第2話「クレイマー、クレイマー」
実況「いやァ~~凄い選手が現れましたね、解説のフジタさん!」
解説「ええ。ノーマークでしたね。
というのもこのクリスという選手、
実は今までどこで何をしていたのか分からない。
3か月前のアメリカ予選にアマチュア枠から
参加して圧倒的な強さで優勝。
茶道界を騒然とさせたのですが、
この世界大会でも旋風を巻き起こしそうです」
実況「二回戦も大いに期待しましょう!」
ダッダッダッ…
ブライト「ハァハァ…待ってくれ、いや待ってください!
クリスさん!俺を弟子にしてくれ!」
クリス「あのような力に任せた泡立てを
やっているようでは俺にはついてこれん。
レベル差がありすぎるのだ。残念だが諦めろ」
ブライト「そんな…それならテストしてみてくださいよ!
ついていくことすら出来ないような半端者なのか、
試してみてくださいよ!!!」
クリスはフーッと大きくため息をついた。
クリス「しつこい奴だ。よかろう。テストしてやる。こい」
ブライト「…!ありがとうございます!」
クリスは街を出て西の森へ入っていった。
一体ここに何があるというのだろう。ブライトは訝しげに首をひねった。
さらに歩くこと数十分。そこには鮮やかな緑が生い茂っていた。
クリス「ここは昔俺が修行に使っていた場所だ。
見ろ…良いお茶っ葉が生っている木がたくさんあるだろう」
ブライト「すごい…こんなお茶っ葉はカナダにもなかなか無いですよ」
ブライトが目を輝かせていると、クリスは近くにあった木からお茶っ葉をむしった。
さらに別の木に近づいていきまたブチッ、また別の木、ブチッ…。
合計3枚のお茶っ葉をむしったクリスは、ブライトのもとに戻ってきた。
ブライト「クリスさん、一体何を…?」
クリス「このお茶っ葉の中から最も美味しいものを選んでみろ。
見事当てることが出来たらお前を弟子にしてやるさ」
ブライト「そんなことですか。簡単ですよ。
私は仮にもカナダ王者ですよ。良いお茶っ葉の選別くらい簡単にできますから」
そう言ってブライトは1枚目のお茶っ葉を手に取った。
ブライト「鮮やかな緑色だが肌ざわりがツルツルしているな。
これでは良い泡は立たない。
自動販売機のお茶レベルのお茶っ葉だなコレは」
まずこれは無い…早々と見切りをつけたブライトは2枚目の葉っぱの匂いを嗅いだ。
ブライト「農薬の匂いがキツすぎる…。
肌触りと大きさはベストだが、
これならばそこらの茶道部の方が
よっぽど良いお茶っ葉を使っている。
1枚目も2枚目もダメ、となると…」
ブライトはフフン、というような顔をしてクリスの方を見やった。
そして3枚目の葉っぱを手に取った。
ブライト「え……!?」
ブライトは凍り付いた。それもそのはず。
そのお茶っ葉はショッキングピンク色をしていたのだ。
ブライト「そ、そんな!お茶っ葉がショッキングピンクなんて、
こんな色…着色料を使わないと出るわけないじゃないか!
これもハズレなのか!?3つ全部ハズレ!?」
クリス「どうした?簡単なんじゃなかったのか?」
ブライト「ぐぅ…!ハァハァ…」