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歴史の隠れ家  作者: 木島別弥
第一章 第二次大戦について
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「シオンの議定書」を明かす

 「シオンの議定書」の内容を明かす。「シオンの議定書」はそのあまりにも罪深い内容から、非公開にされており、その内容を知る人は少ない。二十一世紀の現代人には、調べるのはかなり難しい。「シオン賢者の議定書」という偽物が出まわっている。「シオン賢者の議定書」は、「シオンの議定書」の前後にユダヤ民族が気分高揚して大勢が執筆した類似本のひとつであり、公開しても大丈夫だと判断された一書である。「シオンの議定書」の本質は、偽物には書いていない。

 「シオンの議定書」は、1907年にロシアでユダヤ民族が主催して作られた。それは17ページの短い書物であり、四つの勢力の同盟を意味する。四つの勢力とは、ユダヤ民族、イスラム、白人、天皇、である。ユダヤ民族は、近代科学と産業革命により、「すでに自分たちは世界を征服できるのではないか」と考えた。その味方に、一神教の主流な勢力であるイスラムと、欧米を中心とした新興勢力である白人を選んだ。アジア諸国は、ユダヤ民族の謀略を警戒して、我が国の皇帝である「天皇」ただ一人を同盟させて様子を見た。

 我が国が満州事変を起こし、アジアの解放の名のもとにアジアの盟主となろうとしたのは、この「シオンの議定書」が原因である。天皇が世界を征服する仲間になったため、「天皇陛下万歳」と唱えて、世界征服を始めたのである。

 ドイツのヒトラーは、「シオンの議定書」を知らなかったが、ユダヤ民族の富貴な暮らしに不満を持ち、ユダヤ民族と戦い始めた。そのドイツと、「シオンの議定書」のユダヤ民族の同盟者である「天皇」の国が同盟を結んだのは、我が国からすれば、ドイツは背後にある事実関係をつかめていないと見えて、いつか出し抜けるという算段もあっただろう。

 ユダヤ民族の世界征服の根拠は、キリスト教を支配していることによる宗教的理由が大きかった。近代世界は、キリスト教ではなく、近代科学で動いていて、それを感じたユダヤ民族は、宗教的ユダヤ人と科学的ユダヤ人に別れていく。二十一世紀前半で称賛されているのは、確実に科学的ユダヤ人の方である。科学的ユダヤ人は、それくらいに全力で科学を実行しなければ、人生に栄光がないことを理解している。

 ユダヤ民族は、イスラムと白人を世界征服の仲間に入れた。白人はみんな、天皇と同じだけの罪を背負っているといえる。白人が勢力を増せば、白人の多くが信仰するキリスト教を追及すると、それはイスラム教にたどりつくことがユダヤ民族にはわかっていた。だから、白人をイスラム全体で支配することで、世界をユダヤ民族で支配できると考えていた。

 だから、イスラムを除くアジア諸国や、アフリカ諸国は、天皇に怒るのと同じくらい白人に怒るだろう。主催者であるユダヤ民族にはもっと怒るだろう。1907年から、白人は世界を征服するつもりがあったのである。

 ユダヤ民族の何人が「シオンの議定書」の内容を知っていたのかはわからない。「シオンの議定書」の類似書が大量に書かれ、出まわったことから、ユダヤ民族の多くは、その内容を察していたのではないかと思われる。

 また、白人の何人が「シオンの議定書」の内容を知っていたのかはわからない。白人の人種差別の原因のひとつに、「シオンの議定書」があった可能性はある。

 ユダヤ民族のゴイム差別や、白人の人種差別が二十世紀から二十一世紀にかけて少しずつ減っていったのは、ユダヤ民族や白人が「シオンの議定書」の通りには世界を支配できなかったからである。

 我が国では、我が国をアジアの盟主にしようという思想は、保守陣営を中心に根強く、それは天皇崇拝とからみあって、アジア諸国に対する差別思想として現れている。「シオンの議定書」にその原因があると考えることもできる。我が国は、いまだに、ユダヤ民族や白人と組んで、天皇が世界を支配する仲間になることを目指しているのだ。我が国の保守陣営が隠している書物はたくさんあるといえるが、そのひとつは「シオンの議定書」なのである。

 「シオンの議定書」はすでに二十一世紀前半では効果をもたない。それくらいに、ユダヤ民族の力の限界は明らかになったし、白人の力の限界も明らかになった。しかし、我が国では、皇帝はたくさんの秘密を隠し持つものであるため、天皇はなかなか力の限界が明らかにならない。

 「シオンの議定書」を公開すれば、十億人を超える人物が責任を問われることになる。我が国では、「天皇」が責任を負うのみであるかもしれないが、「天皇」を担いでアジアの支配をしようという保守陣営の責任はまた重いのかもしれない。

 利益の摂取と譲り合いは、割合の裁量が難しく、どの程度、利益を摂取して、どの程度、利益を譲り合うのかは、いつの時代も迷うものであるが、我が国の保守陣営はその割合をまちがえていると私は考える。


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