」する姿……。想像しただけで、街の女性たちの心臓が持ちそうにありません!
第16話:激辛の後は、甘〜い雪の誘惑
「ロンさん、アオ君。お口、まだ痛いですか? はい、今度はこれを食べてみてくださいな」
私が手渡したのは、真っ白でふわふわにそびえ立つ「ソフトクリーム」です。
アイテムBOXから取り出した魔法の粉と、王宮の高級ミルクを混ぜて、フェニックスさんの代わりに氷魔法が使えるアオ君に(ちょっとだけ)冷やしてもらった特製品です。
「……なんだ、この白い尖ったものは。冷気を感じるぞ」
「ジャンヌ、これ本当に食い物か? さっきのマグマみたいなやつとは違うんだろうな?」
二人はまだ疑い深い目で見ていましたが、私が「とっても甘くて美味しいですよぉ」と微笑むと、おそるおそる、その白い山に舌を伸ばしました。
「…………っ、甘い」
「冷てぇぇ……! でも、とろける……なんだこれ、天国か……?」
ロンさんとアオ君は、大きな体(と超絶イケメンな顔)を小さくして、一生懸命にソフトクリームを「ぺろぺろ」と舐め始めました。
漆黒の騎士と、青き空の覇者が、頬を赤らめてソフトクリームを味わうその姿。
「「「「きゃああああああああああ!!」」」」
広場を囲んでいた街の女性たち、さらには王宮の侍女さんたちから、地響きのような悲鳴(黄色い声)が上がりました。
「見て! ロン様のあの、ちょっと恥ずかしそうに舐める仕草……尊死する……!」
「アオ様の、あの無邪気にペロッとしてる顔……! お金を払わせてください!」
周囲では鼻血を出して倒れ伏す女性が続出し、現場は激辛の時とは別の意味でパニック状態です。
「ふふっ、お二人とも、お口に合ってよかったです。……あ、ロンさん、鼻の先にクリームがついていますよ?」
私が指でちょんと取ってあげようとすると、ロンさんは顔を真っ赤にして固まってしまいました。
「……ッ、ジャンヌ! 貴様は……無自覚に人を殺す気か! 周りの視線に気づけ!」
「ひゃーっ! 黒竜ずるいぞ! ジャンヌ、俺の鼻にもつけてくれ!」
「あらあら、アオ君まで。はいはい、順番ですよぉ」
甘い香りと、幸せな「ぺろぺろ」タイム。
激辛で焼けたお口も、女性たちの熱視線も、ジャンヌさんのソフトクリームが全てを優しく包み込んでいくのでした。




