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OFUSE始めました。
https://ofuse.me/rukea
ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。
https://rukeanote.hatenablog.com/
さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。
https://twitter.com/rukeanote
「まあ、良いか。俺が錬金術師であることには変わりがないし。俺が出来る事にも変わりがない。生き残るためには色々とやらないといけないことがあるけど、それはもう、どうでもいいか」
「どうでもよくないんだけど? 錬金術師に何が出来るのよ? 本当に借金を返す気はあるんでしょうね?」
「勿論だ。……俺の推定では、直ぐにでも借金を返せる。まあ、それ以上の事をやりたければ、何処かのパーティーに入れて貰わないといけないだろうが、俺とパーティーを組む気はあるか?」
「借金をしているのに、私以外とパーティーを組むの? ありえなくない?」
「いや、それもそうか。じゃあ改めて自己紹介だな。ってか、名前も言ってなかったんだな。俺はレイル。21歳。職業は錬金術師。レベルは100だ」
「カミラよ。18歳。職業はウィザード。レベルは40ね」
「ウィザード、レベル40ねえ。範囲魔法が使えないって言ったのは、MAGが10000を超えなかったのか」
「うっ……。そうよ。何か問題でも?」
「いや? まあ下振れただけだろ? どうせ転職するんだから関係ないよな」
「はあ? 何で転職しなきゃいけないのよ?」
「何でって、強くなるために決まっているだろ? ……賢者になってみたくはないのか?」
「……成れるものなら成りたいわよ。でも無理でしょ? 天職じゃなかったんだから」
「無理じゃないんだな、これが。それに、どうせステータスが下振れているんだろ? 転職しても問題ないくらいにはMAGが低いんだ。今のままで終わりたいか? 終わりたいなら借金を返し終わったらそれまでなんだけど」
「……本当に何処から来たのよ? 本当にそんな事が可能なの? それだと世界が色々と狂うわよ? 皆が皆、賢者になってみなさいよ。宮廷魔導士の価値がだだ下がりじゃない」
「そもそも賢者になっただけだと、ただ燃費が悪い魔法を覚えただけのポンコツでしか無いからな? しかも天職だったか? そんなので賢者に成ったら、コスパの良い1次職の魔法や2次職の魔法が使えないんだろ? ただのお荷物じゃないか」
「賢者がお荷物って。本当に何処でそんな知識を手に入れたのよ?」
「前の国では当たり前の事だったからな。それよりも、力が欲しくないのか?」
「……手に入るのならね」
「じゃあ決まりだ。明日にでも転職しに行こうぜ」
「……本気?」
「本気だ。そもそもウィザードで行き詰まっているんだろ? なら俺の言った戯言に付き合ってくれても良いんじゃないか?」
「錬金術師は詐欺師の典型例だものね。まあいいわ。行き詰まっているのは本当の事だし、乗ってあげようじゃない。その代わり、借金は早めに返してよね?」
「それは物価次第かな。俺の作るものがどの位で売れるのかが解らないし」
「ふーん。自信がないとは言わないし、確実に返すとも言わないのね」
「そりゃあな。まずは情報が欲しい所ではあるんだ。それとレンタルできる工房だな。明日にでも商業ギルドと冒険者ギルドに登録しに行くから、レンタル工房を借りられるか聞かないとな」
「工房なら商業ギルドで借りられるわよ? そんな事も知らないの?」
「前の国だと借りれたが、今の国だと解らないからな。でも、工房が借りられるなら大丈夫だ」
色んな工房があるとは思うが、一番楽なのが薬師の工房だな。鍛冶師の工房も借りられるんだろうけど、金属の入手手段が無いんだよなあ。後は、インベントリの中身を掃除しながら素材を創る所から始めないといけない訳なんだけど。
そんな訳で、宿屋。普通に1人部屋に泊めて貰えた。大部屋に叩き込まれることを覚悟していたんだが、この世界は1人部屋が一般的なのか? ちょっとよく解らない。でも、風呂は無しと。さっき受付でお湯は有料って話だったから、普通に水で身体を拭く……あ。布がゴブリンの皮紙しかない。え? 風呂は無しですか? 無しだよなあ。マジか。散々じゃねえかよ。
まあ、それならそれで仕方がない。風呂は高級路線の宿屋にしか無いんだろうし、しょうがないよな。……文無しを卒業しないといけないな。なんとか金を作らないといけない。まずはそこからだ。パーティーはなんとか組んでもらえたが、これから先も金を借り続けるのはちょっとどころでは無く恥ずかしいので、とっととゴブリンを換金しないといけないんだよな。
ゴブリンの肉は放置。これは明日捨てる。皮紙も品質は本当に最低だな。まあ、なんとか金にはなるかもしれない程度の品質だ。こんなのでも作って売らないといけない程度には困窮している訳なんだよ。貧乏は辛いよ。全く。
後は石や枝を良い感じに加工して、明日カミラに渡すための杖も作ってしまう。伊達に錬金術師を極めてないからな。マジックスミスの能力が大半を占める訳なんだけど、素材を用意するのは錬金術師の仕事だ。まずは素材を用意するところから。低品質の木材からでも、比較的マシな杖は作れるからな。……全然ステータスは盛れないけど。まあ、スキルはマシなのをつけておく方がいいだろうからな。これで借金が減ってくれると有難いんだけどな
そんな訳で次の日。
「商業ギルドと冒険者ギルドには登録できたし、借金はまだ残っているけど、ある程度の金は用意できた。レンタル工房も借りることが出来る確認はしたし、転職も終わったな」
「……本当に黒魔導士になっちゃった。本当にこれで強くなることが出来るんでしょうね?」
「当たり前だろ? それと、これ杖な。昨日とりあえずで作ってみたんだ。ステータスの底上げは大事だからな。その杖よりは良いものを準備できたと思う」
「ちょっと見せて。……何? この杖……」
「まあ、素材を厳選してないし、この程度が限界だ。流石にこれ以上を望むのは不可能だぞ? 現状のステータスでもこれ以上は上乗せ出来ないし。まあ、スキルが付いているだけでも有用だと思うぞ? それなりのスキルを付けたつもりだし」
「いや、貴方ね。普通の武器にはこんなスキルは付かないわよ? この杖と比較してみなさいよ!」
今までの持ち物
・欅の杖:MAG+40
今回作った杖
・柊の杖:MAG+25 (エンチャント:短縮詠唱Lv10、高速詠唱Lv10、威力増加Lv10)
「まあ、ステータスが盛れなかったことは済まないとは思うんだけど、それでもスキルがちゃんとしてた方が良いだろ?」
「ちゃんとのレベルじゃないわよ! 何この杖!? 無駄にエンチャントスキルが豪華すぎるんですけど!?」
「木材が良い物だったらもっと付けることが出来たんだろうけど、厳選してないならこんなものだろう? 錬金術師を舐めて貰っちゃ困る。素材の加工から適切な処理が出来れば、もっともっと性能は良くなる。あくまでも宿屋で作った一時しのぎだからな。今はこんなもので十分だろ」
「……これ、売らない? これなら借金は一瞬で返ってくるわよ? というか、これを貰ったなら借金は無しでも良いんだけど?」
「そんな武器で満足するなよ。武器に関してはもっと良いものを考えているんだから。それと、物納ってのはかっこ悪いから、ちゃんと金で返す。それは安心してくれて構わないから」
「うーん。安心していいのか、出来ないのか。訳が分からなくなってきたわ」
そんな武器で目を回すな。MAGが+25とか雑魚でしかないんだよ。最低でもトレントの木材は使いたいよな。そうすれば、+1000くらいは上乗せできるんだし。エンチャントも今の木材だとこれが限界なんだよな。適当にあり合わせで作っただけだから。もうちょっと有意義な杖を作りたかったんだがなあ。昨日拾った木材ではそれが限界だったんだ。今後に期待だな。