第4話「ラッシュアワー」
クリスとブライトがお茶っ葉テストをしている間、
彼らが去った会場では一回戦が次々と消化されていた。
一回戦第二試合
ハーク・マント(ニュージーランド) vs フランソワ・マンジロウ(フランス)
実況「作法に絶対の自信を持つ二人の対戦!
どちらも素晴らしい作法でしたが、さぁー勝ったのはどちらだ!
おおーっと352対354!
フランソワ・マンジロウ選手が僅差で勝利です!
マンジロウ選手は二回戦で
クリス・グラボースキー選手との対戦となります!」
マンジロウ「俺はこの道50年のベテランづら。
この大会で引退を決めている以上
ヒヨッコどもに負けるわけにはいかないづら」
一回戦第三試合
リバウジーニョ(ブラジル) vs 陳 烏龍(中国)
実況「優勝候補の一角の登場です!
お茶のふるさと中国から陳選手、お茶の味には絶対の自信を持っています!
対するリバウジーニョ選手はお茶菓子を食べる作法に関しては
サンパウロ1と言われています!」
リバウジーニョ「サンパウロ大会の決勝戦は過酷だった。
あのお茶菓子一式早食い対決…
他の奴らが10分とかかるところを
俺はたったの5分でたいらげた。
陳よ…ブラジル仕込みのお茶菓子の妙技、
今見せてや…んん!?」
観客「うわあああああ!!み、見ろ!なんだあれは!?」
陳「フォォォォォ・・・・・・」
実況「うわああああ!
陳選手、お茶の粉を指で挟んでゴシゴシとこすっています!
一体これはなんの儀式なのか!どうした優勝候補~!?」
リバウジーニョ「俺の実力を知って頭おかしくなったか?
…さぁこっちは完成だ!味わいな!」
実況「おおっとまずはリバウジーニョ選手のお茶が完成したようです!
得点は…!?
331点!うん、まずまずといったところでしょうか!?」
リバウジーニョ「チッ…一回戦はお茶菓子審査が無かったからな…
しかしまあ大丈夫だろう。
陳のヤツはわけのわからないことをしていたし、
あれじゃ300点いけばいいほうだ」
陳「究極緑茶完成也」
実況「おおっと出来たようですね!
さぁ指のハラでコスコスしたお茶の味はどうでしょうか…
審査員が口に含みました!」
審査員A「!?」
審査員B「クレイジー…」
審査員C[なんてことだ…」
実況「さぁ採点の結果が出たようです!
作法90点!泡90点!色92点!味…98点~~!?
そ、総合370点!圧勝です!
第一試合のクリス選手と並ぶ高得点だ~!」
リバウジーニョ「あああ!?納得いかねえ!
貴様ら金を握らされてやがるな!?
あんなお茶が美味いわけねえだろが!!」
実況「あの指でコスコスは何をしていたのでしょうか…
スローモーションで見てみましょう。
…ここです!ここでゴシゴシ…
…!あ!あああ~~~!!!!???
指で…指で粉を選別している~~~!?」
審査員「そう。彼は抹茶の粉末を指で選別していたのだ。
質の悪い部分は払い除け、
上質な部分だけを選り分けていたんだ」
陳「抹茶軍団襲来帝国崩壊」
実況「優勝候補の名に偽りなし!
陳烏龍、一回戦を突破だ~!」