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異世界の超露出系戦士装備が実は、宇宙船の装甲だった話、聞く?

作者: あかね
掲載日:2026/04/16

 異世界転生。

 この世にあるとは聞いていたが、自分がするとは思わなかった。

 なぜか! 今! 不幸だ! 普通、幸福に暮らせない!? スローライフとかしないの!? ハーレムどこよっ!


 ……もしや前世の俺がやらかしたのかと振り返るが、この世界とは違う世界で社畜からの病死を華麗に決めた前世。不憫だ。

 だから、この扱いをされるほどに俺は悪いことをしていないはずだ。……たぶん。


 受け入れがたい現実がそこにあるのでくどいくらいに主張したい。不憫すぎねぇ? 俺。


 さて、受け入れがたい現実、というものはなにか、というと。


 剣と魔法がまだ幅を利かせているこの世の中。魔法装備や魔物剥ぎ取り装備が主流の中!

 よりにもよって高露出の戦士の家で、あったりまえのように、半裸生活を強要されている。

 貧弱な体を晒すなんて恥ずかしいと鍛えられている。筋肉が正義ッ! インドアないきものだった前世の記憶役に立たないッ!

 ああ、でも、一応、プロテインとか、運動の方法とか筋肉痛のときは休むのがいいとか最低限は役に立った。

 しかし、最悪なことに男ばかりが集まってきた。

 カワイイ女の子いない! 悲しすぎる。


 ……護衛で助けたお姫様に一目惚れされないかなぁ。


 そういうことを夢想する日々だった。


 そもそもなぜ半裸なのだ。その理由を知ったのは、成人を超えて数年したころだ。

 おまえもこの家宝の装備をつけても良い頃だろうと渡された一式。

 なんか、ビキニだった。この世界にビキニ諸島はないけど、形状説明として許してほしい。


 いやぁあっ! と野太い悲鳴を上げた。いやいやいや、最悪や。いややねんっ! とウソ関西人が出てくる。

 先代である父がそーっと視線をずらしていて、いやあ、やっと継げると嬉しそうだ。

 くっそ! 話を聞いてねぇぞ。むしろ、話を聞いていたら次の生贄ないってことを知ってだまってたなっ!


 特別招集でもなければ着用義務はないと知ってほっとした。

 あるわけねぇわな。フラグじゃねえぞと違うんだからなとどこかの一級フラグ建築師のように神に願った。


 さて、このやべぇ装備。どうもうちだけではなかったらしい。戦士村などと言われるうちの村。同様の家はいくつかあった。


 それを集めてわかったことがある。

 材質が一緒である。形状は一致していない。加工などは一切受け付けず、加工用のノミなどが折れるほどの強度。それなのにとても薄く軽い。力自慢がふんと力を入れれば折れそうなのに微動だにしない。

 ファンタジー素材だ。


 それぞれの装備には逸話があった。

 矢を跳ね返した、馬に轢かれて無事だった、タコ殴りされて無傷、斬首台のほうが壊れた。


 誰よ、そんなやべぇことしたの。あ、うちだった。


 昔から破天荒でと俺を見ながら言うのやめて。心折れる。


 き、気を取り直して、攻撃を跳ね返すという効果があるらしい。それも装備されていない部分でも、だ。

 ちょいと木に着せてみて石を投げてみた。

 普通に投げる。当たった。

 野球選手のように投げた。同速度で跳ね返った。

 スリングショットを用意して投げた。同速度で以下同文。


 防具のない箇所にも同様にするが、反応は同じ。


 やべえ防具だ。見た目、ただの板なのに。

 試しに服の上から着用し、同様に試して……誰だ笑ったの。


 くっ、後で見てろって、痛っ! 当たってる、速度、あげんなっ! ぶつかって!

 やめいっ!


 普通の服着用では、効果がなくなった。固いところは固いままなので大丈夫だけど、それじゃあ保護領域が少なすぎる。

 なにが違うのか。


 木と服を着た俺。

 ……ふく? 服なの!?


 悲しみののお着替えタイムを経て、悲しみのスタイルで、実験。最初いい出したの、俺だからと俺意外の意見一致。

 あとでみてろよ(2回目)


 鉄壁の防御を披露した。うはははは、無敵じゃゴラァ!


 ちょいと落ち着けないアレがアレだが。一応、そのあたりの布はついているわけで、その布が大事なのかもしれない。


 いそいそと着替えて、解散することにした。

 帰宅して、その布について父に尋ねる。その答えは、知らん、だった。なにそれぇ。母に聞けば、ああ、リュウノヒゲの織物とあっさりと……なにそれぇ?

 本物の竜ではなく、そういう植物?があって、それの織物らしく、超、貴重。金の十倍で売れる。


 この装備、豪邸建てて余裕で暮らせる価値があると判明。こんなおもしろ装備が!?

 性能を考えればわかるが、見た目が……。最低限守るべき場所しか覆えないという苦肉の策の結果の露出装備。

 これは物理に強いが、その他、魔法の効果を上げる、神聖力を増やすなどというものも確認されており……。


 この世には素晴らしい装備がっ! と夢見たところで、そういう装備を着ている男がいると締められた。


 ……そう。

 夢も希望もない。


 まあ、普通に、冷静に、考えればそうでしょーねー。


 だいたい、おまえ、妹にそれ着せられるか?というと、俺が着ますというしかない。可愛い妹、かわいいままでいてくれ。


 そんな嫌な装備を譲られた日から、半年。

 裏山に隕石が落ちた。


 どっごーんと。昼間なので物見遊山で皆が見に行った。ヒマだったのだ。

 クレーターに家ほどの石がうまっていた。湯気があがっているので熱いのか、爆発しそうなのかは判断しかねる。

 しかし、誰も見に行かないというわけにもいかない。


 じーっと見られたのは、例の装備を継承してしまった俺達。

 見に来なきゃよかったとこぼすが、いかぬわけにはいかなかった。恥ずかしい装備で連れ立ってその石に向かう。


 ただの石のように見えたが、近くによると焦げているのがわかった。焼けた金属の匂いがして、ぱかっと外壁の一部が空いた。

 誘うようなものに躊躇しながらも中にはいる。

 中は灰色の金属の通路だった。


 見たことあるような? と首を傾げるのは俺だけ。皆がなんだこれはと大騒ぎしている。冷たい石のようだが、と言っていて、はっとした。

 金属の床や壁など彼らは見たことがない。たしかに俺もここに生まれてからはない。前世ではときどきあったことがあるけど。

 異世界ファンタジーなこの世界にあるまじきブツが空から降ってきた。


 どういうことだ? まったくわからんな。謎の宇宙船か?


 空から降ってくるのは可愛い女の子ときまっているだが……。

 いや、もしや、いるかもしれない! 通路があるということは人形のなにかがいるということっ!


 びびった奴らを置いて俺はウキウキと先に進んだ。待ってろ、異星人美少女!

 誘導されるように明かりがつくので相手も歓迎している、のかもしれない。そうしてたどり着いたのは真ん中のほうだった。


 広い部屋に球体がふよふよしていた。


「こんなところに、同胞が!?」


「球体しゃべった!」


 相互に沈黙した。

 い、いや、球体が本体じゃなくて、美女がどこかで冷凍睡眠してるかもしれなっ!


「……あー、現地民の人。すみません、その素材どこで剥ぎました?」


「100年くらい前からうちの一族に伝わる伝統衣装なので知りません」


「で、でんとういしょー」


 震えた声は、間違いない。


「残念ですが、とても有効なので、最悪ですが」


「そ、そうですか……」


 そう言って音声が切れて球体が空間を揺れていた。カラーが七色に替わりまくっていた。あれ、感情の現れかな。


「大丈夫か」


 遅れてやってきた一団を見たらしい球体は、更に激しく揺れた。

 おそらく、大笑いだ。そりゃあ、こんなの見たらわかる。うむうむと重々しく頷く俺。


「遠くからいらした来訪者だ。危険はない」


 ないよね? 大丈夫だよね? と思いつつ、球体に視線を向ける。そのころには大人しく収まっていた。


「すみません。同胞を探すように言われており、反応があったので。しばらくお世話になります」


 柔らかい声はそれでも異質だった。頭に直接語りかけてくる……いや、違う、なんか装備がびびっと震えてる。

 それに反応して悶絶する仲間たち。わからんような球体に説明するとまた音声が途切れ、ふるふると揺れている。


 なにこのコント。


 最初に被害が少なかったのは音量が小さかったのと装備が超マイクロビキニだったせいだと思われ……。

 け、結果良ければ良し! いろんなものをかなぐり捨てた。


「もうちょっと普通の格好して来ますので、そのときにはお話します。あと村長とか連れてきます」


 そう言って撤収することになった。


 やってきた宇宙船(仮)の球体はキューと命名された。元々の名前は発音できなかったからだ。話をしているところで、判明したのは継いだ装備というのは、キューの同胞の宇宙船の装甲だった、ということ。

 そしてリュウノヒゲというのも装甲をつなぐワイヤーのようなものらしい。植物じゃなかった!

 鉱山で算出されてというのも宇宙船剥ぎ取って、であろうと推論できた。


 そりゃあ、希少装備だ。


 そんな鉱山、どこにあるの? というと枯れた鉱山はお隣の山に。

 …………世界を股にかける大冒険は、秒で終わった。

 キューがやってきた翌日には大爆睡していた同胞と再開、ド付き合いを経て、仲良くしていた。いやあ、問題解決早い。

 せっかく異世界転生したのに、活躍しない。俺の価値とは。


 キューと同胞は故郷に帰るのかと思ったら、故郷はもう殲滅されており、帰れないので同胞を探していた、ということらしい。

 なお、隣の山の宇宙船は殲滅前に行方不明になったやつらしい。

 異星間機動ドラゴンに星潰しされたとか……。SFでもファンタジーにもなれないなんかだな。


 そうして、うちには宇宙船と宇宙人(仮)が二匹居候し、平和な日常を送っていくことになった。

 ひとまず、使わないなら装甲剥ぐし、加工するしと有効活用し、驚異の戦士村として名を馳せることになるのだった。

真面目に、面積の少ない異世界装備について考えた結果、貴重素材で素材の組み合わせが悪いと効果が出なくて、ケチって使うしかないんじゃよ! という結論にたどり着いたわけですが、コレが正しいかは不明です……。

宇宙船の装甲はスペースデブリやビームも弾く仕様。外装は宇宙船の形に合わせてパッチワークするので小型パーツと大型パーツがあり、物によって効果も別でというやろうと思えばパーツに廃課金できる。キューや同胞がどのタイプだったかは闇の中。ひとまず、星を壊すドラゴンブレス一発は耐えられる、らしい。

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