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「モルモル人とワルワル人との因縁?特にないけど?」
単刀直入に尋ねた僕の問にモルは間入れず答えた。
あの中学生女子に擬態していたワルワル人の言葉が気になりあの後、僕はすぐにモルを問い詰めたのだ。
「モルモル人がワルワル人を狩りすぎたから勝手に敵視してるだけでしょ?」
狩りすぎたというのは、僕みたいな魔法戦士を使ってということか?
……………一理ある。
地球でもワルワル人ネットワークでもあるのかもしれないな。
けど、倒されたワルワル人は問答無用に自分達の時空に帰還してるんだよな…。
そんなネットワークに情報提供できる暇あるのか?
「???」
モルはキュルキュルした瞳で僕を見た。
「そういや、ワルワル人が故郷がなくなったとか言ってたけど、それってどういうことだ?」
「あー、あいつらの時空がモルモル人の領土になったからそんな言い方したんじゃない?」
えっ??モルモル人の領土??
どういうこ「怜一、それもういいから。」
最後まで思考で言い切らせてもくれない。
「領土になったってことは、元々住んでたワルワル人はモルモル人の国民的なのになったのか?」
モルは国民?なにそれ、美味しいの?
みたいな顔をして首を傾げた。
「違う種族なんだから、モルモル人になれるわけないでしょ。」
「じゃ、、じゃぁ、追い出したのか?」
「そんなわけないじゃん。労働力として暮らしてるよ。ちゃんと共存してるから。」
「労働力として?言い方が引っかかるな。まぁ、アメリカみたいな感じってことか?」
アメリカも他民族国家だしな。
「よくわからないけど、そんなところだよ。」
モルはめんどくなったようで適当な返事をした。
何となくだが、理解してきたぞ。
今、地球にいるワルワル人は、モルモル人の治める領土化した故郷を受け入れられずに地球に流れてきた連中ということか。
沖縄の人が自分達を日本人じゃなくて琉球人だと言うのと同じ感覚だろうか?
その流れてきたワルワル人が自分達の国家(便宜上そういう言い方をするけど)を築くために地球人に紛れてるってことだな…!!
モルがそうそう、とまた適当な相槌を打つ。
そして、おもむろに僕の世界史の資料集をパラパラ開いた。
モルはアメリカ植民地と産業革命のページで手を止め、じっくりと見ている。
「やっぱり地球人のことはよくわからないけど、まぁ僕たちの領土の話も地球でもあることだから珍しい事じゃないよね。」
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僕は気づいてしまった。
これワルワル人のこと、奴隷化してるな。
うん。間違いない。
労働力としてって、そういうことだろ。
この資料集のページを見てこの発言ってことは、100パーそうだな。
僕は軽い恐怖を覚えて、敢えて何も言わないことにした。




