表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

青春放棄の生存確認

作者: 柳ミル
掲載日:2026/07/27

早朝、幼なじみが死んでいた。


え、ヤバくない? 死んでない?


「暑い…」

それは口を開き、言葉を絞り出す。

僕はホッとしつつ、歩いて向かう。


作家志望で不登校の幼なじみ。

夏の朝、早朝だが、既に太陽は出ている。

今日の『生存確認』は死体もどきから始まった。




「生き返るー! やっぱ暑いときは冷たいジュースだよねっ」

「参考書を買うお金が減ってしまいました」

「ツケだよ、ツケ。私が作家になったときにねっ」

「いつ夢は叶うのやら」

などと、いつものようにやりとり。


公園のベンチに座る僕たち、早朝ゆえ、ここには2人しかいない。数日後から夏休み。ラジオ体操に使われるかもしれない、などと想いを馳せる。


「とりあえず、元気だった?」

「うん、元気だったよ。暑いのが困り事かな」

「僕たちの中学校はそろそろ夏休みに入ります」

「関係ないね、私そーいう青春捨てちゃったもん」

「青春放棄、残念だ」

「何で?」

「いやいや、こっちの話、気にしないで」

首を傾ける幼なじみ、青春放棄者、中2という一番楽しい時期を放棄した者。


「夏休みの宿題があるよ」

「適当にやってよ、委員長じゃん」

「将来が心配だ」

空を仰ぎ、僕は苦笑い。




「ま、いいや、生きてるって分かったし。

じゃあ、僕は学校に行くから」

立ち上がろうとする。

「ちょっと待って」

「何ですか?」

「飲みたくなくなったから、あげる」

缶を差し出してくる。

「買わせたくせに要らなくなったって」

「いいからいいから、ほら、飲みな」

仕方ない。


僕は半分くらい入った炭酸の缶を飲む、

ゴクゴク、と。

「間接キスだね」

「ぶっ」

朝から公園を汚しそうになってしまった。


ニヤニヤ、としながら見てくる青春放棄者。

「からかってみたっ」

「放棄したんじゃなかったの?」

「やだなー、私と間接キスして嬉しい人なんかいる訳ないじゃん」


ここにいるぞ、と言いそうになってしまった。

最後までお付き合いありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
こんばんは! 可愛い青春ですね。 彼に「ここにいるぞ」って言ってほしいですね。 ほっこりしました。 素敵な物語を読ませていただき、誠にありがとうございます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ