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第13話、第14話:たこ焼きの列と、火を吹く竜の騎士たち

あらあら、まあまあ!

ジャンヌさんの屋台は、もはや一国の王宮すら飲み込む巨大なイベントになってしまいました。

最強の竜たちが「行列整理」に駆り出されるなんて、世界中の吟遊詩人が聞いたらひっくり返って驚くでしょうねぇ。


王宮の広場には、歴史の教科書に載るような豪華な面々がズラリと並んでいました。

けれど、その列を管理しているのは、エプロンをつけた(ジャンヌさんに無理やり着せられた)二人の超絶イケメンです。

「……おい、そこ。一歩はみ出しているぞ。……焼き殺されたいか?」

黒いエプロン姿のロンさんが、黄金の瞳をスリットのように細め、指先から黒い火花を散らします。隣国の「剛腕将軍」と呼ばれた男が、「ひっ、すみません!」と直立不動で列に戻りました。

「おいおい黒竜、甘いぜ! ほら、そこの王冠被ってるおっさん! 割り込みは万死に値するぜ? 尻尾で場外まで叩き出すぞ!」

アオ君も空中に浮かびながら、青い魔圧をギュンギュンと放ちます。各国の王様や英雄たちが、まるで叱られた幼稚園児のように、お行儀よく「前へならえ」をしているという、世にも恐ろしい光景が広がっていました。

「ふふっ、お二人とも、お仕事がとっても上手ですねぇ。……さて、これは私用わたくしようの分……と」

私は屋台の隅っこで、自分用に特別な「赤いソース」をたっぷり塗ったたこ焼きを焼いていました。

実は私、おっとりした性格に反して、刺激的な**「激辛」**が大好きなんです。BOXから取り出した、見るからに禍々しい真っ赤な唐辛子をドバドバと投入します。

「ジャンヌ、そっちの焼き立てを……一つもらってもいいか? 整理係は喉が渇く」

「あ! ずるいぞ黒竜! 俺にも一個寄こせ!」

二人が仕事の合間に、ひょいと私の「激辛スペシャル」を横から摘み食いしてしまいました。

「あ、それは私用の、とっても元気が出るソースがかかって……」

私が言い終わるより早く、二人はたこ焼きを口に放り込みました。

「「…………ッッッ!!!!」」

一瞬、時が止まりました。

次の瞬間、ロンさんとアオ君の顔が、見たこともないような鮮やかな真っ赤に染まりました。

「ゴハッ……!! ぬ、ぬおおおおおお!!」

「ア、アツ……ッ!? いや、痛い! 喉の奥で魔力爆発が起きてるぞおおお!!」

――ドゴォォォォン!!!

あまりの辛さに耐えかねた二人は、思わず人間の姿を保てなくなり、空に向かって猛烈な火炎放射ブレスをぶっ放しました。

王宮の空に、昼間だというのに巨大な火柱が二本、天を突くように打ち上がります。

「まぁ! 綺麗な花火ですねぇ。……お二人とも、そんなに喜んでいただけてよかったです」

「喜んでるんじゃねぇ……死ぬ……死ぬぞこれ……水、水をくれぇぇ!」

「ジャンヌ……貴様、味覚が……味覚が竜より凶悪すぎるだろうが……!」

涙目で悶絶し、氷魔法で自分の喉を冷やし始めるイケメン二人を横目に、私は「あら、まだ辛さが足りなかったでしょうか?」と、さらにソース(アイテムBOX産)を煮詰めるのでした。

並んでいた英雄たちは、その火柱を見て「たこ焼きを食べると、あんなに魔力が向上するのか……!」と勘違いし、さらに気合を入れて行列を詰め始めるのでした。

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