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(^ω^)【ようです】のようです

(^ω^)【酔っ払って宇宙船を爆発させた話】のようです

作者: 日曜日夕
掲載日:2020/04/08



 西暦2201年、正月。



 世間は23世紀の始まりを祝い、老若男女問わず浮かれぽんちになっていた。



 そして、その浮ついた雰囲気は、地球を遠く離れた、宇宙にも伝播していた。



──太陽系探査宇宙船“いろぐろ”、船内和室(こたつ付)



(^ω^)「あけまして、おめでとーッ!!」



  ('A`)「おめでとー!!」



(・∀・)「おめでとー!!」



 宇宙飛行士の三人は祝杯をあげると、ビールで満ちたジョッキを一気に空にした。



 ※科学技術の発展により、船内も地球と同じような感じで動けます。



(^ω^)「っかぁ~~!!この一杯の為に生きてる!!」



  ('A`)「いやぁ、なんとか年越せてよかったな」



(・∀・)「年末は大変だったからね。宇宙船に穴があいたり」



  ('A`)「水属性スライム型エイリアンが宇宙船に侵入してきたり」



(^ω^)「火星でじゃがいも育てたり」



(・∀・)「まぁでも、こんな大変な任務も、今年で終わりだと、なんか感慨深いなぁ」



  ('A`)「そうだな。後は地球に帰るだけだし。のんびり行こうぜ」



(^ω^)「なぁ、お前ら。地球に帰ったら、何がしたい?」



  ('A`)「そりゃあ俺は、たんまりと報酬が出るし……なぁ?」



(・∀・)「俺は田舎に帰って家を建てようかな。それで悠々自適に暮らすわ」



  ('A`)「えぇ~!?報酬100億円だぜ!?遊ぶだろ普通!!」



  ('A`)「酒・女・カジノ。どれだけ使っても無くならねぇぞ!?」



(^ω^)「いやいや、コイツは真面目だからな。なぁ?親にも家を建ててやるんだろ?」



(・∀・)「は?俺が稼いだ金だぞ。誰にも渡さん」



(^ω^)「流石!元国税局員、がめついねぇ」



  ('A`)「お前はどうすんだよ。金が入ったら」



(^ω^)「水道からコーラが出る家に住むわ」



(・∀・)「馬鹿なの?」



(^ω^)「夢があると言え」



  ('A`)「そんなのが夢で良いのかお前は。あんだろ他に」



(^ω^)「だって俺の夢、子供の頃から宇宙飛行士だし……」



(・∀・)「あらやだロマンチック」



(^ω^)「その夢が20年の時を経て今ッ、有終の美を飾ろうとしているんだ!!」



(・∀・)「やべぇ!!今コイツ最強にロマンチックだでよオイコラボケカス!!」



  ('A`)「何がそんなにお前の心を動かしたんだよ」



(・∀・)「素敵やん?」



  ('A`)「いや、子供の頃からの夢が叶うって良いことだとは思うよ?宇宙兄弟みたい」



(^ω^)「いや、俺一人っ子なんだけど」



  ('A`)「だからなんだよ。知らねぇよ」



(・∀・)「こうしちゃいられねぇ!花火あげようぜ花火!!」



  ('A`)「馬鹿かお前は」



(・∀・)「ああ、俺は馬鹿だよ。一人の馬鹿の夢の情熱に当てられちまった……な」



(^ω^)「さり気なく俺も馬鹿にいれんな馬鹿」



(^ω^)「でも花火あげることには賛成ッ!!」



  ('A`)「馬鹿ばっかだなオイ……って!気づいたら空き缶多ッ!!」



  ('A`)「お前らどんだけ酒飲んだ!?」



(・∀・)「軽く6本」



(^ω^)「今日は少なめ8本」



  ('A`)「チクショウ!酔っ払いしかいねぇ!」



(・∀・)「まぁこれで多数決により花火決定~!!」



  ('A`)「民主主義の敗北」



(^ω^)「取り出したるは、アさて、さて、さてはロケット花火!!」



  ('A`)「準備良いな!どっから出した!」



(^ω^)「こんな事もあろうかと、地球からの補給物資として頼んでおいた」



  ('A`)「よく検査通ったな!火薬なのに!」



(・∀・)「んなモン。世の中、金つかませりゃ何でもできんだよ」



(^ω^)「よッ!流石元国税局員!言葉の重みが違うね!」



  ('A`)「お前そんなんだからクビになったんじゃねぇの?」



(・∀・)「過去のことは振り向かないぜッ、なぜなら俺達は今を生きる男!!」



(^ω^)「新世紀の幕開けを花火で彩ってやるぜッ!!」



  ('A`)「言うほどロケット花火で彩れるか?」



(^ω^)「うるせぇッ!細かいことはほっとけ!それでも宇宙飛行士か!!」



  ('A`)「宇宙飛行士こそだろ」



(・∀・)「ロケット花火発射ッ!!」



  ('A`)「うわッ!あぶなッ!ホントに打つな馬鹿!!」



(^ω^)「第二弾、発射ッ!!」



  ('A`)「だから、船内で打つなってんだよ!!」



(・∀・)「は?宇宙空間で花火なんて燃えるわけ無いじゃん」



(^ω^)「お前本当に宇宙飛行士か?」



  ('A`)「花火をするなって話に決まってんだろ、脳みそ酒粕で出来てんのかお前」



(・∀・)「あッ!やべぇ!ロケット花火の火がコタツに引火したぞ!」



(^ω^)「あッ!襖にもだ!やべぇ!!」



  ('A`)「バカヤロォォォォッ!!消火器もってこい!!」



 しかし、炎はあっという間に和室全体を包み込み、さらに、宇宙船全体に広がった!



 成すすべのない三人は急いで宇宙船の操縦室まで避難、宇宙服を着て最悪の事態に備えた!



(・∀・)「おい、どうするよ?コレ、どうするよ!?俺、どうなるの!?」



(^ω^)「まてまてまてまて、ままままままだ慌ててててる時間じゃなななない」



  ('A`)「落ち着けカスども」



(・∀・)「はい」



(^ω^)「はい」



  ('A`)「俺に策がある」



(・∀・)「それは如何なる!?」



  ('A`)「ここに、水属性スライム型エイリアンの干物がある」



(^ω^)「あ!それは年末に俺たちと死闘を繰り広げた末、干物にして体中の水分を抜くという才気煥発な発想で勝利をおさめることが出来た水属性スライム型エイリアンじゃないか!」



(・∀・)「どこに在るのかと思ったら!」



  ('A`)「地球に帰ったらメディアに高く売りつけようと思ってな」



(・∀・)「しかし、そんなモノをどう使うんだ!!」



  ('A`)「そして、ここに大量のじゃがいも(約100キロ)がある」



(^ω^)「あ!それは火星に不時着した時に、宇宙船が直るまであまりにも暇だから栽培していたじゃがいも!」



(・∀・)「お前、あの時じゃがいもの栽培にハマって、宇宙船の修理全く手伝わなかったよな」



(^ω^)「いいじゃん、毎日フライドポテト食えたし」



  ('A`)「いいわけねぇだろ。おかげで5キロ太ったわ」



(・∀・)「しかし、そんな物をどう使うんだ!?」



  ('A`)「じゃがいものパラドックスって知っているか?」



(^ω^)「知らん!!」



(・∀・)「何だそのふざけた名前のパラドックスは!ナメてんのか!!」



  ('A`)「うっせぇバーカ!!つまり野菜には水分がめっちゃ含まれてんだよ!!」



(^ω^)「なら最初からそう言えや!!」



  ('A`)「カッコつけたかったんだよ!!かっこいいじゃんなんかそういう感じの!!」



(・∀・)「分かる」



(^ω^)「分かるけど今ココでやることじゃねぇだろ!!」



  ('A`)「こんな状況だからこそやるんだよ!!」



(・∀・)「分かる」



(^ω^)「分かったから、じゃあ、じゃがいもの水分で何ができるんだよ!」



  ('A`)「いいか?先ずはじゃがいもを炎の中に放り込む……そうすると、どうなる?」



(・∀・)「焼ける!!」



(^ω^)「!!じゃがいもが焼けると、その中に含まれる水分が、蒸発する……ッ!?」



  ('A`)「そうだ!!じゃがいもの水分量は約80%。つまり、80リットルの水が生まれるッ!!」



  ('A`)「そして、ここで水属性スライム型エイリアンの干物を火に近づける……するとどうなる?」



(・∀・)「焼ける!?」



(^ω^)「違う!!乾眠状態になっただけで、奴は未だ生きている!そして火の中で、奴は必死に水分を求める……ッ!!」



(^ω^)「はッ!"在る”ぞ!!奴が求めている水分は、じゃがいもから発生した"水蒸気"だァッ!!!」



  ('A`)「出でよ!!水属性スライム型エイリアン!!」



 じゃがいもの水分を吸って蘇った水属性スライム型エイリアン。



 彼は、自らの水分を奪わんとする"炎"を敵と認識し、それに対し放水攻撃を仕掛けた!!



(・∀・)「うぉぉッ!!いけぇスライム!!炎を鎮めろ!!」



(^ω^)「すげぇ!操縦室まで延びていた火がどんどん鎮火していく!!」



  ('A`)「見たか!これが俺の作戦よぉ!!」



(・∀・)「でも、あのスライムはどうするつもりだ!?」



  ('A`)「抜かりない。この前隕石に衝突して開いた穴、塞いであったが、それをまた開けておいた」



(^ω^)「何?するとどうなる!?」



  ('A`)「奴は開いた穴から勝手に宇宙空間に出ていくだろう!」



(・∀・)「こいつ天才かよ」



(^ω^)「これが宇宙飛行士の"計"という奴か」



(・∀・)「あれ?でも宇宙船に穴が開いてるってことは、宇宙船壊れるんじゃね?」



  ('A`)「あ」



(^ω^)「策士策に溺れるとはこのこと」



 その時、宇宙船のシステム音声が船内に響いた。



【緊急事態発生・緊急事態発生。船体後方部にて大規模な損傷アリ】



(・∀・)「ほらやっぱり!やべぇじゃん!!」



(^ω^)「この船には馬鹿しかいねぇじゃん!」



  ('A`)「あ、お前遂に認めたな」



【5秒後に爆発します】



(・∀・)「は?なんで?」



(^ω^)「猶予短くない?」



  ('A`)「何が出来んだよ5秒で」




 そうして、宇宙船は大きな光に包まれ──



 爆発。





──地球





(*゜ー゜)「あっ!お母さん!お空で何か光ったよ!!」



(゜ー゜)「あら、花火かしら?」






        ◇





──宇宙空間。金星付近



(・∀・)「いやーまさか助かるとは……」



(^ω^)「スライムの内部に入ることで爆発の衝撃を和らげ、なおかつスライムの神経組織を操り、そのまま宇宙遊泳を可能にするとは……これも宇宙飛行士だからこそできた芸当ですね」



  ('A`)「問題はどうやって地球に帰るかだな」



(・∀・)「つーか食べ物もなにもないんだけど」



(^ω^)「じゃがいもがあるから大丈夫だって」



 奇跡的に爆発を生き延びた三人。



 しかし、彼らは未だ、任務失敗と宇宙船破壊の罰で100億円の請求がされることを知らない。


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