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綾瀬さんとの買い出し

 「早く着きすぎてしまった」

 待ち合わせ場所についてから時間を確認する。まだ待ち合わせの時間まで1時間はあるよ……。時間的に余裕をもって家を出た、というか緊張でいてもたってもいられなくなったので早めについてしまった。

 どこかで時間をつぶそうかなと考えているとスマホがメールの着信を知らせた。確認してみると差出人は茅野さんからだった。

 『ごめん、ひいくん。武人が風邪ひいちゃって看病しなきゃいけなくなっちゃった。だから買い出しは千里ちゃんと二人でお願いしていい?』

 武人とは茅野さんの弟だ。現在小学生、茅野さんに似て彼ものんびりした性格の持ち主だ。風邪か、大変だな。おばさんもおじさんも今日はいないのかな?

 『気にしないでいいよ。買うもののリストを教えてくれる?』

 茅野さんがいないので観測会に必要なものがわからない。リストをもらっておけば彼女がいなくても大丈夫だろう。

 『とりあえず、カイロはほしいかな。この時期だと寒いからね。あとはお菓子! みんなでつまめるものがいいなー』

 『カイロとお菓子ね、了解。他にはない?』

 『他の物は部室にあるから大丈夫だよー。だからあとの時間は千里ちゃんとのデートを楽しんでね』

 デート? デート、うん。確かに綾瀬さんと二人きりの状況はデートと言えなくもないだろう。ん? え、えええええええ、綾瀬さんとデート?! まずいどうしよう、デートプランなんて考えてないよ!そもそも今日は天文部の買い出しだからそんな心構えはできていない。

 「デートってどこに行くんだろう……?」

 やっぱり映画とかだろうか。今上映してる映画なんて調べてないよ! そうだ、僕の手元には文明の利器スマホがあるじゃないか、これで色々と調べれば……。

 「あら、桐ケ谷君、早いのね」

 名前を呼ばれた方へ振り返る。そこには綾瀬さんが立っていた。はい、終了。僕の下調べの時間はなくなりました。

 「綾瀬さんこそ早いね」

 「部活の買い出しなんて初めてだから、ワクワクして早く来てしまったの」

 綾瀬さんははにかみながら言う。見たところ制服のようだが、学校に行っていたのかな?

 「制服なんだね。学校に何か用事でもあったの?」

 「明日提出する課題を学校に忘れてしまったの。それで、学校に行ってから来たから制服なのよ」

 綾瀬さんの私服を見れないのは残念だけど。それなら仕方ない。おっと、そうだった。茅野さんが来れなくなったことを伝えなくては。

 「茅野さんは急な用事が入って来れなくなっちゃったんだ」

 「そうなの。困ったわね、これじゃあ買うものがわからないわ」

 「それなら心配ないよ。さっき買い物リストはもらったから。とりあえず、カイロとお菓子だって」

 「それなら安心ね。行きましょうか」

 綾瀬さんとともにショッピングモールへと向かい歩き出した。



 「これで買い出しは終了かな?」

 手に持っているビニール袋の中身を確認する。カイロにお菓子が数種類、スナック菓子からチョコ類などバランスをとったつもりだ。

 「じゃあ、このあとどうしようか?」

 ある意味の本題に入る。ここから先は完璧な自由時間だ。どうか綾瀬さんと一緒に過ごせますように! 心の中で祈る。

 「荷物もあることだし解散しましょうか」

 はい、そんな都合よくいきませんよね。わかってたよ、さすがにビニール袋持ちながらどこかに遊びに行くなんてないと思ってたよ。さようなら僕の淡い希望……。

 「そうだね。じゃあ荷物は僕の家に置いといていいかな?」

 とりあえず荷物を置く場所を考える。綾瀬さんに持たせるわけにもいかないし、ここからなら僕の家のほうが近いはずだ。

 「悪いけどお願いできる? あ、そうだ」

 綾瀬さんが何か思いついたような顔をする。なんだろう、買い忘れたものでもあるのかな?

 「解散しようって言っておいてって思うかもしれないけど」

 綾瀬さんは前置きをしてから次の言葉を紡いだ。

 「よかったら今から桐ケ谷君の家に行ってもいいかしら?」

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