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女のコは生きている。

私のために

作者: 誣妄 姫子


あなたが好きだったから

私もそれが好きだった


あなたが嫌いだったから

私もそれが嫌いだった


あなたが興味無いものに

私だって興味はないし


あなたに嫌われるひとに

私はなりたくなかった


でも、違ったみたい


あなたが欲しいものは私ではないし

私が受けていたのはあなたじゃなかった


欲しいもの?私はあったよ

あなたしか持っていなかったから

君からしか貰えなかったから


でもさ、君は

沢山持ってたのにさ

私にはひと口もくれなかったよね


あの子にはあげたくせに


それが何より気持ち悪くて

君を見るだけで、吐き気がした


だってさ、私のものには

なりたくないんでしょ?


あはっ。知ってる。


私が笑えば

君もわらって


私が泣けば

君もないて


私が寝れば

君もねて


君の部屋は

やっぱり、遠くて

いつも、汚くて

毎日のように、ほかの女が居て


君の「おかえり」を

聞くだけのために君の家に帰るのに


叫びたかったな

蹴りを入れて「気持ち悪い」って

ほかの女に触るなって


だって、私がいるんだよ

こんなに完璧なのに

そうやって生きてきたのに


ぐちゃぐちゃになった私が

「酷い」って言っても

君は「ハテナ」で返すんだろう

そういうとこなの。


いつの間にか部屋で1人

酒のつまみに君の体温を

たまには戻れないくらいに潰れなきゃ

君に振り向いてもらえないから


楽しくなくなって

可愛くなくなって

可哀想だったって

見てられないんだって


君に忘れられないほどの

夢を残して


一言聞ければ

それでよかった


「君がよかった」


そう言ってくれたら

もう、心残りはないはず


また、新しく

はじめていけばいい


まあ、私自体は

なんにも、新しくはないんだけど


君にだってちゃんと

傷がなきゃ

不公平じゃんか


私はその傷

大好きだけどな

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