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7/7

二人のフェチ女が俺を奪い合う

 翌日、俺は匂いフェチに加わり指フェチも入ってきたことに悩んでいた。俺の平穏な日常は二度と戻って来ないことを確信していた。

 一人でも手に負えないのに二人になれば俺の身体は持たない自信があった。


 俺は二人のフェチを治そうと試みていた。色々考えていたが良い方法が見当たらないでいた。


「如月く〜ん、お〜はよ〜 」


 廊下を歩いていた俺の後ろから姫島さんが声をかけてきた。


「おはよう 」


「今日もたっぷりと....ねっとりと指。舐めさせてね? 」


 姫島さんは舌舐めずりをして笑みを見せる。俺は背筋がゾワっとした感覚に襲われた。


「か、考えておくよ 」


 姫島さんとはクラスが違うので二階を登り切った所で別れた。姫島さんは三階の階段を登って行く。俺は二階の廊下を歩いて自分の教室に入ると教卓の上で日直の仕事を行なっている天空寺さんと会った。


「あ、おはよう。如月くん 」


「おはよう 」


 天空寺さんは今日も美しい顔をしている。凛とした顔つきにきゅっとした唇とすらっとした鎖骨。頭から足先まで欠点はなくどこを切り取っても素晴らしい。それが故に変態レベルの匂いフェチが欠点だ。


「どうかした? 私の顔じっと見て 」


「何でもない 」


 俺は座席に座り授業の準備を始めた。準備が終わったのと同じタイミングで授業が始まった。俺は匂いフェチと指フェチ解消の案を考えていたが良い案は思い浮かばなかった。


 休み時間になるとトイレに行くために座席を立った。教室を出た辺りで俺は後ろからの人影に気づいた。


「天空寺さん? 」


 人影が天空寺さんだと思った俺は振り向きながら名前を呼んだ。


「ひゃっ!! 」


「何してるんだ? 」


 天空寺さんはビニール袋を手にしている。


「こ、これは....その....如月くんの匂いを袋に封じ込めていつでも匂いを嗅げるようにしようと....」


 変態だ。俺は逃げるようにトイレに駆け込んだ。


 ◇


 それから何もなく放課後になると今日も生徒会室に連れて行かれた。中に入ると一人で暇そうにしていた姫島さんが俺に反応する。


「あっ、如月くん 」


「どうも 」


「指舐めタイムだよね〜 」


 姫島さんはよだれを垂らしてワクワクした目で俺を見ている。


「ダメよ。私の匂いノルマの方が先よ 」


「違うよ〜。私の指舐めタイムの方が〜先〜 」


 天空寺さんと姫島さんは争いを始めた。二人とも譲るつもりは無さそうだ。お互いに自己主張を初めて退かない。


「匂いノルマ!! 」


「指舐めっ!! 」


 フェチを治す前にこの争いを止めなければならない。俺は仲介役を買って出た。


「待てよ二人とも 」


「如月くんは黙ってなさい」


「如月くんは入ってこないで〜 」


 女のバトルは熾烈だ。殴ったり武力の喧嘩はないが言葉のバトルと表情のバトルが始まる。沈黙の空気でさえ強力な武器となるのだ。


(参ったな。この二人を鎮めるには....)


 俺は二人の喧嘩を止める為に人肌脱ぐことを決意した。


「待ってくれ二人とも。俺に良い案がある 」


「は? なによ 」

 

「如月くんの案ってな〜に? 」


「二人同時にかかってこい。俺が二人のフェチ心を同時に満たしてやる 」


 フェチ絡みが嫌だった俺が大胆にこんなことを言うことになるとは思わなかった。


「二人同時に? 如月くん本気なの? 」


「如月くん大丈夫〜? 」


「ああ。きっと大丈夫だ。さあ。来い 」


 天空寺さんと姫島さんは顔を見渡すとそれぞれ俺の元に近づいてくる。

 天空寺さんは俺の胸に飛び込んで顔を埋めて匂いを嗅ぎ始める。

 一方の姫島さんは俺の右手を掴むと口に運び舐め始める。

 二人はそれぞれのフェチを満たして満足しかけていた。


「すーっ....くんっくんっ。良い匂いよ。これを待ってたのよっ!! この少し酸っぱい匂いが堪らないわぁ 」


「ちゅるっ....ぺちゅっ....ぺろっぺろっ....べろぉっ....べろぉっ 如月くんの指程よい肉付きと引き締まった皮膚が堪らないよ〜 」


 俺は二人を飼っているペットだと思い真顔で立っていた。これで無駄な争いが無くなればいいと思っていた。


 二人はそれぞれフェチを満たした後、俺に感謝の言葉を述べる。感謝の言葉を受け取った後、俺は姫島さんが舐めてベトベトになった指を水道で綺麗に洗い流してから家に帰った。


「これからはもっと大変になりそうだ 」


 これがまだ序の口であることを俺はまだ知らなかった。

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