第3話「解けよ封印 呼べよ嵐」
クリス「さぁどうした?
3つのお茶っ葉の中から優れたものを
選ぶくらい簡単だったんじゃないのか?」
ブライト「くっ、くそっ…」
ブライトは必死に3つの葉っぱを見比べた。
ブライト「冷静になれ…まず…ショッキングピングのCの葉っぱは無い。
着色料は泡立て度・味ともに落とす効果がある。
問題は残りの2つ…
ツルツルしていて泡立て度に疑問があるAの葉っぱか…
肌触りは良いが農薬の匂いがキツイBの葉っぱか…
どっちだ…どっちなんだ…!?」
ブライトが頭を抱えていると、誰かに肩をちょんちょんと叩かれた。
ビクッと振り返るとクリスがお茶を持って立っていた。
クリス「ちなみに正解の葉っぱを使って作ったお茶がコレです」
ブライトは驚愕した。
なぜならそのお茶は鮮やかなピンク色をしていたのである。
ブライト「ウ、ウソだろ!?正解はショッキングピンクのCなのか!?
…いや、落ち着け。色はフェイクだ。
この凄まじい泡立ち、着色料を使ったお茶っ葉では為しえない。
というかこの泡立ちぶりを考えるとAも違う気がする…
では、B…?いやしかしBのような農薬の匂いは
このお茶からはしない…」
答えが出ない。結論が出ない。汗が止まらない。
ブライトは泣きそうな顔でクリスの方を見た。
クリスは厳しい顔をしながら見下すように立っている。
ブライトは、思った。
怖い。茶道がここまで怖いものだとは今まで思ったことは無かった。
そして何よりこのクリスという男が恐い。
彼はお茶のためなら人も殺すだろう。
自分のような半端者が軽い気持ちで弟子になりたいなどと言ってはいけなかったのだ。
吐き気と動悸が止まらない…。
クリス「お祈りは済んだか?
そろそろ答えをお聞かせ願いたい」
震えながらブライトは絞り出すように言った。
ブライト「あ…あああ…シ、C…
お茶がピンク色だから…葉っぱも多分ピンク色…」
クリス「正解です」
こうしてブライトはクリスの弟子になった。