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OFUSE始めました。
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ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。
https://rukeanote.hatenablog.com/
さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。
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「テイメンとシリエラが落ちた。アントたちがメルモットに到達している。多分だがモームロにも行っているはずだ。さて、ここからどうするんだ? ここからが本番なんだろう?」
「勿論だ。何のためにメルモットを要塞化したのかって話にもなってくるからな。まずはモームロにも関係してくるからシリエラから落とすぞ。こっちはなんとか錬金術師の育成が間に合った。俺が外に出て行っても問題は無くなった訳だな。それで? バトルマスターと賢者は何人用意できている? メルモットを防衛している数も含めてだな。どの位の戦力が今いるのかを確認しておかないといけない。無理そうならガメリアにも援軍を要請する必要があるからな」
「十分かどうかわからんが、今使える奴らで、メルモットに居るのはバトルマスターと賢者が5000ずつだ。キッキリアに居るのはバトルマスターが34121と賢者が29744だな。……戦力的にはおかしな数字になっているとは思うが、これが全部だな。まあ、全部持っていかれると困るんだが。食料生産という意味で、獣系ダンジョンの肉類が滞るのは不味い。ある程度の戦力は残してくれないと困るんだが?」
「心配しなくても大丈夫だ。この町からはバトルマスター20000と賢者15000を出動させる。物資はメルモットの連中に支援をさせるから、キッキリアからは生産した端から全部持ってきてくれ。特にMPポーションは大量に必要になる。それと、生産職も500人くらい動員するからな。こっちは工作員として連れていく。現地で土塁を作ったり、拠点を作ったりするからな。そのくらいの数は必要になってくる。まあ、なんとかして見せるさ。命令が滞ると問題だから、色々と策は練ってある。まずはそれだけの人数をキッキリアの町の外れに寄こしてくれ」
「解った。それだけで良いんだな? それだけでいいのであれば、3日後にはなんとか準備が出来ると思う。人選はこっちでさせてもらうからな。流石に補給物資なんかは別口で用意しないといけない所なんだが……。どうせそっちの手配は済んでいるんだろう?」
「勿論だ。既に生産職の500人にも物資を持たせてある。後は号令をかけるだけだ。3日後で良いんだな? それならそれでこちらも準備をするが」
「ああ、それで大丈夫だ。それで問題があるとすれば、お前さんの指揮能力がどの程度あるのかにも因るんだが、そっちは大丈夫なのか?」
「そっちは全然大丈夫じゃない。大軍を指揮するのは勿論、スタンピードの鎮圧部隊を指揮することも初めてだ」
「おい。それで本当に平気なのかよ?」
「やるしかないからな。やらないといけないからこうしている。1回目が出来れば、2回目も出来る。3回もやれば、誰かが覚える。そうしていけば、俺の役目も終わるってものだ。まずは徹底的に調べて色々と対処できそうな俺が行くだけで、今後は今回の鎮圧部隊から、軍部に入れる奴らを選定して将軍なり将校なりをやらせればいい。適性のある奴ってのはこういう時に頭角を現すものだからな。俺よりも適任がきっと出てくるはずだ。そういうのを召し抱えていって、段々と大きくなっていけば良いんだよ。国が大きくなる過程を見ることはかなり珍しいんだぞ? 見学者としてこれほど楽しい事はないだろう。まあ、国に組み込まれている側が見てもどうなんだって話はあるが、そんな事よりも、出来る事をやらないといけない。まずはシリエラから。そこからテイメン、レイドンと落とす。そして、穀倉地帯を解放する。そうしないと、この国の未来が見えなくなるからな。人口を抱えるだけ抱え込んで終わりになる。少なくともここの穀倉地帯はなんとかしないといけない」
「まあ、そうか。そうだよなあ。これだけの人口を抱え込むには、どうしても畑が必要になるんだもんな。それが直ぐ側にあるのに、使えないでは話にもならない。腹をくくるしかないわな。こっちもこっちで部隊長や将校候補を選定しておこう。お前さんの直ぐ側で勉強させる奴らも必要だろうからな。そういうのが得意そうな奴も声をかける。まあ、ギルドマスターをしていたからな。そういうのは得意だったりする。任せておけば大丈夫だ。その辺は上手くやる」
頼もしい限りだな。正直、指揮なんて執ったことが無いから、何をどうしていいのかなんて解らないからな。生産職の指揮を執るのだって苦労したんだ。それ以上の苦労は確定なんだよ。まあ、なんとかなるかの精神でやらないと心が壊れるんだよ。なんとかなるさと思わないとやっていけない所があるんだ。精神を病みたくなければ、適度に諦めることが肝心だからな。
さあ、問題は山積みだ。出来る事をしないといけなくなってきている。準備だけは怠らない。何をしないといけないのかなんかは解っている。それで500人の生産職をこっちに引き入れていたんだ。拠点を作らないのは駄目だからな。まずは町を落とすのに10日はかかると思った方が良い。その時の為の寝床を作る必要がある。まあ、整地をするだけなんだけどな。緊急事態だ。それでも十分なんだよ。天幕を張って、地面に毛皮を置くだけだ。それで寝られない奴は、こういう戦いには向いていないって訳なんだよ。……こんな戦いをしないといけないから、前回の時は見捨てて逃げたんだけどな。スタンピードを甘く見てはいけないんだよ。ちゃんとそういうイベントもあったからな。まあ、こっちに来てまでそんな大イベントが始まるなんて思ってもいなかったが。
そして3日後。キッキリアの外れに35500人の精鋭たちが揃っていた。後はこのままメルモットへと進軍し、1泊したのちにシリエラへと向かっていく。そのための、喝を入れるだけのために、俺は外壁の上に立たされていた。
「諸君! 集まってくれてありがとう! 諸君らは強くなった。誰もが夢見る圧倒的な力を手に入れた。だが、その力を如何なく発揮することは出来なかっただろう。ダンジョンでもそうだ。その力は持て余している状態だろう。だが、今回の敵は違うぞ。敵はダンジョンよりも弱いかもしれない。だが、ダンジョンよりも数が多い。諸君らも集まってくれたおかげで、ここには35500人の戦士たちが居る。敵の数は我々の何倍も、何十倍も多いのだ。それを駆逐し、駆除していかなければならない。それらは諸君らの仕事だ。これから何度も何度も行う仕事だ。それの第1回目が今回となる。選ばれたことを幸福に思え。戦力として期待されていることを誇れ。諸君らの活躍が、スタンピードを押しとどめる力となる。そしてその時、全力をもって敵を打倒できるだろう。諸君らの奮戦を期待している。さあ、解放戦線だ。今日、この日をもって、魔物の支配から町を解放するぞ! 声を上げよ! 前を向け! 進むべきは前だ! 前だけ見て突き進め! 後ろは考えるな! 横は同志たちが守ってくれる! 前だけを見よ! 突き進んで勝利を掴め! 出陣!」
「「「「「おおおおおおおおお!!!!」」」」」
士気を上げるために演説をしないといけないと言われた時には、必死になって言い回しを考えた。考えたんだけど、これ以上の口上は思い付かなかったんだ。最後の方は勢いでなんとかしただけなんだよなあ。こういう時にかっこいい演説が出来る人は、良いよな。指揮官に向いていると思う。俺はやっぱり柄じゃないなって思うな。見た目からして生産職だし。これが厳つい軍人がやれば映えるんだろうが、如何せんヒョロガリじゃあなあ。まあ、それでも始まってしまったものはなんとかしないといけない。なんとかできるのか。じゃないんだよなあ。するんだよ。




