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名を無き戦争  作者: マイロク
1/1

始まりの名

目を開くと見知らぬ場所に仰向けで寝ていた

そこは透き通るような白い壁と床で覆われておる部屋だった。

照明のようなものは一切無いのに妙に明るい。

この空間に出入りできるような入り口はなくただ部屋の中心に一台のモニターがあるだけだ

一通りこの部屋を見た僕は何もすることがないのでモニターの前で座ることにした


しばらくするとモニターに映像が映し出された

そこには「あなたは戦争の参加者に選ばれました」と表示された

驚いたが不思議と声は出なかった というよりも出せなかった

何故か目覚めてから一言も喋れない 二つの疑問と不安で若干パニックになった

そしてモニターに画像が映し出されてから少し経ったあと

天井の一部が開いて 中からスピーカーが出てきた

そして機械音声によるアナウンスが開始した

「今から 戦争 を始めます 心の準備はよろしいでしょうか」

いきなり言い放った言葉に驚愕した (戦争…!? 本当にするのか…? 誰と…?)

次々と出てくる疑問を質問したかったが未だに声が出せない

「ルールは以下の通りです」また機械音声が話す

そして画面にルールが表示された


1 勝敗条件について

勝利条件 最後の一人になる 敗北条件 自身のヒットポイントが0になる

2 制限時間

無制限

3 参加人数

自分を含めた50人

4 武器について

ご自身の名前を基にした武器が配布される 同時に所持できるのは四つまで (例外あり)

5 他プレイヤーについて

このゲームでは全員敵の扱いとなる 敵プレイヤーは武器でヒットポイントを削ることが出来る

6 他プレイヤーの武器について

他プレイヤーを殺害した場合 そのプレイヤーの武器を同時に一つまで使用することができる

この方法で入手した武器は武器制限数にカウントされることは無い

7 その他持ち物について

各プレイヤーには食料、水、携帯救急キット一セット、フィールドマップ、ナイフが配布される

8 フィールドマップについて

右上に生存人数 自身の現在位置、ヒットポイント、自身の武器一覧が表示できる

(3分おきに情報が更新される)

ゲーム開始から10分経過すると全プレイヤーの所在地が一斉送信される (プレイヤー名は確認できない)

一回目の送信から10分おきに再送信される

9 レッドタイムについて

一番最後に行われた殺害から一定時間再び殺害が起きない場合 レッドタイムが始まる

ランダムに条件が設定され、マップに表示される

この条件をクリア出来なかったプレイヤーを抽選で一人強制的に殺害する

10 勝利時の報酬について

このゲームに勝利した場合 如何なることも実現させることを約束する


こんなことが書いてあった

俺に驚きよりも不安が先に襲った (殺害…!? 武器…!? なにを言ってるんだ…!)

すぐさまこのゲームの運営者に抗議しに行きたい けれど声が出せない

俺が葛藤していると 天井の一部が開き一枚のパネルと様々な形をしたアイテムそしてリュックサックが落ちてきた

急いで落ちてきたものを確認した

パネルの左側面に付いていたボタンを押したら画面にマップのような画像が表示された

どうやらフィールドマップのようだ

リュックサックの中には水が入ったペットボトル2本とかなりの量の食料 ナイフと医療キットが入っていた

そしてこの様々な形をした物体 4つあった

(確か 名前に関係した武器が手に入るとか書いてあったな… もしかしてこれか…?)

確かにそこにあった武器は俺の名前 石巻 純太 の漢字を連想させるアイテムがあった

(これは…石だな そして巻物…? あとはすっごい綺麗な正方形の形をしたやつと 太い棒…)

(確かに俺の名前に関連するものばっかりだ…これで戦えと…? 無茶苦茶すぎる…)

こうして配布されたアイテムを確認し終わったタイミングで再びアナウンスがかかった

「全プレイヤーの準備が整いましたようなので3分後に戦争を開始したいと思います」

「全プレイヤーはフィールドに解き放たれ 各プレイヤー間の初期位置は等間隔となっており最短でも他プレイヤーと遭遇するには6分かかります」

「またルールはマップから確認いただけます 今一度確認してみてはいかがでしょうか」

そういうと画面に表示されたカウントダウンが動き出す


(戦争かなんだか知らないけど俺は絶対に人を殺さないからな…)


カウントがゼロになる

視界が一瞬で暗転し、その次の瞬間にはまた見知らぬ大地に放り出されていた

「なっ…一瞬で移動した…! どうやってやったんだ!?」

「って喋れてる… なんでだ…?」

一度に驚くことが起こりすぎて若干パニックになったがすぐに落ち着いた

「とりあえず落ち着け…パニックになるのが一番ダメだ… 冷静に…冷静に…」

落ち着いた俺はリュックサックの中のパンをかじった

中には武器も入っていた

「ふぅ…まず他の参加者とやらを探しに行くか…一応マップと武器も装備しておこう」

そうしてマップを持ち、太い棒を腰に引っ掛けて移動することにした

マップをみて何があるかを確認した

「俺は今…マップの左下の方にいるみたいだな… 近くには山があるみたいだ…そこへ行ってみるか」

ふとマップの右上を見てみると 人数が49人になっていた

「まだ5分も経ってないぞ もう 殺した奴がいるのか…!」

その事実に俺は絶句し、悲しんだ とにかく山を目指して歩いた 憎みながら


こうして移動を始めて約十分、位置情報が一斉に送信された

「位置情報が送信されたか…えっと俺の近くにいるプレイヤーは…居た! この人と一旦合流してみるか!」

その人は自分と同じ山のちょうど反対側に居た どうやら動いてないらしく 簡単に発見することができた

「おーい! そこの人ー! ちょっとお話ししませんかー!?」

その人は驚いた様子でこちらに振り向いた

「いまそっち行きますねー! 」

お互いの顔が視認できるぐらいの距離まで近づくとその人は逃げようとしたので追いかけることにした

「ちょ…なんで逃げるんですかっ」

どうやら自分の方が足が速いので楽々追いつくことに成功し 話をすることができた

「うわぁぁー殺されるんだぁ やだぁー!」その人がそう叫ぶ

「ちょっと待ってくだいよ! 殺す気なんてありませんから!」

「だってっ…武器持ってるじゃ無いですか! やっぱり殺す気なんでしょ!」

「違っこれは護身用として持ってるんだよ! とにかく話を聞いて! でなければ本当に殺すよ!」

「はっはいぃ…」

話がようやく通じた (話すだけでこんなに時間かかるとは思わなかった…)

よくみると年齢がl同じぐらいの細身の男性だということがわかった

「とりあえず落ち着け 俺 石巻純太っていうんだけど お前の名前は?」

「長谷川 大地です… 」

「わかった よろしくな大地 」

「よろしくお願いします…」

「で 大地 これから仲間を探そうと思うんだが一緒に行かないか そっちの方が安全だろ 」

「でも…ルールには他プレイヤーは全員敵って書いてあるし…」

「大丈夫だって! チームを組むことは禁止されてないし 」

「そうかなぁ…不安だな でも安全だよな… 」

「そうだ 安全だぞ」

「じゃあ一緒に行きます…」

「よし! 仲間が増えたっ! じゃあ改めてよろしく!」

「よろしくお願いします…」

俺の熱弁が通じたのだろうか 仲間にすることが出来た


その後一緒にご飯を食べ 位置情報の送信を待った

その間少し大地と雑談をした


「大地さぁ お前 何者?」

「えっ いきなりなんですか!? 何者って抽象的な…」

「いいから答えろよ 」

「えぇ… 何者って…答えづらいな… えっと確か何か勉強してた気がします…」

「もうちょっと具体的に」

「具体的にって言われても…薄っすらとしか覚えてないんですよね…」

「薄っすらってw 大丈夫か?w」

「そういう 石巻さんは何者なんですか?」

「何者ねえ… 」

そう聞かれると自分も以前なにをしていたのかが詳細に思い出せない

必死に思い出そうとするが あと少しというところで思い出せない

「うーん 何者なんだ…? 」

「ほーらw 石巻さんもわからないじゃ無いですか!」

「こいつw 最初は結構ビビりだったくせに意外と痛いところついてくるじゃねえかw」

「あはははw」


そんな話をしているともうすぐ位置情報発信の時間になっていた

「よーし 確認しなきゃな… 」

こうしてマップを確認していると複数の点が集中している箇所がいくつかあった

「やっぱり 他の参加者も俺らみたいに集団が形成されてるみたいだな 」

「そうですね どこ行きましょうか…」

「やっぱり一番近い この集団にするか 人数も多めだし 」

俺らはこの山から少し北東の方角にいる4人組のところへ向かうことにした

生存プレイヤーは37人となっていた

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