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  作者: ルケア
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OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「で?」


「なんだ?」


「この状況で遠征? 本気なの?」


「本気も本気だぞ? 西側の町もバイラル、ケール、ミルド、マットンとこちらの国に属した以上、これ以上の拡大路線は不可能だしな。現にもうレイミン王国とは隣接地が無くなったし。後はスタンピードが何処まで進むのかによる。これ以上は流石に拡大させないだろうとは思うんだけど、こっち側は放置されたし、国交が無くなってしまったからな。完全に孤立したわけだ。まあ、孤立した方が秘匿性を得られるから良いんだけどな? スタンピードを抑え込むというか、終わらせるのは後でも良いから、まずは未開地の探索だ。そっち側に活路を見出すぞ。具体的には、泥鉄鉱山の回りを1周してくるんだよ。大きさからして、10日もあれば回って来れるとは思うんだけど、何しろ調査だからな。未発見の物は全部確保する勢いで採取も行う。それなら、俺が出て行く方がいいだろうから、こうやってあの時のパーティーで行こうぜって話なんだよ。他にも大体100人くらいで調査はするんだけど、固定パーティーで組んだ方が勝手がきくからな。そう言う事で、久々に組まないかって話なんだよ。そっちは5人でダンジョンに潜っていたんだろ? なら活動場所が変わるだけだから問題ないだろう?」


「活動していたのは確かだし、別に行っても良いのだけど、レガリオを落とすって話はどうなったのよ? バイラルがこちらに取り込めた以上、テイメンとバイラルから向かえるレガリオは落とすみたいなことは聞いているわよ? そっちとは別で動く気?」


「勿論だな。そっちは専門の部隊が既に出来ているから、何も問題ない。放置していても問題ないんだよ。だから、俺たちは未開地に行こうぜ。そっちだと新しいダンジョンが見つかったりするかもしれないし、実入りが大きい可能性がある。未開地の境界線上には高確率でダンジョンがあったりするんだよ。そういう場所にあるダンジョンは有益だったりするし、是非とも行きたいと思っていたんだ。キッキリアから北西へと向かって行く感じになるんだよ。まあ、どれだけ泥鉄鉱山が大きくても、20日もあれば帰って来れる。そのくらいで予定をしているんだけど、どうだ? 行こうぜ!」


「まあまあカミラ君。レイル君の言う事も一理ある訳だ。今やダンジョンは誰でも攻略できる場所になったんだよ。僕たちが必死になって潜る必要は無くなったんだ。そこで未開地の探索に行くというのは、良くも悪くも1度はしておかないといけない事だしねえ。それに、最近はスタンピードの圧が強くなって来たそうじゃないか。それではこちらもじり貧になる可能性がある。ここらで現状の打破をしておかないといけないってのも解るんだよねえ」


「そうね。その話は聞いているわ。……スタンピードの圧が強くなってきたって本当に大丈夫なのよね?」


「いや? 大丈夫な訳ないが? 完全に想定外の事が起きている。というか、ここまでスタンピードを放置した例って無いからな。今、一体スタンピードの中心で何が起きているのかは正直解らないんだよな」


「は?」


「でもまあ、こっちの戦力が負けるなんてことは無いから問題にはならないんだけど、とっとと対処はしておきたいんだよ。不測の事態に備えて、ではなくて、不測の事態だから現状の打破のために未開地に活路を見出さないといけないって感じになっているんだよ。安心しろ。エデリオ王の許可は貰っている。既に行くことは決まっているんだ。後はカミラたちが付いてくるのかどうかだけなんだよ」


「さ、さらっと酷いことを言いましたよね!?」


「不測の事態中。そんな状態なの?」


「おう。現状、南の状況は全くわからない。何が起きているのか判断が付かない。統率種が複数現れたか、もしくは進化したか。更に未知の事が起きた可能性もある。現状維持が厳しくなってきた可能性があるんだよ。だから、そのために未開地に入って、なんとか活路になりそうなものを探しに行くんだ。ぶっちゃけ、後がないのと同じなんだよな」


 うん。かなり危険な状態だと思っていいんだよ。スタンピードが起きてから、かなりの年月が経ってしまっている。それでもスタンピードが収まっていないどころか、寧ろ拡大傾向にあるんだ。これがどういう状況なのかというと、誰も経験したことがない領域まで達してしまったという頃になる。なので、何をしたら正解なのかがもう誰にも解らない状態だ。俺も既に想定の範囲外の事が起きているっていう事を認識して行動しようとしている訳だ。レガリオを確実に落とした方が良いんじゃないのかってのはあるんだが、寧ろそれだけの部隊で落とせなかったら詰みでもあるんだ。だから、詰んでいないという状況に賭けるしかない訳で。現状全てが解らない状態だ。そんな中、未開地に行こうとしているのは、なんとか活路をというか、希望を探しに行くのと同義なんだよな。


「正直、鉱山系のダンジョンが無ければ詰む可能性もある。魔石はなんとかなる。エルダートレントもレイドルの森のかなり西の方に居るって話だし、マットンあたりから入手すればいい。メイジ職はそれでもなんとかなるんだけど、問題はソルジャー職なんだよな。神鋼とまでは言わないが、メギル鉄では限界が来るかもしれない。だから今得られる最大の利益を取りに行くためにも、未開地に入らないといけないんだよ。負ける負けないだと、負ける可能性があるから、なんとかしないといけないよねって話だ」


「……正直そこまでなっているとは思わなかったわ」


「……だねえ。ちょっと胡坐をかき過ぎたかなあ? そんな事はないって思いたい所なんだけどねえ。何が起きているのか、現状把握が出来ていない状況で停滞を選ぶのは、得策ではないのは解るよねえ」


「うむ。それでなくとも厳しいのが現状だ。打開策を求めて未開地に潜るのも止む無しなのか。レイル、勝算はあるのか?」


「確実とは言えないが、こういう未開地の境目、境界付近にはそれに連なるダンジョンがあるってのが一般的だ。鉱山のダンジョンを探したければ、鉱山の近くを探すのが普通だな。一般的だと言うだけであって、確実ではないから、まずは確認程度の事で出撃する訳なんだけど、無かったら詰みかねない。こういう状況で詰む可能性があるのは、流石に予想していなかったけど、まだ未開地を探索しきった訳では無いからな。何かあるかもしれない。というか、高確率であると思うんだよな。キッキリアのダンジョンが鉱山系のダンジョンでは無かったから、鉱山の回りには鉱山系のダンジョンが1つくらいはあるはずなんだよ。無ければ、もっと未開地の奥に進んでいかないといけないだろうな。まあ、最悪の事態を想定した場合は、って事になるんだけど。まだ最悪にはほど遠いとは思うけどな」


「僕は行くしかないと思うけどねえ。もうここまで聞いたら、行く以外の選択肢が無くなったのと同じだとは思うんだけどねえ」


「……そうね。行くしか方法がなさそうなのが問題な訳なんだけど、それを考えても無駄だものね。それで? いつ行くのかしら? なるべく早い方が良いのよね?」


「行くのは2日後だな。それくらいで準備を頼む。準備が出来たら、朝にキッキリアの西ゲートに来てくれ。そこからぐるりと1周回る予定で居るから」


 未開地の開拓に行くぞ。いやまあ、まだ開拓はしないんだけどな。ダンジョンを探しに行くのだ。詰み防止の為に。詰んだら本当に終わりだからな。

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