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(エピローグ)

これにて完結です!

    (エピローグ)


「最近恵美が妙に元気じゃないか? 」



 フォルネリア・マルコエミの調理場奥にある休憩スペースでテレビを流し見しながら、丸子恵美の母と父が愛娘の近況を話のネタにコーヒーを啜っている。



「そうねぇ、ちょっと前までへこんでたみたいだったのに……まぁ、いいんじゃない? あの娘が笑顔でいてくれれば、それが一番なんだから」



「……ま、そうだな。イタリアじゃ大変な目にあってたからな……旦那が小麦粉の倉庫で……ええと、なんだっけ? 」



「粉塵爆発よ」



「そう、それだ。それに巻き込まれて死んじまうんだもんな……本当についてねぇよ」



「あなた、もうその話はやめましょう。私も前についつい言っちゃったんだけどね……禁句よ」



「悪い悪い……お、ちょっとテレビの音大きくしてくれねぇか? 」



「はいはい」




『……先月より行方不明になっていた中学生の「相沢信也」君が昨日、遺体となって発見されました。発見したのは町内の小学生数人。周訪鳴山の林の中に放置された廃屋を探索しいていたところ、相沢信也くんの遺体を偶然見つけたとのことです。相沢くんは椅子にロープで固定された状態で首筋を刃物で切断されて血塗れになっていたとのことで、殺人事件として双葉警察署は操作を続けています。さらに署の発表によりますと、遺体の胃の中には大量のハチミツが検出され、食道がひどく焼けただれていた痕跡があることから、おそらく被害者は生きた状態で熱したハチミツを口の中に流し込まれるという猟期的な行為を受けていた可能性があるとのことです……』

 



「なんちゅうことを……」



「この前も同じ中学生が行方不明になってね、まだ見つかってないのよ、怖いわねぇ……」



「恵美にも気をつけてもらわんとなぁ……」



「そうねぇ……あの娘って昔から不運を呼び寄せる体質だからねぇ……」




 夫婦はこの町の不気味な影に不安を抱くも、店の会計カウンターにて常連客の少年と楽しそうに談笑している愛娘の姿を見て、そんな危惧はコーヒーに入れた砂糖のようにフっと消えてしまった。




最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

気が向いたらシリーズモノとして次回作も書いてみます。

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