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タイトル未定2025/06/10 12:07
街路樹よりも、街灯の方が多く、夜の街を夜の明るさでこの街が起きているということを示す。
煉瓦造りでオシャレさだけを優先して利便性を捨てた道路には決められた人しか車を走らせることは出来ない。
この街にはなんでもあるし、何でも起きる。
煌びやかな店が並ぶその路地裏には犯罪が当たり前だし、この街のシンボルの劇場は権力者が殺到する。
国家間のスパイが行き交い、笑顔の下は見下し、嘲笑している様な人しかいない。
純粋無垢などここでは生きていけない。
そんな大人の世界で1人の「純粋無垢」が捨てられた。
その少女は生まれ持って目を引く容姿をしていた。
薄暗いはずの世界に太陽のような光。
白銀の髪に、夕焼けのような瞳。
ムスッとした口元。
その少女に近寄る人物。
「お前家は」
「ない」
「明日はどうする」
「知らない」
「俺と来るか」
「行く」