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第一章『勿忘草』 五節『やってやりますか』

こんにちは、こんばんは!しらすおろしぽんずです。第五節、いつもよりかなり早い更新です。これからの投稿も三日に一回とまでは言いませんが週二回ぐらいは更新できるように頑張って書いていきます。

前回はレナグに『冒険課程』なるものを受けさせようとするアンセントワート先生に白亜がキレるところで終わりました。それが今回どう転がっていくのか!もしよければご一読後に誤字などの指摘や感想をいただけると、とてもうれしいですし、めちゃくちゃ頑張れます!!(まだまだ、子供なところが抜けないもので容赦ください)。と少し長くなってしまいました。

では、また!

五節『やってやりますか』


「もう一度言うがこれはまたとないチャンスだ。もっとも、受けるかどうかは君たち次第だがね」


 僕はアンセントワート先生の顔から、我関せずといったようないつものしかめっ面の後ろに、してやったりと勝ち誇った笑みが見え隠れしていることに心底嫌悪感を抱いた。


「しかしだ、教育者である私が言うのもなんだが、このチャンスを逃したら君たちはこれからの二年間を退屈な学校で卒業まで二年間、ずっと過ごすことになるのだよ。君たちの嫌いなルールに従ってね」


「チャンス? 今チャンスと、そういいましたか? 先生は何の変哲もない植物が、自分から火の海を渡ることをチャンスというのですか? もしそうだとするのならば、そのチャンスとやらの挑戦権を持っているのは『皇色』を持つ『五心色』様たちだけでしょう。進級適正試験を通過した四年生でさえ()()()が五十パーセントを切っているのでは話にならない。」


 沸点に達した僕の中の熱湯を冷ますべく攻勢に出た。前例を出したからには、先生もこのバカげた提案をした者も代案を用意するほかないだろう。

 二年生の生徒に無理やり冒険課程を受けさせたとなればただでは済まないはずだ。さらには『五心色』の話を出した。先生という立場である以上この話題はさすがに避けたいだろう。発言を間違えれば それこそただでは済まない。命取りにだってなり得る。そう考えるのが普通だと思ったのだが…


「『五心色』様か。大きく出たな。第五種近衛兵への道を自ら閉ざそうとしておきながらな」


 痛いところを突かれた。これはまずい流れになりそうだ。


「第五種近衛兵にもなれなければお前の言う『五心色』様にも会えんぞ。第五種近衛兵以外は光の歪を越えることは許されない。そんなことすらも知らないようでは進級適正試験はやはり難しそうだな。知っていたとしてもお前にはそんな受けるも勇気もないのだろうがな。ではこの話はなかったということにする。薄雪白亜は素行を改め、レナグ・アリフィス・エルブルーは友人を作るように」


 それだけを言い残して先生は教室のドアをばたんと閉じ去っていった。まさかこんなことになるとは。あの悪魔の冒険課程を受けるか友人を作るかの二択を迫られるとは。

 白亜は何も言わずに黙りこくっている。と思いきや何やら震えているようだ。


「なあ、どうしたん——」


「——ぷっ、、だはっ、、ダッハハハ!!」


「—っ?! お前なに笑ってんだ。これまじで笑い事じゃねえぞ!」


「だっ、だってよお。ブハッ! 友達作れって。お前どんだけコミュ障なんだよってなるじゃん! しかもアンセントワート先生があの顔で言ってやんの。それが面白くて面白くて、、ッハ! ああ~苦し」

 まさかこんなところでからかわれるとは…。どうしようか対策を一緒に考えようと思っていたのに期待を悪い意味で裏切られてはやる気がなくなってしまう。そう思い僕がムスッとしていると白亜が慌てて口を開く。


「だってお前、友達死ぬほど作りたくないんだろ。それはわかってるからさ俺らは冒険課程受けるしかない。そう腹くくったら一気に力が抜けてさ。―ダハッ! あーだめだまだ面白い」


 そんな白亜の態度に少し腹を立てつつも僕は心の中がじんわり暖かくなった。


「でもほんとにいいのか? はっきり言ってまじで死にかねないぞ?」


「今更考えたってなーんもならん。しかも俺も割と友達は少ない。だからお前にいなくなられても困る。と、いうわけで協力してやるよ。」


 ありがたい限りだ。白亜がついてきてくれると言ってくれただけで、肩にのしかかっていた圧がすっと溶けていったような気がする。


「でも実際どうするか考えないとな。でもまずはアンセントワート先生に報告か。どんな顔が見れるかな?」


「いや、あのしかめっ面はたとえ岩塩巨凱がウクレレ引きながらサンバ踊っても眉一つ動かないね」


「そんなことあんのか?」


「あると思ったその馬鹿さ加減には感服するよ」


 いつもの調子を取り戻した僕たちの足取りはいつもよりも少し軽く感じた。



「あれ、そういえばララのことはいいの?」


「あ、まずい。あのまま放っておいたら冒険課程受ける前に死にかねない」


「お前があんなこと言うからだぞ。さすがにかわいそうだっただろ」


「仕方ねえじゃんほんとにそう思ってたんだからよ!」


「じゃあ絶縁すれば?」


「それは…嫌だね。」


「じゃあ謝って来いって」


「やーだよ。何されるかわかったもんじゃない」


「じゃあ絶縁」


「お前の中にはその二択しかねえのか? そんなんだから友達出来ねえんだろうがよ!」


「はあそれは関係ないだろ! ああもう知らん。自分で何とかしろよ。だいたいはお前が上級生に喧嘩売るのが悪いんだから自業自得だろ。反省しろ!」


 僕たちの足取りはまた重くなってしまった。が、それでもなぜか、少しだけこれから起こることにわくわくしている自分がいた。

 これから僕はどうなっていくのだろう。退屈な二、三年生を飛ばして見当もつかないぐらい大きなこの学校で冒険課程受ける。最難関の試験を通過した最高学年の猛者たちと肩を並べられるだろうか。そもそも僕にそんな冒険課程を受ける資格があるのか?

 

 そんな漠然とした、しかし確かにそこにある問題を抱えて僕は歩く。


 親友と呼べる僕の数少ない友達の一人と並んで歩く。


 なにやら楽しいことが、待っていそうだ。


「「やってやりますか」」


 そう、僕たちは肩を並べて言った。



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