1.そんな、、まじ?
突然だが、俺には幼馴染がいる。その幼馴染とは今も俺の隣でニコニコとしている桜田舞のことだ。こいつとはいわゆる腐れ縁というやつなのだろう。俺が引っ越したら引っ越し先に平然といるタイプ。もはや怖い。
そんな俺はつい先日高校2年生に無事進級できた万智智樹。自分でこういうことを言うのはなんだが、陰と陽の中間の存在だと自負している。なぜか周りの友人にイタイやら、ナルシストやらと言われる。ま、そんなことはどうでも良くてだな、実はこの智樹、何を隠そう橘カレンという恋人がいる!ビックリしただろう。幼馴染系の話で主人公に彼女がいる確率はとてつもなく低い(メタい)が、俺にはいるんだな。すまんね、みんな。
「ねえ、智樹?さっきから話聞いてる?」
「え、?あ、すまん。何かよく分からんが何かを誰かに説明していたよう、、な、、、?」
「もう、何言ってるの?シャキッとしてよね、、、そんなんじゃ橘さんに振られちゃうよ?」
「今俺のハニーの話は関係ないだろ。というか、そんな心配不要だね。俺と彼女は誰が見ても円満と言うくらいの仲なのさ」
「ふーん、ま、付き合うって聞いた時はビックリしたけど、いい感じなら、、、好きにしてたら?」
「ぜひそうしてくれ!さあ、学校に着いたぞ」
いつも通りに下駄箱に入ってあるマイブーツを取り出そうとしたところ、ん?なんだこの感覚は?
紙切れが入ってる。なんだなんだ?俺には彼女がいるんだぞ。告白なんてよしてくれ…よ?
「別れましょう。もう疲れた」
橘カレン
一瞬、時が止まったように感じた。頭の中をハテナが飛び回る。なんでだ?何か悪いことをしてしまったか?全く心当たりがなさすぎる。
ふと思い出したかのように舞の方を見ると、そこに舞はもういなかった。