表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/11

8



モルのワルワル人レーダーで僕は例の進学校にたどり着いた。

僕の学校とは違って校庭には運動部どころか人がいない。

遠目で校舎の窓を見ると席について黒板を見ている学生たち。

進学校というだけあってまだ授業をしているのだろうか。


「ほら、怜一、行くよ!」


そんな事気にすることもなく、モルが催促する。


「いや、ちょっと待て。マルチ商法の二の舞いになる可能性がある。下校時刻まで待とう。」


流石に厨二病全開で進学校に入る勇気はない。

僕の提案にモルは不満そうにしていたが、渋々僕の提案を受け入れた。


18時前。


やっと生徒がぞろぞろと出てくる。

この学校には部活動という制度はないのか?


「7時間目もある日は流石に疲れるな。」


生徒がそんな話をしながら出てくる。


「明日は土曜だし、やっと練習できるよ。」


えっ?土日しか部活動ないの?


「お前課題、どうする?」


しかも7時間目もやって課題もするの?

もう色々と僕の学校生活と違いすぎてついてけないんだが…。


「怜一!!あいつだよ。まどかちゃんの彼氏のワルワル人!!」


モルが指をさす。

僕はその先を見ると一際目立つイケメンが居た。

くそ。遠目からでもイケメンぶりがわかるぜ。

まどかちゃんの彼氏は友人たちと爽やかに歩いている。


「月曜のグループワークまでにレジメまとめとくよ。

その時、みんなで確認取ってもらっていいかな?」


グループワークにレジメ?

ち……知能の高そうな単語使いやがってッッ!!!!


「助かるよ。頼んだ!!」


しかも人望までありそうだ。


僕は相手のポテンシャルを感じで足がすくんでしまう。

本当にこいつはワルワル人なのか?


友人たちと無駄に爽やかに別れて、まどかちゃんの彼氏は無駄に姿勢良く歩き出している。

今がチャンスか!!


「爽やかJDに擬態してるワルワル人!!

この魔法戦士がキュルキュル人に代わって成敗してやる!!」


なんか正義の味方って言いにくくて、モルのせいにしてまどかちゃんの彼氏の前に姿を現す。

彼氏は一瞬ポカンとしたが、すぐにキュルキュル人だって?と動揺した声を出してUターンして逃げ出した。


こいつ!クロだ!!!


僕はすかさず追いかけ、魔法戦士パワーを込めて飛び蹴りを食らわした。


「ぐはっ!!!」


イケメンが見にくいワルワル人に変貌する。


「なんで…こんな…ことに…」


そんな言葉を残して、時空の歪みに引きずり込まれていった。

どうやら無事に帰還したようだ。


「危なかった。これで、まどかちゃんはもう安心だよな?」


僕の問にモルは頷く。


「君はまどかちゃんを救ったんだよ。大変なことになる前に間に合って良かったね。」


僕は誇らしくなった。

ブルーだった1日が一瞬で充実した最高な1日になった。


誰にも魔法戦士の正義の活動のことは話せないけど、僕は平和のために立派な仕事をしてるんだ!!!


そんな仕事を与えてくれたモルに僕は心の底からありがとうと、お礼を言った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ