表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

イヤホン

外出する時、僕はいつもイヤホンをつける。聴いているものは何でもよくて、それをつけていること自体が重要だった。だから、僕はよく彼女の話を聞き逃してしまう。それでも彼女はずっといてくれるのだから、お人好しだ。

そんな僕がある時、そのイヤホンを失くしてしまった。それがなければ外に出られないほど大切だから、肌身離さず持っていたというのに。彼女と共に、僕は懸命にイヤホンを探す。

手が震え、挙動のおぼつかなくなる僕を、彼女は寄り添いながら探すのを手伝ってくれる。申し訳ない気持ちで僕はいっぱいだったが、どこか彼女は嬉しそうだ。

しかしどれだけ探しても見つからないのだから、僕はいつしか半ば諦めていた。

そうしてイヤホンが見つけられないまま続くある日のこと。彼女は用事があり、僕は一人彼女の家で帰りを待っていた。魔が刺したと言えば、そうなのだろう。僕は普段一人で入ることのない彼女の私室に足を踏み入れた。いつもは僕が入る前に何やら片付けをしているようで、少し気になったのだ。

そこには、やけに懐かしく感じる物が数多く置かれていた。あのイヤホンもあった。どれもこれも、僕が外で平静を保つ為に使っていた物ばかり。それがなければ、僕は彼女に頼りっぱなしになってしまうのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ