第10話:タコを求めて海へ! 竜たちの釣り(物理)大会
目が覚めたジャンヌさん。お腹が空いたので、アイテムBOXから「謎の丸い鉄板」を取り出します。
「ロンさん、アオ君。次は『たこ焼き』という、熱くて丸いものを作ってみましょうか?」
……しかし、BOXの中に「タコ」が入っていません!
「あら、タコさんがいません。……ロンさん、海へ捕まえに行きましょう?」
あらあら、まあまあ!タコを求めて海へ行ったら、とんでもない大物釣りの大会になってしまいましたね。
ジャンヌさんの「たこ焼きが食べたいわ」という一言で、海の生態系がちょっとしたパニックです!
「わぁ……海は広いですねぇ。ロンさん、アオ君、タコさんはどこにいるんでしょうか?」
私が砂浜でのんびり波と戯れている間に、二人の騎士……いえ、二頭の竜は凄まじい火花を散らしていました。
「ジャンヌ、見ていろ。俺がこの海で一番のタコを仕留めてやる」
「はっ! 黒竜、お前の細っこい腕じゃ足りねえよ。俺が根こそぎ捕まえてきてやるぜ!」
そう言って二人は海へダイブ! ……数分後、海面が爆発したかのように盛り上がりました。
「ジャンヌ! とんでもねぇ獲物が釣れたぜ!」
アオ君が引きずり上げてきたのは、タコ……ではなく、船をも飲み込むほど巨大な**「大王イカ」**の化け物でした。
「あらあらアオ君、凄いわぁ! 潮吹きまでついて、とっても立派なイカさんですねぇ」
「……ふん、アオ。それはイカだ。タコはこうやるのだ」
続いてロンさんが海から上がってくると、その背後には、長年この海で船を襲い、災害をもたらしていた伝説の**「悪魔のクラーケン」**が、ぐったりと引きずられていました。
「まぁ、ロンさん! これで沢山たこ焼きができちゃいますね! ロンさんもアオ君も、本当にありがとうございます」
私は二人の大活躍があまりに嬉しくて、二人の元へ駆け寄りました。
「お礼に……はいっ」
私はおっとりと背伸びをして、ロンさんの右のほっぺに、そしてアオ君の左のほっぺに、ちゅっとお礼のキスをしました。
「「…………ッ!!!!」」
静寂が訪れました。
ロンさんは顔から火を噴くかと思うほど真っ赤になり、そのまま直立不動で砂浜にめり込みました。
一方のアオ君は、「う、うおぉぉぉぉ!」と叫びながら、嬉しさのあまり竜の姿に戻って空を三回転ほど旋回しています。
「あら、ロンさん、砂に埋まってどうしたんですか? アオ君も、そんなに飛んだらお腹が空いちゃいますよぉ」
私が首をかしげている横で、二人はしばらく「どっちのキスが長かったか」で、またしても新しい喧嘩(照れ隠し)を始めるのでした。




