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(11)球技大会(1)

 何を着ても可愛いな~と思ってしまうが、一切表情には出さずに対応する。


 どうせ言われる事は一つしかないしな。


「ジニアス君、私にも手伝わせて!」


 予想通りの言葉に彼女の優しさを改めて認識すると共に、こうなってしまった彼女はあの三人の邪魔が入らない限り決して意見を曲げない事を知っている俺は、素直に手伝って貰う事にした。


 あの三人の視線は感じるが、球技大会の開催が遅くなる事を懸念したのか何かちょっかいをかけてくる事は無かった。


 準備が終わり、いよいよ大会が始まる。


 所々、教師も含めて準備が遅いだのなんだの文句を言っている奴らがいるが、だったら一人に任せないでお前達も手伝え!と心の中で毒を吐いておく。


 いや、当たり前の事を叫んでおく。


「ふ~、流石にお前らの力を借りないで全部準備するのは大変だったな。片付けも同じ、いや、全員が帰るまで待っていればお前らの力を借りられるか?」


 人気の無い体育倉庫の奥で、痣から少しだけ顔を出している二体に話をしている。


「今日は頼むぞ。あいつ等本気で俺を殺しても良いと思っているから、かなりの力で来るだろう。俺は何の力も得ていない生身、対してあいつらは潜在能力Lv7の化け物だ。系統が攻撃でなかったレグザの攻撃であったにしても、身体強化されている攻撃を生身の俺じゃ受けきれないからな」


 あいつらは専属の講師が付いて修練をしているだけあって、潜在能力の限界まで達するのはそう遠くないだろうと言われている。


 そもそもLv7の化け物と言われる力を得ているので、対応する身体強化もかなりの力になっているのは間違いない。


 それに、補助系統のレグザが残りの攻撃系統の二人を補強する術を起動する事もあり得るので、そうなると未熟であるとは言え、皇族直轄の熟練の騎士単体と同じ程度の力を得る可能性があるのだ。


 生身の俺は避ける事すらできず……いや、その攻撃を認識する事すらできずに真面にその攻撃を受ける事になり、ほぼ間違いなくその場で即死だろう。


 公爵クラスが三人もいれば、平民一人が学校で死亡したとしても事故として処理する事は容易だろうな。


 それを分かっているから、スミナは必死でポーションを探していてくれたに違いない。


 彼女の目の下にはクマができていたから、おそらく屋敷中を探し回って寝不足なのだろう。


 そんな彼女の心配を排除するために、俺は今ある力を少しだけ使う事にしたのだ。


 そう、痣に隠れている二体の力の一部を貸してもらう。


 この二体の力がLv.7の力に対抗できるかどうかは若干の不安があったのだが、冷静に考えれば間違いなく大丈夫である事を思い出した。


 この二体に気が付いてからある程度お互いを理解するために努力した結果、ようやく彼らの名前とレベルを知る事が出来ていたのだ。


 驚愕の事実はこうだ。


 立派な体躯を持つ美男子の名前はブレイドと言い、なんと種族は魔族。


 一方、蝶のような綺麗な羽を持つ美女はネルと言い精霊族。


 大きい括りで魔物と総称される二人だが、共に最強のLv10だったのだ。


 この事実を知った時に、二人の超越した力を秘匿し続けて良かったと心底安堵した事もあったな……


 そんな彼等の力を全て公にすると色々面倒な事になるのは間違いなさそうなので、なるべくバレないように力を貸してもらう事にした。


 いや、完全にばれないのは無理だな。


 そもそもあいつらの攻撃を平気で受けて、場合によっては反撃すらできる時点で異常だからな。


 しかし、そうは言っていられない状況にしたのはあいつ等だ。


 現実的には力の一部を借りる事になり、結果的に大きなレベル差があるのであいつ等が大怪我をする可能性も否定できないが、そこは仕方がないと割り切ろう。


 但しその後の対策だけはきっちりしておかないと、プライドだけは無駄に高いあの三人が家の力を使って来る可能性があるから注意が必要だな。


「そろそろ時間か」


 気持ちを切り替えて校庭に向かう。


 そこには既に準備万端の三人が待ち構えていた。


 普段は偉そうに時間よりも遅れて来るくせに、今回だけは無駄にやる気が満ち溢れているようだ。


「遅いぞ、平民!」


「ヒムロの言う通りだね。そのおかげで、君の陣地にいる人達は全員既に球に当たってしまったよ」


「これで残るはお前だけだ。わざわざ待ってやったんだからさっさとしろ」


 周囲を見ると、本来は俺と同じ陣地に入るはずだった連中がいやらしい目でこちらを見ている。


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