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超弩級超重ゴーレム戦艦 ヒューガ  作者: 藤 まもる
第5章 レムノス島開発編
54/75

第44話「魔王様、魔法ドカタになる」

 おっぱいやマリベルと戯れている間に9月1日になったよ。


 いよいよレムノス島第1期開発が開始される。

 計画では今年の末までに、第2期開発まで完了させる予定だ。

 予定通り行くのかねぇ。


 まずは俺のステータス強化からだ。

 現在のところ、竜騎を倒したおかげでスキルポイントは110ポイントもある。

 生産に役立つ魔法を中心にスキルレベルを上げていこうと思う。


 まず鍛冶魔法レベル4、土木魔法レベル4をレベル5にアップ。

 これで両方最大レベルだ。

 スキルポイントがごっそり80ポイントも減った。


 残った30ポイントは風雷魔法につぎ込む。

 これで風雷魔法はレベル3に上昇した。

 これが現在の俺のステータス。




名前 ソールヴァルド・ローズブローク・カリオン

種族 ヴァイキング

職業 魔王


レベル41


ヴァイタル 623/623


スキルポイント 0P


特殊種族スキル 【魔王レベル4】

特殊種族魔法  【ルーン魔法レベル3】


スキル(11/20)

【特殊剣術レベル4】【盾術レベル2】【身体強化レベル3】

【投擲槍レベル2】【短剣術レベル1】


【闘牛士レベル2】【一撃刺殺レベル2】


【鍛冶魔法レベル5】【土木魔法レベル5】

【風雷魔法レベル3】


【魔法陣作成レベル2】




 さて、まずレムノス島第1期開発計画だが、まずは200名程度が住むことができる開拓村を建設する。

 一時的に住むのは、開拓局本部、総合ギルド、冒険者、探索者、警備兵だ。

 この開拓村には、資材、木材を保管できる倉庫を沢山建てる。


 つまり、次の第2期開発計画で作る「魔王国首都ヴァルドロード」を作るための拠点となるのだ。

 婚約者達と話し合った時には、魔王国の名前を「ソールヴァルド」にしようと皆が主張したのだが、自分の名前を使用するのに俺は気恥ずかしさを感じたため、ヴァルドロードで妥協してもらった経緯がある。



 それで、開拓村建設と同時期に、簡易桟橋を作ってカッター艇の着岸を容易にするとともに、牧場も作って家畜や馬を育てる環境も整える。

 これが第1期開発計画の概要だ。


 ということで、俺は作業員確保のため、召喚の間にいって作業用上級スケルトン4体 作業用スケルトン40体、作業用ゴーレム2体を召喚した。

 これに俺が加わって、開発実働部隊として動く。


 所属は魔王近衛局庶務課であり、俺が庶務課長だ。まあこんな肩書きはどうでもいい。

 これに護衛のディータとスケルトン兵、魔獣駆除に冒険者2パーティー、探索者1パーティーで開拓チームとなる。


 冒険者2パーティーは「鋼鉄サークル」「炎熱の戦斧」、探索者パーティーは「闘牛武具専門店マタドーラ ガルデル会」だ。

 まだトイレの確保ができないので、男限定のパーティーが魔獣駆除を行なうことになる。



 というわけで、いざレムノス島に向かって出発。

 俺とディータ、冒険者2パーティー、探索者1パーティーでカッター艇4隻。

 作業スケルトン44体、作業用ゴーレム2体でカッター艇2隻に乗る。


 作業用スケルトンは、折り重なった死体のごとくカッター艇の上に積載されている。

 うわー、怖えー。

 人間じゃぜったい真似できない乗り方だわ。



 まだ残暑が残る潮風の中を、6隻のカッター艇がレムノス大河に向かって突き進む。

 40分ほどでレムノス島に到着、俺達はレムノス大河北側の砂浜にカッター艇を着岸させて上陸するつもりだ。

 「鋼鉄サークル」リーダーの人間族の戦士、ビバル・メストレス・モレノがこちらに叫ぶ。


「魔王様、俺達が先行します。ここは南と違い人の手が入ってない土地だ。上がった瞬間に魔獣に攻撃される危険があります!」


「分かりました!」


 冒険者、探索者はカッター艇で砂浜に乗り上げ、そのまま抜剣して上陸し、奥地に走っていく。


「来たぞ! 冒険者前衛、遊撃はガルデルさん。頼んだ!」


「おうよ!」


 早っ、もうエンカウントかよ。

 俺達が砂浜に着岸した時には、もう戦闘が開始されていた。

 敵勢力はオーク6匹、アーマーオーク2匹、ゴブリン12匹だ。


 まずガルデル会が、矢と魔法の斉射を放ち、そこに冒険者達が突っ込んでいく。瞬く間にゴブリン、オークが壊滅、アーマーオークをタコ殴りにして沈めた。

 しかしビバルさんの「全周警戒!」の声で、剣を構えた戦士たちが周囲を警戒する。


「あの森が怪しいな、てっ、やっぱりか。雑魚どもが!!」


 ビバルさんが剣を向け、北の森が怪しい。と指摘した途端に、森から魔獣が雄たけびを上げながら走ってきた。

 ゴブリン30匹にボス級ゴブリン10匹、さらに後ろからビッグワームが出現した。

 が、距離があるのでここに到着するのに5分はかかるだろう。

 

 しかし魔獣ってアホなんだな。

 ここらへん一帯は平原で、遮蔽物は何もないのに、ただ突っ込んでくるだけとは。


「矢、魔法で先制。ゴブリンが先だ。虫は遅いから後でいい!!」


 再び激しい戦闘が開始される。

 まあ、あの分ならこっちが楽勝で勝てるだろう。

 俺はとっとと開発を開始しよう。





    超弩級超重ゴーレム戦艦ヒューガ

   ⇒第5章 レムノス島開発編





「ディータ、しっかり俺を守れよ」


「ハッ、我が命に代えて!」


 俺達は川沿いの内陸に少し入った所で足を止める。

 ここが開拓村建設予定地だ。

 まずはともあれ、トイレを作るのが先だ。


 俺はまず石と草をイメージして土木魔法「沈下」をかける。

 これで地面の石と草をどんどん下に沈める。

 それから土木魔法「地中探査」で地中の様子を見る。

 地面付近の石がすべて沈下したのを確認した。


 次は土木魔法「整地」で、トイレ設置予定の地面をどんどん平らにしていく。

 そんな事をしているうちに、魔獣との戦闘が終わったようだ。

 冒険者達はドロップ品を拾っていた。



 俺は地球の現場監督よろしく、トイレ建築予定場所に、木の杭4本を木槌で打ち込んで、間に四角形に糸を張って設置位置を示した。

 それから近くの地面を土木魔法「掘削」で掘り返し、掘った土を用意した木枠に入れて四角く整形し、土木魔法「石化」をかけて石ブロックに変えた。

 俺は均一な石のブロックをひたすら作る。


 それをスケルトン達が運んで、トイレ設置箇所に積み上げて、トイレの壁を作るのだ。

 石の間には目地材として泥を塗って積みあげる。

 この泥には後で、土木魔法「硬化」をかけて、ある程度硬くする。

 それで頑丈な壁が出来るのだ。



 トイレの壁はそのまま川に飛び出る形で作られる。

 床を長い石のブロックで作って、床中心は穴を開けておく。

 つまりこのトイレはなんちゃって水洗トイレなのだ。


 そのまま穴から汚物は川に落ちて、すぐに海に流される。

 川の流れも速いし、それほど人数もいないので、川が汚染されることはないだろう。

 時折、川に浄化魔法をかければ、清潔な環境は維持できるはず。

 あくまで簡易トイレなので、本格的なのは後で作ることになる。



 床の設置が終わったら、こんどはその上に腰掛ける便座を石で作る。

 座る部分は、鍛冶魔法「ヤスリ」「硬化」「融合」を使って、なめらかにした。

 次は天井、石で作り、その上に三角屋根を作った。

 あとは入り口に、魔王船で作った木の扉をつけて、トイレは完成だ。


 これと同じ工程を5回繰り返す。

 男子トイレ、女子トイレを3つずつ作るのだ。

 夕方までかかって、トイレ6箇所は無事完成した。



 その間、魔獣は10回ほど襲ってきたが、すべて冒険者に撃退された。

 ここにはスケルトン作業員とディータを残し、俺と冒険者は魔王船に帰還する。


 翌日、俺達は再びトイレ前に戻る。

 ディータによれば、夜間の襲撃は1回だけだったようだ。

 どうも魔獣は、生きている者には鋭く反応するが、アンデッドへの反応は鈍いようだ。



 今日も作業を開始しようとした途端、冒険者ビバル・メストレスの大声が響いた。


「魔獣だ。西から来るぞ! 冒険者前へ!」


 またかよ。

 朝っぱらから元気だな魔獣も。

 と、西から魔獣が沢山やって来た。

 俺はその姿を見て絶句した、まさかあれは!


「ホワイトスライムだ! 行くぞ!」


 ホワイトスライムだってぇ!?

 あのモチモチとした感触、つるつるとした質感。あれはどう見ても「白玉団子」だろうが。

 直径1メートルはあるデカイ白玉団子が転がってきて、冒険者の剣や槍で切られる。

 すると、内部のあずき色の内容物が飛び散った。

 あれ、美味そうだな。


「右からスクエアスライムだ。魔法で応戦しろ!」


 スクエアスライム!

 四角い透明感のある、あずき色の物体が地面をはって近寄ってくる。

 ああ、俺には、俺にはあれが自走する巨大羊羹にしか見えない。

 縦に6つに切りたくなってきた。


「気をつけろ! 後続、ブラウン・ジェル・スライムだ!」


 真中に黒い焦げ目がついた白玉団子が、体に茶色いジェルをまとっている。

 はあっ?!

 ブラウン・ジェル・スライムだと、あれはどう見ても巨大な「みたらし団子」だろうが。

 あれを4つ並べて串を通したら完璧だ。


 おかしいぞ、この世界のスライムは、なんで皆和菓子チックなんだろう?

 あれを見て、今俺は猛烈に緑茶が飲みたくなってきた。

 そして短時間の戦闘でスライムは壊滅した。


「ふむ。どうやら北西に食糧迷宮があるようだな……」


 冒険者ビバルは呟く。

 なるほど、あいつらが食糧迷宮の魔獣か、だからって食べ物の形してなくてもいいのに。

 ドロップアイテムは、クッキーとかスポンジケーキみたいなものだった。

 残念、団子が出てくるかと思ったのに。


 中々面白い魔獣だったが、まあいいや。

 さっさと仕事を始めよう。



 今日からはトイレ前の地面、250メートル四方に「沈下」をかけて「整地」していく。

 この整地した所が開拓村となる。3日で整地は終了。

 休日を挟んで、開拓村の壁を作っていく。

 サイズは200m×200m。

 最大200人が住める小さな村にする予定。


 トイレの壁を作るのと同じ要領で壁を作るが、厚さ1m、高さ3mにして魔獣が突っ込んでもいいように頑丈に作る。

 スケルトン達とひたすら壁を作って、6日で村を囲む壁は完成した。


 相変わらず魔獣は襲ってきたが、日が経つごとに回数は減っていく。

 魔獣退治が順調にいってるのだ。

 1人の冒険者がステータスプレートを確認して驚いた。


「あれぇ? 俺レベルが2つも上がってるぞ!」


「ちょっと早過ぎないか? おお、俺もレベルが1上がっている!」


「フフン。分かっていないようだが、それが魔王様の加護なのだ。成長速度がアップして、取得スキルポイントも増加する。魔王様に感謝するのだな」


「マジだ。スキルポイントが8ポイントになってる。凄いな魔王様の加護は!」


 何故だかディータが胸を張って、自慢げに俺のスキルを説明した。

 冒険者は口々に俺に感謝を述べてくる。

 良かった、ちゃんとスキル「魔王軍団」は忠誠を誓った皆に発動しているようだ。



 9月中旬になった。

 俺は川から溝を掘っていき、水路を村の壁内に引き込んだ。

 この水路は飲み水、生活雑水用だ。

 風呂と洗濯にはそのまま使うが、飲料には浄化をかけてから使用する。

 2日で工事は終了。


 翌日には魔王船からドワーフがやってきて、開拓村の門に木の大扉を設置、外部を遮断することが出来るようになった。

 俺は薄い石のブロックを作り、石畳の通路を開拓村に敷設していく。

 石畳は中央通の十字路のみとして、雨水を排水する溝もあわせて作った。

 

 作業は4日で終了。

 あっという間に9月18日だ。

 俺は明日休日なので、魔王船でゆっくりすることにする。




 19日、休日だが俺は第6デッキや召喚の間で仕事をする予定だ。

 休みの日なのに仕事をする。

 俺はいつからこんなに社畜精神溢れる男になったのだろうか?


 まずは第6デッキの木材工房ユニットを2つ追加で召喚した。

 1つ目のユニットでは、開拓村の扉や屋根などの建設資材を作る。

 2つ目のユニットは、開拓村向けの家具を作る。



 次は魔王船の食糧の余裕も出てきたので、メイドさんを召喚することにした。

 やっぱ城や後宮にはメイドさんが必要だからね。

 人数はとりあえず20人召喚しようと思う。


 召喚宝典からメイドさんを選択する。

 むっ、種族はハイオーガなのか……

 あんまりゴツイのは困るが、とりあえず召喚してみる。



 召喚の間が光り輝き、20人のハイオーガのメイドが現れた。

 皆黒髪で、黒を基調としたフレンチメイド型のメイド服を着ている。

 頭にはレース付きのカチューシャを付けていた。

 頭には1本、湾曲した角が生えている。


 ハイオーガなので体格が凄いのかと思ったが、そんなことはなく普通の体型だった。

 しかし身長は高く、平均で160より下はいないようだ。

 どっちかというとモデル体型だな。



 1人だけ、ピンクのメイド服を着ている銀髪のメイドがいる。

 俺が呼び出したメイドマスターなのだろう。

 メイドマスターは俺に話しかける。


「魔王様、召喚していただき、誠にありがとうございます。メイドマスター1名、メイドサーヴァント17名、ナースメイド2名、ただいま参上しました」


「うん。君達には後宮と魔王城のメイド業務を任せる。君の名前はレ・ルーナだ。そう名乗れ」


「魔王様より名を賜り、恐悦至極でございます。忠誠をもってかえさせて頂きます」


 全員を見回したが、みんな美しいね。

 その中でもメイドマスターは飛びぬけてるわ。

 俺は鑑定を使用した。




■メイドマスター


名前 レ・ルーナ

種族 ハイオーガ

職業 メイドマスター


レベル20

ヴァイタル 204/204

スキルポイント 0P

種族スキル 修復


スキル(8/9)


【短剣術レベル3】【格闘レベル3】【身体強化レベル3】

【性技レベル5】

【メイドレベル5】【家事レベル3】【裁縫レベル3】

【指揮レベル3】


――――――――――――


■メイドサーヴァント


名前 メイドサーヴァント1号

種族 ハイオーガ

職業 メイドサーヴァント


レベル10

ヴァイタル 84/84

スキルポイント 0P

種族スキル 修復


スキル(5/9)


【格闘レベル2】【身体強化レベル2】

【メイドレベル3】【家事レベル2】【裁縫レベル2】


――――――――――――


■ナースメイド


名前 ナースメイド1号

種族 ハイオーガ

職業 ナースメイド


レベル12

ヴァイタル 102/102

スキルポイント 0P

種族スキル 修復


スキル(6/9)


【格闘レベル1】【身体強化レベル1】

【メイドレベル1】

【薬師レベル2】

【光闇魔法レベル3】【聖邪魔法レベル4】




 ハイオーガの種族スキルは「修復」だ。

 肉体が怪我を負うと、魔力で修復してしまう。

 当然、魔力がなくなると修復は使用できなくなる。


 メイドサーヴァントは、普通のメイドさんで、ナースメイドは治療に特化したメイドさんだ。

 しかしメイドマスターのスキル、性技レベル5…… だと!?

 どんな凄いスキルなのか想像がつかないな。



 ハッ!

 彼女はこの世界で生まれたばかりだから、つまり男にとって絶対矛盾のレジェンド的存在である「処女だけど床上手」が実現化してしまったというのか!

 なんということだ。

 しかし、婚約者達を怒らせるわけにはいかないので、手が出せないのが残念だ。


 まあそれはともかく、人員はメイドサーヴァント6名、ナースメイド1名を後宮住宅に、メイドサーヴァント11名、ナースメイド1名を魔王城に配置することにした。メイドマスターがメイド全体の管理だ。



 さっそく俺はメイド達をともなって後宮に向かう。

 後宮にはマリベルとソフィアがいた。


「お兄ちゃん。その人達ってメイドさんなの?」


「うわー。メイドさんの服が可愛い~」


 ソフィアはメイドさんを見て、可愛い、可愛いと騒いだ。

 リリアでもナタリアさんとかメイドはいたけど、基本地味な服だからな。

 こんな派手なメイド服は間違っても着ない。


 マリベルはメイドマスターの顔を見て、ジト目で俺を見る。

 な、なんだよ、俺は浮気なんかしてないぞ。

 俺を見ていたマリベルは、何かを思い出したのか、ハッとして話しかける。


「あっ、そうだお兄ちゃん。頼みたいことがあるんだけど」


「なんだよ?」


「私の友達のジュマとヌリアが魔王城で働きたいんだって、何か仕事紹介してくれない?」


「ほう。そうだな…… ああ、いい職場があるぞ!」




「「魔王様、ありがとうございます!」」


 というわけで、ジュマとヌリアの2人には魔王城の受付をやって貰う事にした。

 今まで受付はアンデッドのヴァルターに任せていたが、あいつは外見が怖いから、怖がる人も結構いるのだ。

 それなら可愛い女の子2人にやってもらったほうがいい。


 ヴァルター達アンデッド組は、後ろの警備室に控えてもらう。

 まだ制服は作ってないので、ジュマちゃんもヌリアちゃんも私服だが、服は貿易が終わってから揃えようと思う。




 さて、9月20日、リフレッシュした俺は気合を入れて開拓を再開する。

 開拓村南からレムノス大河の間50mに、敷石を敷いて通路を作る。

 そして川岸に、3日間かけて石のみで桟橋を作った。

 これでカッター艇が10隻ほど容易に着岸できるようになった。


 次は開拓村内部に資材倉庫を作る。

 スピードが重要なので、簡単な平屋構造だ。

 2メートルの高さの壁を作り、建物の壁が完成。

 あとでドワーフが来て、木で屋根を作る予定だ。


 1日に1つずつ資材倉庫の壁を作り、4日で4戸作った。

 休みを挟んで、洗濯場、風呂場を建築。

 その頃にはドワーフが、資材倉庫の屋根を作りに来ていた。


 これで9月は終了。

 あっという間の1ヶ月だったな。



 10月1日。

 総合ギルドの建物を作る。

 開拓村の建物は全て平屋構造にするつもりだ。

 壁は薄いが、おそらくレムノス島は、暖流である超海流の影響で気候は温暖だと思うので、冬は暖かいだろう。

 だから壁は薄くてもいい。


 3日で総合ギルドの壁が完成。

 さらに3日で、開拓事務所の壁が完成。


 次は酒場を作る。

 酒場といっても、中はガラガラで、しばらく開店することは無いだろう。

 普段は会議場として使用することになる。


 酒場の壁も3日で完成。

 ドワーフが資材倉庫の屋根を完成、続けて総合ギルド、開拓事務所の屋根を完成させた。

 さっそくドワーフ達が、魔王船で作った建築資材を倉庫に放り込んでいく。


 ディータと冒険者、探索者の3パーティーは、相変わらず開拓村周辺で警備をしているが、最近はほとんど魔獣は来ないとのこと。

 そんな中、魔王船からアベルがやってきた。


「おお、大分開拓村が出来たな。1ヶ月でここまで立派な村を作れるなんて大したもんだ。今日は開拓事務所の準備に来たんだ」


 アベルは、荷物や新品の机を持った開拓局の人間を引き連れて、事務所にやって来た。

 事務所を開くのは、20日以降の予定だそうだ。



 俺は次々と建物の壁を作っていく。

 9日~10日、配給所 治療院建築。

 12日~15日、食糧倉庫建築。

 

 17日から住宅建設開始。

 18日にイレーネがやって来た。


「頑張ってるじゃないソール。2日後に開拓事務所を開くわ。2ヶ月でここまで作るなんて、ソールは凄いわね」


「いやぁ~。ぶっちゃけ予定1ヶ月ぐらい遅れてるよ。とても年内に第2期まで終わりそうにないよ」


「そう急ぐこともないわよ、さっき冒険者と迷宮視察に行ったけど、開拓村の北西に、雑貨迷宮、魔力結晶迷宮、黄金迷宮、食糧迷宮を確認したわよ。いきなり当たりを引いたわね。早く探索者を投入したいわ」


「そうかぁ。開拓村は月末にはなんとか格好をつけるよ」



 17日~23日までかけて、住宅の壁は完成した。

 ドワーフが住宅の屋根の設置にかかり始めた。


 住宅の間取りは、2部屋に居間、簡単な調理場だ。

 これらの住宅は冒険者、探索者、関係者が使用することになる。

 最大で150~200名が生活することができるだろう。


 俺は魔王船で4隻のカッター艇を召喚。

 キャプテン・キッドの指示を出し、開拓村と魔王船の間に定期便を走らせることにした。

 7時、13時、17時の3回、カッター艇で荷物や人を輸送するのだ。

 同時に魔王船の冒険者、探索者にはレムノス島への上陸許可を出す。



 さっそく次の日から、冒険者達がレムノス島に続々と上陸を開始。

 ギルドのホセさんとロッシさんに「紅姫と疾風従者」「曙の斥候隊」が上陸。

 翌日、「白銀の射手」「戦歌の誓い」が上陸。

 全冒険者が上陸を完了。


 3日後に探索者パーティー「迷宮同盟」「魔族倶楽部」「リリア迷宮 主婦の会」が上陸。

 誰が先にレムノス島に行くかで、冒険者、探索者はかなり揉めたらしい。

 原因は俺のスキル「魔王軍団」で、レベルが早く上がるので、皆先に行きたがった。

 揉めに揉めた結果、登録順に上陸することで決着したらしい。



 上陸した冒険者達は、さっそく北の森に向かい、魔獣を討伐しに行った。

 俺は工事を継続。

 25日~29日で木材倉庫の壁を作り終える。

 

 よっしゃ!

 これで2ヶ月かけた開拓村建設の俺のノルマは終了した。

 あとは外部に牧場を作って、北の森を焼けば、第1期開発計画は終了する。

 こうして俺の10月は終わったのだった。



 探索者は全パーティーが上陸完了。

 北西に発見された迷宮4つに、全パーティーが向かい、獲得したドロップアイテムは開拓村に溜められ、現地と魔王船で消費されることになる。


 冒険者達は開拓村周辺や北の森を巡回し、片っ端から魔獣を片付けていく。

 開拓村も本格的に動き出した。



    第44話 「魔王様、魔法ドカタになる」

   ⇒第45話 「魔王様、自然破壊する」



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