天空寺さんの部屋にあるぶっ飛んだ物
翌日、俺は待ち合わせの時間よりも早く駅に行き天空寺さんを待っていた。待ち合わせの時間の十分前に天空寺さんは駅に来た。
天空寺さんは白のフレアスカートと白のブーツに上は白の半袖のシャツと全身白コーデだ。天空寺さんと合流した俺は案内されるまま天空寺さんの家に向かっていた。
天空寺さんの家は高校からすぐ近くの所にある。しかし、近いといえでも坂道が険しく目と鼻の先の距離がとても長く感じるのだ。
「くー。キツイなー 」
「如月くん頑張りなさい。これぐらい私にとってはちょろいけどね 」
天空寺さんは険しい坂道を顔色一つ変えずにスイスイ歩く。日々登る故の慣れかもしれない。
険しい坂道を登り切ってすぐの所に天空寺さんの家はある。水色の屋根が他の家と比べて浮いていてとても分かりやすい。
「これが天空寺さんの家か 」
「ええ。入りましょう 」
天空寺さんの家に入ると綺麗な磨かれたフローリングが迎えてくれる。
「ぴかぴかだな 」
「ええ。ママが毎日磨いているからよ 」
天空寺さんに付いて行き階段を登ったすぐの所にある部屋に俺たちは入った。どうやらこの部屋が天空寺さんの部屋のようだ。
「広いな 」
「どう? 私の部屋は 」
天空寺さんは得意げな顔で俺を見る。俺は天空寺さんの部屋をぐるぐる回り観察していた。
するとある物を見つけてしまった。
「あれ? この消しゴムって俺のやつじゃね? 」
俺は机に置かれていた消しゴムに目が移った。自分が使っていた消しゴムの区別など普通はつかない。この消しゴムが自分が使っていた物と判断できた理由は消しゴムに書いてあった落書きからだ。
この落書きは他の誰でもない俺しか書かない意味不明な落書きだ。
「き、気のせいじゃないからしら....」
「いや、この落書きは俺の物だ。小さくなったから捨てた筈なんだが? 」
「そ、そうよ。こ、これはあなたの物よ。ゴミ箱に捨てる所見たから漁ったのよ 」
「な、何でそんなことを 」
「だ、だって....如月くんの匂いがびっしり付いてると思ったからよ 」
「マジかよ 」
俺は流石にドン引きしていた。ここまでやるとは正真正銘の変態ではないか。天空寺さん好きの男子が聞けば発狂するであろう。
「仕方ないじゃない。どうしても嗅ぎたいからっ 」
天空寺さんとは幾度か一緒に居てみたが未だに匂いフェチについては全く理解できない。
そんなことを思っていると今度は俺の解答用紙が置かれていること気づいた。
「ちょっと、これって俺の返却されたけど捨てたテスト用紙だよな? 」
「そ、そうよ。それも捨てたのを拾って....」
天空寺さんは二つも俺にバレてしまい流石に恥ずかしそうにしていた。
「ここまでとは 」
「は、恥ずかしいわ 」
「匂いフェチというか変態 」
「ち、違うわっ!! 決して変態なんかではないわよ 」
天空寺さんは顔を真っ赤にして俺の肩や背中をバシバシ叩く。マッサージに丁度良いぐらいの力で全く痛くないが何度も叩かれると段々嫌になってくる。
「わ、分かった。変態ではないんだよな。分かったから 」
「分かれば良いのよ。私は匂いフェチであって変態ではないわよ 」
「うん 」
匂いフェチを通り越して変態だと思うがこれ以上は何も言わないことにした。
もう何もないと思いながら最後に机をもう一度見ると今度は匂いノートと書かれたノートを見つけてしてしまった。
手に取って開こうとしたが天空寺さんがそれを止める。
「こ、これだけはやめなさいっ!! 人のプライバシーを覗くなんて最低よ? 」
「じゃあいつもより一分多く匂いを嗅がせてあげるから見ていい? 」
「そ、それなら....いいわよ 」
天空寺さんの慌てつつ険しい顔がゆっくりと緩むのを俺はしっかりと見ていた。
天空寺さんから許可が降りたので俺はノートを開いて読み始めた。
ノートには日付と"如月くんの匂いノルマ達成"と至る所に書かれていた。
「これはなに? 」
「こ、これは、あれよ。匂いノルマ達成した日を毎日メモしているのよ 」
「へー 」
「少し頼みがあるんだけどいいわよね? 」
「なんだ? 」
「私の今後の野望としては部屋に如月くんの体操服を飾っていつでも匂いを嗅ぐことができるようにしたいのよ 」
「あーー。それは断る 」
悪いが天空寺さんの頼みを聞くことはできない。
俺が断ると天空寺さんは悔しそうな顔を見せる。
「体操服貰えないなら....今日は如月くんの匂いを一杯嗅がせてもらうわよっ!! 」
天空寺さんは俺の胸に飛び込み強く抱きしめるとそのままベッドの上に俺を押し倒す。
そして顔を胸に埋めて右へ左へ振りながら匂いを嗅いでいく。
「くんっ....くんっくんっ....如月くんの匂いをっ....一杯嗅がせてもらうわよっ!! 」
天空寺さんは今日も匂いノルマを達成した。




